【完結】ゲーセンダンジョン繁盛記 ~魔王に異世界へ誘われ王国に横取りされ、 そこで捨てられた俺は地下帝国を建設する~

アンミン

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79・カミュ王女Side08

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「……何?
 今一度申してみよ」

今、わらわの前には―――
司祭、それにその護衛兼部下と思われる者が
何名か並んでひざまずいていた。

責任者であり、一番年長者であろう司祭が、
恐々こわごわと頭を上げ、

「で、ですから……
 なぜ魔王メルダの魔族領への侵攻を止めて
 いるのかと―――
 その理由をお聞かせ願いたいのです」

その問いに、わらわは大きくため息をつき、

「戦闘なら前回やったではないか。
 あれで十分、牽制けんせいになろう」

「は、はい。
 ですが勇者様の能力、そしてその戦果は
 確認出来ました!

 ですので、ここで一気に攻め落とした方が」

コイツ―――
攻め落とすも何も、魔族との戦に消極的だったのは
聖教会側ではないか。

思ったよりも勇者が戦力になると判明したので、
ここで一気に事を決め、聖教会の威光と影響力を
高めるつもりか。

「わらわはあの戦の目的を示したであろう?

  1つは、勇者と魔族を戦わせ―――
 敵味方に勇者の存在を知らしめる事。

 もう1つは勇者という戦力が、どれだけ
 魔族に通じるかの確認。

 あと1つは、女勇者がいなくても前線は
 問題ないという証明……

 これらが達成された今、戦を急ぐ理由は
 どこにもない。
 それとも、侵攻のきざしでもあるというのか?」

予め決めてあった事をもう一度確認させ、
己の愚かさを自覚させようとするも、

「そ、それは……
 ですが、今こそ千載一遇せんざいいちぐうの好機なのです!

 あの勇者の能力があれば、魔王・メルダの
 魔族領は少なくとも落とせるでしょう!
 そうなればカミュ王女様の名は万世に
 残りますぞ!!」

「なるほど。

 つまり勇者召喚のみならず―――
 その功績無くば、わらわの名は後世に
 残るほどの事も無いと……
 そう言いたいのだな?」

わらわが言い返した言葉に、彼らはビクッと
肩を震わせ、

「め、めっそうもございません!

 で、ですが戦には戦機というものがございます。
 今のこの状況を逃せば―――」

「いい加減にせい!!

 戦は今回だけに非ず!!
 それに魔族も魔王・メルダだけではない!!

 戦機があるのは理解出来るが、勇者様たちは
 切り札なのだ!
 そう彼らをやすやすと戦場へ出せるか!!」

わらわが怒鳴ると、彼らも平身低頭で
いつくばるように頭を下げる。

「もし勇者の方々に協力して欲しくば、
 陛下の許可、そして当人であるレオ様たちに
 同意を得て来るが良い。

 貴様らが希望しているのだ。
 自分の言葉で伝えるのが礼儀という
 ものであろう?」

「は、はは……っ」

ここでようやく身を引いて―――
彼らは去って行った。

まったく……
勇者様たちに都合良く動いてもらうよう、
お膳立てをしたのはわらわだというのに。
苦労もせず手柄だけを求めようとするとは
腹立たしい……!

何よりあいつらの思惑次第で、レオ様を
危険な前線に行かせるわけには―――

「……ッ!?」

な、何を考えたのだ?
今わらわは―――

わらわは迷いを振り切るように、頭を思い切り
左右に振った。

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