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20話

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ジュンペイside


ゆっくりとナツオさんの方を振り返ると、悪びれた顔をするわけでもなくべーと舌を出してふざけた顔をしていた。


N「仕返しだよ~」

J「はぁ~もうマジでナツオさん…俺を怒らせないでくださいよ…」

N「そっちこそ俺を怒らせたいのか?」

J「いや正直、今はナツオさんと揉めてる場合じゃないんで…」

N「確かに俺たちの戦いは休戦だな。とりあえず、GPSでヤヨイちゃんを探そ…」


ナツオさんはそう言ってスマホを操り、俺もスマホを出して坊っちゃんの居場所を探る。


N「あのさ?俺はさ百歩譲ってヤヨイとやり直す事になったからGPS使ってもいいと思うんだけど、ジュンペイはまだトルハの恋人でもなんでもない、ただの!いいかもう一回言うぞ?ただの!執事兼秘書だろ?それなのにGPS使うのはどうかと思うなーーーー厚かましいなーーー今すぐ走って追いかければいいじゃん。」


ナツオさんはスマホの画面に釘付けになりながら当てつけのように嫌味ったらしく俺にそう言った。


J「坊ちゃんをお守りすることが私の仕事ですので、的確な場所を把握してお迎えにあがりたいんです。無駄に探すなんて時間は使いたくない。」

N「よく言うよ…お前なんて閻魔様に舌を引っこ抜かれてしまえばいいんだ!お守りするなんて言いながらトルハの事やらしい目で見てるくせに!!あ…ヤヨイいた。じゃ行くわ。」

J「本当にやかましいですね。誰のおかげでヤヨイさんのマンションに行けたことやら。幹部として仕事もちゃんとしてくださいよね。」

N「ジュンペイ、お前にだけは言われたくない。」


そう言ってナツオさんは出て行った。

しかし、俺のスマホが表示する坊っちゃんの位置情報は…坊っちゃんの部屋から動いていない。


ん?

まさか…


坊っちゃんのデスクを見ればそこにひっそりとある坊っちゃんのスマホ。


さ…最悪だ。


俺は慌てて立ち上がり坊っちゃんを追いかけた。


エレベーターを降りて周りを見渡しても坊っちゃんの姿はない。


やばい…


焦って会社を飛び出すし俺は走り出す。


社屋の周りを走っては周りを見渡してみると、大きな柱の影に見覚えのあるスーツの裾がチラッと見えて俺はゆっくりと近づいていく。


俺の存在に気づかず、下を向いて涙を流すその姿があまりにも弱々しくして…


俺のことをこの人は愛してくれてるんじゃないかとまた、勘違いさせるので…


俺はその背中を後ろからギュッと抱きしめた。


つづく
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