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83・久しぶりの黒字
しおりを挟む「おー、今日は管理pt、プラス1,200か。
昨日も1,500pt超えていたし……
軌道に乗ってきた感じがする」
夜遅く、エンテの街の方のダンジョン・
そこの会議室で―――
俺は今日の分の集計をしていた。
サリーさんたち、元女性騎士団の方々が来てから
数日ほど経過したが―――
眷属が増えたのと、エリックさん経由で
冒険者がダンジョンへちらほら訪れてくれる
ようになったので、
ようやくゲーセンとしても、利益が上がったと
言える状態になった。
「あなた、お茶が入りましたよ」
「ありがとう、リナ」
俺は『嫁』が用意してくれたコーヒーを受け取る。
この会議室は、何も無ければ俺とリナの専用の
部屋として機能しており、
また増設した管理者部屋もカスタマイズで
こちらに移動してあるので、寝泊まりはそちらで、
という感じ。
ちなみにリナが淹れてくれたコーヒーは、
コンビニにあるコーヒーマシンのもので……
俺の複製能力でここに設置した。
この世界、紅茶に似たようなお茶はあるようだが、
今やあの冒険者二人に旧女性騎士団の人たちも、
コーヒーやカフェラテをよく飲んでいる。
「そういえば、ずいぶんと嬉しそうでしたけど。
何かあったの?」
う、顔がニヤけていたか……
しかし地球以来久しぶりの黒字、嬉しくない
はずもなく。
「ようやく、ダンジョンの『売上』が計上されて
きたからね」
何せ最初のダンジョンでは、ろくにレベルアップの
方法もわからず……
無職で目減りしていく通帳を見るような気分で、
管理ptを見ていたものだ。
コンビニやドラッグストアの物を売れば
お金にはなるだろうけど、管理ptには
ならないし……
眷属が増えてやっと維持ptを少し上回る
状態だったからなあ。
「冒険者に来てもらい、適度に利益を与える
代わりに、管理ptをもらう。
この流れが順調に循環すれば、もっと
ダンジョンを大きく出来る!」
そうなれば、人間だろうが魔族だろうが―――
おいそれと手出しは出来なくなるだろう。
俺はリナの方へ向き直り、
「リナもお疲れ様。
今まですごく助かったよ。
これからもよろしくな。
何か欲しい物とか無い?」
すると彼女は薄黄色の髪をブンブンと左右に
振って、
「欲しい物も何も、ここに住んでいるだけで
村にいた時より何倍もいい生活してるもん。
多分この世界で、誰よりもいい暮らし
していると思いますよ、アタシたち」
二人きりになったからか、やや口調がくだけ、
子供同士のような会話になる。
「まあ文字通り別世界だもんね。
それにしても、今何人いるっけ。
ここ―――」
すると彼女は視線を俺の頭の上に向け、
「眷属なら……
子供たちは、最初にお兄ちゃんと出会った
あたしたち12人と、次に来た5人、
そしてプリムちゃんで18人。
大人はクラークさんにミントさん、
ローラさん―――
あとハーレイドッグ子爵家の方3人に、
エリックさんに、新しく来た旧女性騎士団の
方々が5人で……
12人。
パトラさんとコマチさんは、お兄ちゃんの
配下であり魔物だから違うとして、
合計、30人ですね」
「結構多くなったなあ……って、
もしかして全員把握しているのか!?」
俺が驚いて声をあげると、
「これでも、宿屋の娘ですから♪」
ドヤァ、という表情になるリナ。
俺も顔や名前は会えば出てくるけど―――
とっさにそこまでは出てこない。
いや、覚えようとすれば覚えられるだろうけど、
ステータス画面で管理されているから、すっかり
それ頼りになっていた。
「そういや俺の今のステータスは……
どれどれ」
――――――――――――――――――――――
ダンジョン管理者:ヒロト
レベル:19
称号:『異世界からの来訪者』『召喚されし者』
『弱き者の庇護者』『帝国を目指す者』
スキル『再現/14』『勇者/13』
ダンジョン:【エンテの街地下】
・地下一階『キャッチャー系』
・地下二階『メダルコーナー』
・地下三階『体感スポーツ系』
・地下四階『体感レーシング・シューティング系』
・地下五階『各ビデオゲームフロア』
維持管理pt:1日/270
眷属pt:30名
(眷属1人当たり1日25pt×30
=750pt加算)
ダンジョン訪問冒険者カウント:17
現在管理pt:27,300
――――――――――――――――――――――
おお、何かダンジョンに名前が付いている。
そして眷属がいるだけで、毎日750ptも
入ってくるのはデカい。
維持管理ptを引いても、480ptが
毎日入ってくるわけだ。
「でも、そうなると何に使おうかなあ。
再現スキルも上がっているようだし……
ゲームも、俺のホテルに無かったものまで
再現されているところを見ると、施設も
いろいろと」
と、そこまで言いかけたところで―――
会議室の扉がノックされ、
「あの、ヒロト様!」
ローラさんが入ってきて、続いて、
「ガ、ガド・ハーレイドッグ子爵様が……
それにマリア様にロイ様、アマンダ様が
いらっしゃいました!」
娘のプリムちゃんが、ハーレイドッグ子爵家の
深夜の訪問を告げた。
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