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37話
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ジュンペイside
ジュンペイside
そして、ついに…
結論を見つけた俺たちはトルハくんのお父上である旦那様にパートナーシップのご挨拶と代理母であるヤヨイさんの妊娠の報告をする日がやってきた。
何度も何度も俺たちは話し合いを重ねやっと見つけ出した答え。
お互いに納得できる答えはこれしかなかった。
俺はスーツの襟を正し旦那様の部屋の前に立つ。
T「ジュンペイ…準備はいい?」
J「まだ無理。」
思わずあまりの恐怖で震えた声でそう言うと、トルハくんはまだ膨らんでもないヤヨイさんのお腹を撫でて言う。
T「ベビたんのパパは弱っちいですねぇ~」
Y「ヘタレでちゅねぇ~ヘタレ。」
そう言って二人は俺を揶揄い、俺は目を閉じ息を大きく吸い込んで吐き出すと扉をノックした。
コンコン
J「旦那様…ジュンペイです。」
「入れ。」
ガチガチの身体で震えながら入ろうとすると、トルハくんは後ろから俺の背中をグイグイと押してくる。
「そこに座れ。」
J「はい…」
ソファに腰掛けチラッと旦那様の顔を見るとそれはそれはもう、既に鬼のような形相になっていて俺の手はさらに震えが止まらない。
「話とはなんだ。」
J「はい…あ…あ…あのですね…以前から私…坊っちゃんと交際してきたのですが…」
「パートナーシップは許さんぞ。」
撃沈
俺がパートナーシップの申し出をする前に旦那様に却下された。
T「父さんになに言われても俺はジュンペイと絶対パートナーシップを組むから!!」
J「坊っちゃん…」
俺とヤヨイさんは真ん中で騒ぐトルハくんをなだめるようにするが、トルハくんは全く落ち着かない。
「ダメだ。まだ早い。その話は社長就任式が終わって落ち着いてからだ。」
J「旦那様も坊っちゃんも落ち着いてください…」
トルハくんと旦那様が言い合いになると、その2人の間に俺の入る隙などないと分かっている俺はもう、必死に汗をだらだらと流しながら仲裁に入る。
「私は落ち着いてる。」
T「やだよ!!今じゃなきゃダメなんだよ!!」
「なぜそう焦るんだ。また、ジュンペイにわがまま言って急かしたんだろ。」
T「違うよ!!」
「なにが違うんだ。」
T「早くしないとヤヨイさんのお腹にいる俺たちの赤ちゃんが産まれちゃうじゃんか!!」
あ…言ってしまった…
トルハくんは言い終えてからやってしまったと言う顔をして俺を見つめるが時すでに遅し…
目の前の旦那様の背後からは燃えるような炎が俺には見えた。
つづく
ジュンペイside
そして、ついに…
結論を見つけた俺たちはトルハくんのお父上である旦那様にパートナーシップのご挨拶と代理母であるヤヨイさんの妊娠の報告をする日がやってきた。
何度も何度も俺たちは話し合いを重ねやっと見つけ出した答え。
お互いに納得できる答えはこれしかなかった。
俺はスーツの襟を正し旦那様の部屋の前に立つ。
T「ジュンペイ…準備はいい?」
J「まだ無理。」
思わずあまりの恐怖で震えた声でそう言うと、トルハくんはまだ膨らんでもないヤヨイさんのお腹を撫でて言う。
T「ベビたんのパパは弱っちいですねぇ~」
Y「ヘタレでちゅねぇ~ヘタレ。」
そう言って二人は俺を揶揄い、俺は目を閉じ息を大きく吸い込んで吐き出すと扉をノックした。
コンコン
J「旦那様…ジュンペイです。」
「入れ。」
ガチガチの身体で震えながら入ろうとすると、トルハくんは後ろから俺の背中をグイグイと押してくる。
「そこに座れ。」
J「はい…」
ソファに腰掛けチラッと旦那様の顔を見るとそれはそれはもう、既に鬼のような形相になっていて俺の手はさらに震えが止まらない。
「話とはなんだ。」
J「はい…あ…あ…あのですね…以前から私…坊っちゃんと交際してきたのですが…」
「パートナーシップは許さんぞ。」
撃沈
俺がパートナーシップの申し出をする前に旦那様に却下された。
T「父さんになに言われても俺はジュンペイと絶対パートナーシップを組むから!!」
J「坊っちゃん…」
俺とヤヨイさんは真ん中で騒ぐトルハくんをなだめるようにするが、トルハくんは全く落ち着かない。
「ダメだ。まだ早い。その話は社長就任式が終わって落ち着いてからだ。」
J「旦那様も坊っちゃんも落ち着いてください…」
トルハくんと旦那様が言い合いになると、その2人の間に俺の入る隙などないと分かっている俺はもう、必死に汗をだらだらと流しながら仲裁に入る。
「私は落ち着いてる。」
T「やだよ!!今じゃなきゃダメなんだよ!!」
「なぜそう焦るんだ。また、ジュンペイにわがまま言って急かしたんだろ。」
T「違うよ!!」
「なにが違うんだ。」
T「早くしないとヤヨイさんのお腹にいる俺たちの赤ちゃんが産まれちゃうじゃんか!!」
あ…言ってしまった…
トルハくんは言い終えてからやってしまったと言う顔をして俺を見つめるが時すでに遅し…
目の前の旦那様の背後からは燃えるような炎が俺には見えた。
つづく
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