【完結】ゲーセンダンジョン繁盛記 ~魔王に異世界へ誘われ王国に横取りされ、 そこで捨てられた俺は地下帝国を建設する~

アンミン

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17・予期せぬ訪問者

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リナたちを眷属にした俺は―――
従業員教育に力を入れ始めた。

眷属はいつでも俺の権限で解除出来る。
また、いつまでこの施設にいられるかも
わからないので……
彼らに接客業を覚えてもらう事にしたのだ。

こちらの世界の礼儀や貴族に対するマナーなどは、
当然俺も知らない。
しかし、普通の飲食店や小売店で働く事を
想定すれば、問題ないだろう。

読み書き計算も出来た方がいいので……
そこは俺が先生となって教え込む。

当然俺は日本語しか使えないが、リナが
自販機の表示を読む事は出来たので―――
恐らくそこら辺は何らかの補正がかかっていると
思われる。

そして接客マナーについては、リナが宿屋の
娘だったそうで、彼女に協力要請。
文字が読めたりやたら世話慣れしていたのは、
そういう経験もあったからだろう。

(ちなみに彼女は文字は読めるが書く事は
出来ず、他の子供たちに至っては識字率は
ゼロだった)

そういわけで、接客に関しては―――
俺と彼女の二人三脚で教えていく事になった。



「ふぅ。
 お疲れ様、リナ」

「ヒロトお兄ちゃんもお疲れ様です」

昼食後、俺とリナは管理者部屋にいた。

あれから十日ほどが経過し―――
子供たちはそこそこ、接客や学業を
身に着けつつあり、

それなりに充実した日々を過ごしていた。

「わぁ……
 ここ、いろんなところが見られるんですね」

監視カメラの映像を見ながら、リナが
感心したように声を上げる。

今までは管理者権限で、ここは俺しか
入れなかったが―――
今や俺とリナのツートップ体制ともいえる
状況になってきたので、

リナもここに入る許可を出したのである。

彼女をここに入れた理由は二つ。
一つは相変わらず誰かが熱を出すし……
薬はここにしかない。
その度に俺しかこの部屋に入れない、というのは
不便極まりなかったからだ。

それにもう一つ。
リナが一番年長者で、かつある程度高レベルの
教育を受けているという事で、負担が大きく―――
そこでその苦労に対する、ご褒美を上げるためでも
あった。

「これがいいかな」

「?? 何がですか?」

冷蔵庫を開けて背中を向ける俺に、彼女が後ろから
話しかけてきて―――
振り向くと同時に、俺はある物を渡す。

「最近頑張っているから―――
 特別に、ね」

差し出したのは、俺が冷蔵庫に入れていた中で
一番スイーツらしき……
プリンだ。

よく外に出た時の帰り、近くのスーパーなどで
安売りしていた甘味を買っていたのだが、
これも『再現』出来ていたようで、

何度か食してみたが、翌日には復活していた。
こうなるんだったら……
もっと買っておくべきだったと思う。

ちなみに冷蔵庫にはこの他、ワッフルや
プチシューも入っている。

「そ、そんな!
 あたしだけ頂くわけには」

「実質、教え役は俺とリナの2人しかいないし……
 とても助かっている。

 それに、俺から見たらリナもまだまだ子供だよ。
 なのに君にだけ負担を強いて、悪いと思って
 いるんだ。

 だから食べて欲しい」

おずおずとスプーンを手に取り、
すでに開けられた容器の中にそれを差し込む。

それを口に含むと……

「あ……っまーい!!
 まだこんなお菓子があったんですね!」

「ある程度食べたら、底の黒いのを混ぜて
 食べてみるといいよ。
 それもまた違った甘さがあるから」

スイーツの魅力に抗《あらが》える女の子などおらず―――
あっという間に平らげ、

「ご、ごちそうさまでした。
 とても美味しかったです!」

「それは良かっ―――」

そこで、電子音のアラートが室内に鳴り響いた。
『ビーッ、ビーッ』という機械的な音が大音量で
鳴り響く。

「いったい……!?」

監視カメラのモニターに目をやると、ようやく
音は収まり、



――――――――――――――――――――――
 『施設入り口付近に複数の人間が
 出現しました』

――――――――――――――――――――――



メッセージウィンドウの表示の通り、かつて
俺とリナたちが出会った、岩山の裂け目の
スペース……

そこにガラの悪そうな男たちと、五人ほどの
幼い子供たちがいた。

盗賊か!? それとも人さらいか!?
俺が身構えていると、リナが腕にしがみつく
ようにして、

「奴隷商……」

震える声で、彼らの事をそう言った。

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