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2章 闇語り
93「判断」
しおりを挟む・夢と現実の判定について
――――――――――――――――――――――――
お寺で修行している知り合いの話。
よく、夢枕に立つ、という言葉があるほど、
死者や予感が夢として出てくる話は有名だが、
「でも今は科学的にも分析されていますし、
明晰夢というものもあるくらいで―――
霊的なものとは関係が無いのでは」
ストレスや普段気にかかっている事が、
夢になって現れるだけで……
不可思議な事はないのだろう、と彼が同僚と
意見を交わしていると、彼らの師匠が部屋に
入ってきた。
さっそく彼らが師へその話を振ってみると、
「参考になるかわからんが」
と前置きをしてある話を始めた。
とある檀家に小さな子供がおり―――
6、7才になるのだが、なかなかおねしょのクセが
治らなかったという。
「まあ、よくある話で……
夢の中でトイレに行って、やらかした後に
目覚めるとか、そんな感じだったらしい」
そこである医者に相談したところ、
『もしトイレに入ったら、何でもいいから
文字を見なさい。
読めたらいいけど、読めなかったらガマン
してみて』
というアドバイスを受けた。
その少年は医者の言う通りにしてみたところ、
読めない、というか認識出来ない字があった。
その途端に目が覚め、おねしょの確率は段々と
下がっていったという。
しかし、夢といってもトイレ以外の事も見る。
ある時その子は、何かに追いかけられる夢を見た。
真っ黒な、カラスのような羽を持った何か。
逃げているうちにふと、夢の判断基準を思い出し、
そこらにある文字を探し始めた。
すると目が覚めたのだが―――
同時に『ぐげぇ』と何かの鳴き声が聞こえ、
そのまま彼はまた寝入ってしまった。
完全に目が覚めた朝方、ベッドを見ると、
カラスの羽のようなものがちぎれて、
布団の上に散らばっていたという。
「それを医者に見せたそうだが……
まあ何なのかわかるはずも無い。
一応、それを皮切りにおねしょはピタッと
やんだそうだがな」
全員が神妙そうな表情で聞き入っていると、
彼は手を上げ質問した。
「それは、医者から聞いた話でしょうか?」
「その羽、俺のところにも持ち込まれたんだ。
今でもあるぞ。見るか?」
彼を始め、全員が首を横に振ったという。
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