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32・レベルアップとは
しおりを挟む「主はなかなか複雑な事情で、召喚ばれた
ようですのう」
「しかし人間め~……
マスターをいきなり捨てるなんて、とんでも
ない事を」
生成したばかりの魔物―――
魔狐と銀猫がそれぞれ、
事情を飲み込みながら感情を露にする。
「でもお兄ちゃん、あたしたちにはそんな事
言ってなかったけど……」
ジト目でリナが俺をにらむ。
実は彼女を含め、眷属となった子たちには
言ってなかった事があり、
・召喚前の俺の実年齢はアラフォー。
・当初は魔族の長・魔王に召喚され、その最中に
王国側の召喚に引っ掛かり、王城へ。
その後年齢から役に立たないと判断され、
魔境の森で始末される予定だった事。
これらは伏せていたのだ。
「……それについてはすまなかったと思っている。
でも万が一、お城の人間に見つかった時―――
俺とは無関係だった事にしたかったんだ」
「む~……
でもそういうところまで考えて動いている、
っていうのも、元々そういう年齢だったら
わかる気がします。
全然手を出してくれなかったし(超小声)」
何か最後、ボソッとつぶやいたような気が。
「ま、まあそういうわけで……
この後、あの子たちにも説明するから。
それで魔狐さんと銀猫さん、大方の事情は
わかった?」
俺は話の方向性を変えるべく、彼女たちへ
視線を向ける。
「まあだいたいはわかったがの」
「それよりマスター。
ワタクシ、気になっている事が」
問い返されて、俺は『ン?』と言って先を促す。
「主のレベル、未だに1となっておられるが」
「どうしてレベル上げてないんですか?
こちらの世界へ来て、一ヶ月くらいと聞いて
ますけど」
俺はポリポリと頭をかいて、
「実はどうやったらレベルが上がるのか―――
わからないんだ。
このダンジョンもカスタマイズしたし、
眷属も10人以上いるし……
それでもレベルは1のままで」
その答えに、彼女たちは顔を見合わせ、
「主、ダンジョンを拡張していないではないか」
「休憩場所は何やってもダメですよー。
ちゃんと地下を広げていかないと。
それでトラップや強い魔物を配置したりして、
どんどんダンジョンを強化していくんです」
魔狐さん・銀猫さんの説明によると……
・地下部分を拡張・カスタマイズしなければ
レベルアップしない。
・地上部分は休憩場所という設定のようで、
安全地帯だがここをどう拡張してもレベルは
上がらない。
・侵入者は入って来るだけでも管理ptが
手に入る。
それを倒す、もしくは撃退する事でさらに
管理ptが跳ね上がる―――
「なるほど。
地下ダンジョンそのものを大きくしないと、
意味が無いのか。
でも休憩場所も、防火扉とかそれなりに
ガードを固められるけど」
それを聞いて、魔法使いっぽい衣装の魔狐が、
「そもそも休憩場所は、侵入者を強制的に
排除出来ますし、管理者権限で出禁にも
出来ますしのう」
「そうなんだ?
じゃあ、各所や通り道に休憩場所を用意して、
そこで侵入者を出禁にすれば、それだけで
防衛は可能になるんじゃ」
「そもそもダンジョンって、まず侵入者に
入ってもらうのが前提ですから……
クリア出来ないダンジョンなんて誰も
チャレンジしませんし、意味自体
無くなっちゃいますよ」
メイド衣装に身を包んだ銀猫が、呆れる
ように答える。
うーむ……
リピーターやクリア可能性も考えなければ
ならないのか。
まるで客商売だな。
こうして俺たちはダンジョンについての
情報を、生成したばかりの魔物から一通り
教えてもらった。
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