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21話
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ジュンペイside
J「トルハ兄ちゃん…」
数年ぶりにそう呼んだことに懐かしさが込み上げてきて胸の奥がギュッと縮こまった。
T「やめろ今更そんな風に呼ぶな。」
J「トルハ兄…」
T「やめろって!!他の女を触ったその手で触んな!!」
坊ちゃんがそう言って俺の手を振り解き、また走って逃げ出そうとするから、俺は坊ちゃんの手首を掴み少し荒っぽく自分の方へと引き寄せ…キスをした。
俺の腕の中でもがく坊ちゃんをギュッと閉じ込めて触れ合う唇。
すると、ピリッと唇に激痛が走り我に返った俺は坊っちゃんから離れた。
T「会社の側だぞ…やめろよ…」
J「こうでもしないと話…聞いてくれないじゃないですか。」
T「聞いたくない。お前と女の話なんて聞いたくなんか…」
J「好きなんです…子供の時から坊っちゃんのことが…好きでした…」
俺が坊っちゃんの言葉をかき消すようにそう言えば、俺の気持ちに気付いていると思っていた坊っちゃんは目を大きく見開き口をあんぐりとさせている。
なんだよ…その反応…
今まで俺の気持ちに気づいてなかったなんて…
言わないで…
T「……だって…何食わぬ顔して…顔色一つ変えず……俺のこと…抱いてたじゃん……」
J「そりゃ、好きな人だから…抱けますよ…いくらでも…」
T「え…いや…そうじゃなくて!!え…俺のこと好きなんて…嘘だ…絶対嘘…女とキスしたくせに…ノンケのくせに!俺のこと好きなんて絶対にありえない…絶対嘘。」
J「あのメイドには不意をつかれて無理やり…されただけです。俺が望んでしたキスは…坊っちゃんとだけですよ。確かに俺はノンケですけど、坊ちゃんは別です。特別なんです。」
俺がそう言えば坊っちゃんの身体が突然ガクガクと震えだし、坊っちゃんはそのまましゃがみ込みスッと瞳を閉じて坊っちゃんは気を失った。
俺は慌てて坊っちゃんを抱き上げ、お姫様抱っこのまま社屋に戻ると社員たちが驚いた顔をして俺たちに注目する。
俺の腕の中に抱かれた坊っちゃんはまるで、眠れる森の美女のように長いまつ毛を見せている。
俺の告白が坊っちゃんにとってそこまで衝撃的だったのだろうか?
じゃ、昨日の坊っちゃんは自分に全く興味のない男に「抱け」と命令したつもりだったのか?
少しは俺の気持ちに気づいてくれている物だと勝手に思い込んでいた。
坊っちゃんの部屋に着き坊っちゃんをソファに寝かせて俺はジャケットを脱ぎそっと坊っちゃんに掛けた。
J「トルハくん…いつか告白の返事…聞かせてね…」
俺は目を閉じたままの坊っちゃんの頬を優しく撫でると、坊っちゃんの可愛い唇にそっと口付け、坊っちゃんの為に水を買いに同じフロアにある自動販売機へ向かった。
つづく
J「トルハ兄ちゃん…」
数年ぶりにそう呼んだことに懐かしさが込み上げてきて胸の奥がギュッと縮こまった。
T「やめろ今更そんな風に呼ぶな。」
J「トルハ兄…」
T「やめろって!!他の女を触ったその手で触んな!!」
坊ちゃんがそう言って俺の手を振り解き、また走って逃げ出そうとするから、俺は坊ちゃんの手首を掴み少し荒っぽく自分の方へと引き寄せ…キスをした。
俺の腕の中でもがく坊ちゃんをギュッと閉じ込めて触れ合う唇。
すると、ピリッと唇に激痛が走り我に返った俺は坊っちゃんから離れた。
T「会社の側だぞ…やめろよ…」
J「こうでもしないと話…聞いてくれないじゃないですか。」
T「聞いたくない。お前と女の話なんて聞いたくなんか…」
J「好きなんです…子供の時から坊っちゃんのことが…好きでした…」
俺が坊っちゃんの言葉をかき消すようにそう言えば、俺の気持ちに気付いていると思っていた坊っちゃんは目を大きく見開き口をあんぐりとさせている。
なんだよ…その反応…
今まで俺の気持ちに気づいてなかったなんて…
言わないで…
T「……だって…何食わぬ顔して…顔色一つ変えず……俺のこと…抱いてたじゃん……」
J「そりゃ、好きな人だから…抱けますよ…いくらでも…」
T「え…いや…そうじゃなくて!!え…俺のこと好きなんて…嘘だ…絶対嘘…女とキスしたくせに…ノンケのくせに!俺のこと好きなんて絶対にありえない…絶対嘘。」
J「あのメイドには不意をつかれて無理やり…されただけです。俺が望んでしたキスは…坊っちゃんとだけですよ。確かに俺はノンケですけど、坊ちゃんは別です。特別なんです。」
俺がそう言えば坊っちゃんの身体が突然ガクガクと震えだし、坊っちゃんはそのまましゃがみ込みスッと瞳を閉じて坊っちゃんは気を失った。
俺は慌てて坊っちゃんを抱き上げ、お姫様抱っこのまま社屋に戻ると社員たちが驚いた顔をして俺たちに注目する。
俺の腕の中に抱かれた坊っちゃんはまるで、眠れる森の美女のように長いまつ毛を見せている。
俺の告白が坊っちゃんにとってそこまで衝撃的だったのだろうか?
じゃ、昨日の坊っちゃんは自分に全く興味のない男に「抱け」と命令したつもりだったのか?
少しは俺の気持ちに気づいてくれている物だと勝手に思い込んでいた。
坊っちゃんの部屋に着き坊っちゃんをソファに寝かせて俺はジャケットを脱ぎそっと坊っちゃんに掛けた。
J「トルハくん…いつか告白の返事…聞かせてね…」
俺は目を閉じたままの坊っちゃんの頬を優しく撫でると、坊っちゃんの可愛い唇にそっと口付け、坊っちゃんの為に水を買いに同じフロアにある自動販売機へ向かった。
つづく
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