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29・カミュ王女Side03
しおりを挟む「今のところどうなっておる?
特に勇者、レオ・シマムラは―――」
わらわは、上は二十歳、下は十をまだ少しも
過ぎていない女性たちを見下ろしていた。
男勇者を懐柔するために用意した女性陣だ。
報告を促すと、
「は、もともとがお調子者のようでして、
簡単にコロッと同調してくれております」
「ただルキア・クマガヤ様……
この者はレオ様の幼馴染であり、彼の言なら
まだ耳を傾けるので」
確か同じ年齢の者であったか。
それは少し厄介だのう。
「あ! でも―――
そちらは私たちの方から、
『あまりしつこいと逆効果かも』
『一度痛い目に遭った方がいいのでは』
そう誘導しております」
「調整役としては役に立ちそうですので、
完全に縁を切る、まではさせなくても
いいかと」
ほう、それはなかなか良い手だ。
下賤の身にしては考えたもの―――
「もう一人、アトム・ムトウは?」
そこで一番若い少女が手を挙げ、
「その方は私が、
『お兄ちゃん、あんまり関わらないで』
『お兄ちゃんまで巻き込まれちゃうよ』
そう言って距離をあけさせております」
ふむふむ。
それなりに知恵は回るようで何より。
まあ、わらわ自らが選抜した者どもだしな。
使えるのは当然か。
「よしよし。
男勇者の方はそれでよい。
女勇者の方はどうなっておる?」
すると侍女らしき格好の者が数名ほど歩み出て、
「こちらは、よく3人で集まって話を
しているみたいですが……
『恩恵』の能力が目立ったものでは
ないせいか、行動も限られており―――
当たり障りの無い会話に終始しています」
「ルキア様を通じて何とか、男勇者の
面々と情報交換はしているみたいですが、
レオ様については半ば諦め気味な感じに
なっております」
男女間の分断も上手くいっているようだ。
最高戦力であるレオが最優先、次点で他の男勇者。
女勇者どもはどうでもいいが……
同郷というだけで口出しされると厄介だからのう。
「男勇者のレオさえ―――
自由に扱える駒に出来ればそれでよい。
勇者同士の現状については把握した。
各勇者の対外的な評判はどうなっておる?」
そこで女性陣が互いに顔を見合わせ、
「レオ様は……
誰に対しても奔放な態度を取られるので、
非常にその、悪評が」
あの平民どもに礼儀など求めてはおらなんだが、
まったく世話の焼ける―――
「そこは最高戦力であるからな。
近い内に、適当な戦場へ送り出そう。
それまでの辛抱じゃ。
他は?」
「他の男勇者様の評判は、可もなく不可もなく、
という感じです」
「女勇者様の方は、それなりに人気が高いです。
特に聖女であるユウコ様は、あちらで医学系の
仕事に就いていたらしく……
その知識を聞こうと、教えを請いに来る者が
後を絶たず」
ふうむ、となると―――
女勇者どもは、男勇者どもの風よけくらいには
使えるかも知れん、という事か。
わらわは報告を聞きながら、この国の将来のために
策と案を考え続けた。
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