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30話

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ジュンペイside

交際1カ月記念日にはトルハくんの出張を兼ねて一緒に箱根へお泊りデートへと出かけた。


箱根の高級旅館に泊まり、お揃いの浴衣を着て一緒に美味しいモノを食べて一緒に温泉に入って…


幸せすぎる俺の横には優しく微笑むトルハくんがいて、これ以上の幸せはないと思いながら身体を重ね合わせた。


交際3カ月記念日には一緒にお祝いをするはずたったのに、トルハくんは俺に内緒でソウタさんと出かけていたことが分かり、初めて大喧嘩をした。


J「今日記念日なんだよ!?なんで俺に内緒でソウタさんとこ行ったんだよ!!」

T「なんでそんなにソウタさんのこと嫌うんだよ!!しかも別に隠してなんかないし!!」

J「隠してたじゃん!!俺には違う取引先の人とランチだから付き添いはいらないって言って出かけたくせにソウタさんに会社まで送ってもらってたじゃん!!」

T「だからそれは!!もう……いい…。」


トルハくんは本気で怒るとこうやって言い合いすら拒み、自分の中へ閉じこもるので俺は出て行こうとするトルハくんの腕を引っ張り自分の方へと向かせる。


J「不満があるならちゃんと言ってよ。なんで俺だけじゃだめなの?そんなにソウタさんがいなきゃだめ?せっかくの記念日くらい俺と一緒にいたいとはトルハくんは思ってくれないの?」


俺がそう言うとトルハくんは無言のまま下唇を噛みポロポロと涙を流す。


J「なんで泣くんだよ…泣きたいのはこっちだよ…」


俺がそう言ってトルハくんの腕から手を離し、頭をガシガシっと荒っぽく掻くとトルハくんはジャケットのポケットに手を突っ込み、何かを取り出して思いっきり俺に投げつけた。


T「もうムカつく!!なんなんだよ!!俺はジュンペイにサプライズすら出来ないのかよ!!」


トルハくんが泣きながら投げつけた小さな箱は可愛い紫色のリボンに飾られてあり、俺はゆっくりとその箱を拾いあげた。


J「これって…」

T「今日の夜…記念日のお祝いの時にサプライズで渡すつもりだったカウスボタン。俺がデザインしてソウタさんとこのブランドで特別に作ってもらったんだよ。でも、もうどうでもいい。」


俺のくだらない嫉妬と独占欲によりトルハくんのサプライズを台無しにした。


そのあと何度も謝ったけど、トルハくんは1週間くらい目もまともに見てくれなくて、ホント苦労したし後悔しても仕切れなかった。


つづく
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