【完結】ゲーセンダンジョン繁盛記 ~魔王に異世界へ誘われ王国に横取りされ、 そこで捨てられた俺は地下帝国を建設する~

アンミン

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107・招待と交渉

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「……しかし、俺のシマを荒らしやがっていた
 ヤツが、まさかこんなガキだったとは」

「まあ確かに、責任者ではありますけど」

いかにもな悪人面のアラフィフの男を前に、
俺は用意したお茶を口に付ける。

ダンジョン:【エンテの街地下】
地下六階『多目的フロア』―――

以前、バームードを捕まえて収容していた
宿泊部屋の一つで、

そこに彼のボスを『招待』していた。

「口の利き方に気を付けろ。

 本来ならこの街の裏社会ごと、消し去っても
 良かったのだぞ?」

サリーさんが言葉という剣を男に突き付ける。

元騎士団だからか声だけでも相当の圧を感じ、
修羅場をくぐり抜けてきたであろうボスも、
体を硬直させる。

「バームードのヤロウが裏切ったのかとも
 思ったが……
 眷属にされちまっていたとはなあ。

 で?
 このズコウ様と組織を使って、
 何をさせる気だ?」

黒ひげにスキンヘッドの男がすごむが、
すでに彼も俺の眷属にしてある。
逆らう事は出来ない。

だが彼らを大人しくさせたところで、
別の勢力が台頭するだけ―――

彼らにはこのまま、裏社会のこちらの『窓口』と
なってもらう予定なのだ。

「まあ、そうですね……

 ズコウさん、ちょっと付き合って頂けますか?」

「あ?」

そして俺はサリーさんを護衛として、
彼をダンジョンの各階へ案内する事にした。



「どうでしたか?」

「って言われてもなぁ。
 見た事も無い魔導具だらけだったぜ。

 しかもどれもこれも、簡単に操作出来る上に
 面白ぇ。
 どの魔導具1つとっても、地上に持ってきゃ
 大儲け出来るシロモノだ」

子供たちに会わせないよう配慮しながら、
各層のダンジョンを回り終えると……
彼は頭を抱えていた。

「さて、本題に入りますが―――
 賭けをしませんか?

 バームードさんとも眷属の解除を賭けて
 やったんですけど」

ズコウもやはり博徒ばくとなのか、賭けという言葉に
反応してきた。

「ほぉ?
 で、何をするんだ?」

「ここの魔導具を使って対戦するんです。
 人間同士で競えるものもありますから。

 ただこっちの方が先行していて有利です。
 そこで、どの魔導具を使って競うかは
 そちらに選んでもらいます」

それを隣りで聞いていたサリーさんが、

「いいのですか、ヒロト殿」

「構いません。
 それに力づくで言う事を聞かせるより、
 こっちの方が納得するでしょう」

そこで俺はズコウに向き直って、

「条件は、地下二階の『メダルコーナー』以外の
 魔導具から選ぶ事。

 魔導具は3台、対戦出来る形式から。
 代表者もそれぞれ3人。

 期間は1週間後。
 そちらも代表者をこのダンジョンに派遣して
 もらい、それまで練習してもらいます」

「賭けるのは、眷属の解除だけか?」

俺は首を左右に振って、

「それだけじゃつまらないでしょ?

 選んだ魔導具を差し上げます。
 そして俺たちはここのダンジョンをたたむ。
 それと―――

 定期的にこちらをおろしましょう」

そう言うと俺はワンカップの日本酒を彼へ
差し出す。

「水……?
 い、いや強烈な匂いがする!

 これは酒か!?
 最近、他国の酒が出回っているとの
 情報があったが―――
 これもここだったのかよ!」

そして一口付けると、

「……プハーッ!!
 何でぇこりゃ!
 透明なクセにものすごく酒精が強い!

 こりゃ1杯銀貨1枚……
 いや金貨1枚でも売れるぜ!」

やはりアウトローとお酒は切っても切れない。
満足そうに飲み干すズコウに俺は続けて、

「他にも、ここで扱っているお酒がいくつか
 あります。

 お土産として用意いたしますので、それを
 持ち帰って代表者を選出してください。

 もちろん、その代表者も一時的に眷属になって
 もらう必要がありますが」

「わかった。
 バームードのヤツもこっちで使えるか?」

俺はコクリとうなずいて肯定すると、

「おーし! 3人だな。
 今日中に決めて来るぜ!」

こうして話はまとまり―――
ズコウは抱えきれないほどの『お土産』を持った
パトラ・コマチと共にダンジョンを退出した。

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