【完結】ゲーセンダンジョン繁盛記 ~魔王に異世界へ誘われ王国に横取りされ、 そこで捨てられた俺は地下帝国を建設する~

アンミン

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108・その頃メルダは05

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「……何が起きているのだ?」

「わかりませぬ。
 エンテの街にいた時は、このような動きは
 無かったのですが」

魔王メルダは、執事らしき男と問答する。

クレイオス王国の王都・ネーヴェを無事に抜け、
いざ魔境の森へと向かった一行だが、

森へ入った方々で、なぜか人間の集団を発見。

魔族は人間よりも視力・聴力が優れているので、
何とか姿を見せずにやり過ごせていたが、

まるで山狩りでもするような規模に、一行は
閉口していた。

「何をしているのでしょうか」

「どうやら、何かを探しているみたい
 でしたが……」

部下の一人の言葉に、アタシはハッとなって、

「まさか、もう我らの事がバレたのか?」

ホーンドを見ると、彼は首を左右に振って、

「いえ。
 明らかに彼らは、私たちよりも先に魔境の森に
 入っておりました。

 その会話からするに―――
 捜索しているのは間違いないようですが、
 痕跡こんせき遺留品いりゅうひんを探しているような感じ
 でしたね」

「うむう。
 あの集団、明らかにクレイオス王国の
 兵士らしき者どもも混じっておるし……
 国家規模で追いかける何かがあるのか?

 しかしこうもあちこちで出くわすと、
 身動きが取れぬわ。
 どこか身を隠す場所は―――」

と、そこまで話したところで、また人間の声が
耳に入ってくる。

「メルダ様!」

「わかっておる。
 すぐに移動するぞ」

アタシの号令で全員が気配を消し、身をかがめて
茂みの中を移動し始めた。



「そっちはどうだ?」

「何も見つからねぇ。
 ていうか、意味あんのかコレ?

 行方不明になったガキって、もう数ヶ月も
 前の話なんだろ?
 確実に生きちゃいねぇって」

形ばかりの軽装備をした男たちが、
汗をぬぐいながら語り合う。

「文句を言うな。
 衣服の切れ端でも何でもいいから、
 見つけろってお達しだ。

 しかし、どこぞの貴族の子供でも
 迷い込んだのか?」

「極秘任務だ。
 あまり首を突っ込まない方が身のためだぞ。

 それより、魔物けの匂い袋はちゃんと
 持っているか?」

聞かれた男はそれを片手に掲げて、

「ああ。
 これが無けりゃ、こんな奥深くまで来や
 しねぇよ」

「よし、じゃあ今度はあっちを探そう。
 もう一方は向こうへ回ってくれ」

グチと疑問を口にしながら―――
彼らは捜索を再開した。



「むむぅ……
 こんな事なら、あと数日は王都に
 滞在していた方が良かったか」

アタシと一行は、人間の集団を避けながら、
さ迷うように森の中を歩く。

「暗くなって来ました。
 どこか、休める場所でもあれば」

「だがこんな森の中だぞ?
 それも魔境の森。

 休める場所など―――」

下手に宿泊施設で休んだのが、返って
部下たちの疲れを増幅させているようだ。

「うん、アレは?」

アタシの視線の先に、木や茂みばかりだった
風景の中、無機質な岩山が現れ、

「人一人通れそうな穴がありますな」

「も、もしかしたら中で休めるかも」

ホーンドと従者の一人がアタシに振り返ると、
他の者たちも視線を集中させる。

「よし。取り敢えずはあそこに避難しよう。

 もし休める場所であれば―――
 人間どもが魔境の森から離れるまで、
 そこで待機する」

「「「ハッ!!」」」

部下の同意を得ると、その岩穴に向かって
アタシたちは歩を進め……
ほとぼりが冷めるまで隠れる事にした。

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