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18・奴隷商たち
しおりを挟む「奴隷商……」
監視カメラ越しに彼らを見つめるリナは、
震える声でそう断定する。
つまり、彼女たちがここに来るきっかけ―――
『商品』として扱っていたのが、彼らなのだろう。
「リナ、とにかく団体部屋へ戻ろう。
子供たちがさっきの音で驚いているだろうし」
「は、はい!」
俺の言葉で我に返ったのか、彼女は一緒に
廊下に出て、大部屋へと向かった。
「あっ! ヒロトお兄ちゃん!!」
「リナおねーちゃん!
さっき変な音が……」
やはり怖かったのか、わらわらと集まってくる。
「この施設に近付く人たちがいたから、
音が鳴ったんだ。
その人たちは、多分……」
俺がどう言おうか戸惑っていると、
「あたしたちをこの森まで運んできた、
奴隷商人たちが来ています」
リナの言葉に、まるで録画の一時停止のように
ビクン、と固まる子供たち。
そして彼女から、視線は俺の方へと集まる。
「……奴隷商について詳しく聞きたい。
もちろん、今の君たちは俺の眷属だから、
引き渡すような事はしない。
出来れば、今連れて来られている子供たちも
助けたいと思っている」
そこでようやく子供たちはホッとした表情を見せ、
情報収集と、他の子供たちを助け出す作戦について
話し合った。
「……奴隷商についてはわかった。
よし、じゃあ―――
俺が施設を『カスタマイズ』から、
その後に行動開始だ」
「「「はーいっ!!」」」
子供たちが元気よく返事するのを見て、
俺一人で廊下に出る。
「まずは、そうだな……
大部屋はもっと奥へ施設を延ばし、その奥へ。
その間に防火扉でセキュリティ強化、
管理者部屋も奥に移動させてしまおう。
自販機も、だ。
エレベーターも向こう側に―――
現在位置には大きめのロビールームを
代わりに設置。
そして管理者権限で―――」
管理ptが、-500、
-1,000と削られていくが、背に腹は
代えられない。
施設のカスタマイズが終わったところで、
俺は団体部屋へと戻り、今度は子供たちと
一緒に、自販機からいろいろと購入する。
全ては作戦の準備のため―――
「じゃあ、後は打ち合わせ通りに。
向こうの子供たちはこっちへ誘導するから、
お世話はお願いするね」
「はい、お任せください!」
こうして俺は一通り『準備』を済ませると……
奴隷商たちと出会う事にした。
「チッ、またかよ!!
これじゃ商売あがったりだぜ!!」
岩山の裂け目で、口ひげとアゴに無精ひげを
たくわえた男が―――
その狭い空間に響き渡る大声で怒鳴る。
「あの護衛の冒険者ども、クソの役にも立ちません
でしたからねえ」
「頭ぁ、やっぱり魔物除けの匂い袋で
ゴリ押しした方が良かったんじゃ
ねえですか?」
部下と思われる若い男たちが、組織のトップと
思わしき男に語る。
「俺だってあそこまで役立たずたぁ、
思わなかったよ。
次からはそうするか、クソ……ッ」
男たちとは離れた場所で―――
四、五歳と思われる女の子たちが、固まって
震えていて、
「泣いてんじゃねーよ、ガキども!!
余計気が滅入るだろうが!!
てめえらはいざという時、オトリにするために
生かしてやってんだ!
今すぐブッ殺してやってもいいんだぞ!!」
その脅しに、少女たちはピタッと沈黙する。
次の瞬間、岩肌の一部が光り輝き、
「な、なんだぁ!?」
「い、岩が開いて……」
同時に、白いローブをまとった一人の少年が
姿を現し、
「……合言葉を確認しました。
あなたが、次のマスターですね?」
彼の言葉に、奴隷商たちと少女たちは一瞬、
思考を停止させた。
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