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187・首脳会談01
しおりを挟む「エルフ族が何をそちらに求めていると
思われているのでしょう……?」
武田先生の問いに、メルダ竜皇姫様と
フレデリカ様は困惑した表情で、
「い、いや……
何を、と言われてもな」
「これだけの技術力があるのです。
何でも要求出来るのではないですか?」
その答えに看護師のお姉ちゃんたちが、
「まーまー。
例えば、でいいから」
葵お姉ちゃんがそう促すと、
「まずは何と言っても領土であろう?」
すると先生は首を静かに左右に振る。
「……多分、それが最もいらない物です……
本来エルフ族というのは、森の奥深くに
引きこも……隠れ住み、めったに人間との
交流は行わないもの……」
すると今度はフレデリカ様が、
「では、資源的なものとか」
「この施設を見て、何か特別な物がいると
思うッスか?」
加奈お姉ちゃんの返しに、彼女は両腕を
組んでうなる。
「じゃあ男!!」
護衛のお姉さんの1人が声を上げると、
「まあ確かに、いればいるほどいいとは
思うのであるが」
「ここを見て、不足していると思われ
ますか~?」
理奈お姉ちゃんと詩音お姉ちゃんの言葉に、
質問してきたお姉さんは黙り込む。
「では何だというのだ?
ワシはこの通り囚われの身なのだぞ?
言う事を聞くしかない。
それでいて何も無いというのは……」
「……何も無い、とは言っておりません……
……みっちゃん、ここから先は大人の
話し合いになりますので……」
「はーい」
メルダ様の質問に先生はこれから難しい
話になるからと、ボクに離席するよう
言ってきて、
ボクはプレイルームへと足を運んだ。
「おー、ミル」
「他のねーちゃんたちは?」
プレイルームに着くと、そこにはカナン村の
みんなや、獣人族の男の子たちもいて、
「これから難しい話をするから、って。
そういえばテオさんは?」
「いったん娼館に戻るって言ってた。
ヴァルマ様から命じられたって」
「しかし信じられねーよなー。
もう向こうの大陸から戻ってきたなんて。
ローレル王国でもバクシア獣王国でも
一瞬で行き来出来るんだからよ」
すでに『ゲート』に慣れてしまった彼らは、
驚きつつもすんなりとそれを受け入れ、
「じゃあボクも何かやろうかな」
「あ! じゃあこっち入って!」
「よーし!
じゃあ俺は敵側の方なー」
そしてみんなに混ざってゲームを
やり始めた。
そしてその頃、武田医師の部屋では―――
「お初にお目にかかります。
メルダ竜皇姫よ。
私はローレル王国王女、ティーネール。
どうぞお見知りおきを」
淡いピンクヘアーをした30代くらいの
女性が頭を下げ、
「ガド帝国女帝・グレンダだ。
よろしく頼む」
長いバイオレットヘアーの、20代後半に
見える女性があいさつし、
「あちきはバクシア獣王国・王姫、
ヒルデガルドニャ。
どうぞよろしくニャ~」
ブラウンの髪を燃えるように逆立てた、
アラサーの猫タイプの獣人の女性が
自己紹介し、
部屋に通された竜人族一行は、
口をパクパクさせて固まった。
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