【完結】ゲーセンダンジョン繁盛記 ~魔王に異世界へ誘われ王国に横取りされ、 そこで捨てられた俺は地下帝国を建設する~

アンミン

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97・冒険者ギルド01

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エンテの街・冒険者ギルド支部―――
そこへ長身の二人の女性が姿を現す。

一人は魔法使いのような衣装に、大きな胸を
詰め込んだような、白銀の長髪を持ち、

もう一人は、黒髪黒目の―――
童顔でメイド服の衣装に身を包んでいた。

「あ、パトラさん、コマチさん!
 依頼は……聞くまでもありませんね」

「お疲れ様です!」

受付の女性たちがカウンター越しに二人に
挨拶すると、

「うむ、お疲れ。
 あとこれはいつものヤツじゃ」

「ハーレイドッグ子爵家からのおすそ分けー」

彼女たちが差し出したのは、菓子パンや総菜パン、
スイーツが詰まった袋。

正確にはヒロトのダンジョン、そこのコンビニや
ドラッグストアの商品だが、

今は子爵家の地下にも同じダンジョンがあるため、
『子爵家からのおすそ分け』と言ってもウソは
ついていない。

それを受け取ると受付は色めき立ち、

「いつもありがとうございますー!」

「美味しいし甘いし食費が助かるし……
 ホント、他の冒険者さんたちも見習って
 欲しいですよ」

カウンターの中の女性たちは全員笑顔になる。

魔狐マジカルフォックスのパトラ―――
銀猫シルバーキャットのコマチ……

二人はエンテの街で、身分証明のために
冒険者として登録していた。

当初は、ミントと同郷でこの街に来た、という
触れ込みだったのだが、

この街の領主と伝手が出来た今、彼女たちの
影響力はかなりの物になっていたのである。

ちなみに二人の主人であるヒロトは……
ローラさんの店で雇ってもらっている立場、
という事になっている。

「ギルド長はおられるかの?」

「ええ、アンリ様なら支部長室にいますよ。
 ご案内しますね」

「よろしくー」

受付の女性は手慣れた感じで、二人を
上の階まで先導して上がっていった。



「おう。
 2人とも、その分だと討伐依頼は終わった
 ようだな。

 お前さんたちが来てから、依頼達成率は
 上々だよ。

 まあ座ってくれ」

部屋に入ってなりそう話すのは―――
アラサーの女性。

ブラウンのロングウェーブの髪を揺らしながら、
ソファに腰かけ、二人にも着席をうながす。

案内が終わった受付は一礼するとそのまま退室し、

「ミントと同郷って聞いた時は、あまり期待も
 してなかったんだが。

 達人ってのは、いる所にはいるモンだねえ」

二人を前にして、その成果を称える。

「そういや、ミントのヤツは元気かい?

 ハーレイドッグ子爵家とコネもって……
 今じゃクラークと一緒に専属みたいに
 なってんだろ。

 いい加減アイツらくっつかねーのかな」

「まあ、こればかりはのう」

「まだまだ若いんだし?
 なるようになるっしょー」

会話は軽口を叩いて進むが、アンリは
コホン、と一息付くと、

「そのハーレイドッグ子爵家のご依頼
 なんだけどさ。

 奴隷商だっけ?
 そいつらの情報が入ったら何でも寄越せって。

 関係あるかどうかわかんねーが、
 裏社会の連中が、どうも冒険者たちの周囲を
 ぎまわっているようだ」

その言葉に、パトラもコマチも首を傾げる。

「何ゆえ?」

「何の得があるの、それ?」

二人の疑問にギルド長は両目を閉じ、

「さあ?
 ただ最近、ちょっとばかし景気の良い冒険者が
 目立つようになってきたからな。

 そのおこぼれに預かろうとしているのか、
 それともアガリをかすめ取ろうとしてんのか。

 まあ今は、アタイやエリックが目ェ光らせて
 いるから―――
 これと言った問題は起きてないけど」

ふむふむ、とパトラとコマチはうなずくと、

「情報提供、感謝するぞ」

「じゃあコレ、子爵家から―――」

と、日本酒を数本、そしてツマミとして
乾物を取り出して渡すと、

「あぁん♪
 この一杯のために生きてるうぅ♪

 毎度どーもー!
 またのご利用お待ちしておりまーす!!」

そこで二人は退室し、『ダンジョン』へと
戻る事にした。

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