【完結】ゲーセンダンジョン繁盛記 ~魔王に異世界へ誘われ王国に横取りされ、 そこで捨てられた俺は地下帝国を建設する~

アンミン

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192・エバンス勢VSダンジョン09

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「おお!?
 勇者様があの魔導具の!?」

「本物が来てくれたのか!」

「こりゃあ、勝ったも同然だぜ!」

クレイオス王国、王都・ネーヴェで観戦していた
住人たちは―――
モニター上の戦いを見て歓声を上げる。

操作するプレイヤーが操作しているキャラと
ほぼ同じ外見・格好をしているのだ。
否が応でも期待が盛り上がる。

だが試合内容は一進一退を繰り返し、
いわゆるシーソーゲームの様相を呈していた。



「さすがに強いな。
 弥月みつきさんが一番ベテランなんだろうけど、

 相手のヒビキという魔族も、それなりに
 戦えているし、チームワークも完璧だ」

ダンジョン:【魔境の森】で、実況の外で
俺は感想を述べる。

と言うより、実況をするヒマがないというのが
妥当だ。
それほどまでに、戦いは熾烈しれつを極めていた。

「マスター、我々の目から互角に見えますが」

獣人ビーストが『大丈夫でしょうか?』
という言葉を飲み込みながら、声をかけて
くるのがわかる。

メルダやリナの話では、すでに裏で勝負は
決まっているらしいのだが―――
それを口外出来るはずもなく。

「……ん?」

そこで俺は、モニターの向こうの戦いに
違和感を覚えた。

戦いはエバンス、ヒビキ、メルダ、弥月さんと
入り乱れるように交わっていたが、

相手が固定化してきたように見える。

正確には、エバンスはメルダが―――
ヒビキには弥月さんが相手するように
なっていっている。

そしてその戦法は、徐々じょじょ均衡きんこうを崩して
いった。



『エ、エバンス様!
 相手を交代してください!

 このままではもちません!』

『わ、わかっている!
 わかってはいるが―――』

クレイオス王国の王城で、モニター越しに
魔王エバンスとその部下ヒビキのやり取りが
響く。

「これは……」

「いい戦局に持ち込めましたね。

 最強の戦力をぶつけ合う必要はありません。
 トータルで勝てばいいのですから」

国王に対し、女性騎士団長は状況を説明する。

実力としては、
弥月>エバンス>メルダ>ヒビキ
となっているのだろう。

そこで弥月はヒビキを、そしてメルダは
エバンスを徹底して相手し始めた。

するとどうなるか。

魔族側最弱の戦力を、人類側最強の戦力が
狙い撃ちすれば、当然勝ち目はなく―――

またエバンスはメルダをやや上回る程度の
実力差なので、

メルダが勝ちを焦らず、足止めに徹すれば
時間を稼げる。
最悪、やられるまでの時間を引き伸ばす事が
出来ればいいのだ。

その間にヒビキはいくら蘇生しても、
ひたすら弥月に狙われ続け……

『ゴメンねー♪
 でも何か、国の運命とかかっちゃってる
 みたいだから』

『弱いところから突き崩すのは―――
 戦術の基本ぞ、兄上。

 調子に乗って単体で攻撃を仕掛け続け、
 おびき出されていた事に気付かなんだか?』

なるべく味方との距離を保ちつつ、
深追いしなければ良かったと……
メルダは忠告する。

しかし、それはすでに勝負が決まった上での
余裕の発言であり、

『エ、エバンス様―――
 申し訳ございません……!』

蘇生回数が尽きたのか、ヒビキ選手が
復活しなくなり、

エバンスはメルダと弥月、二対一の状況に
追い込まれた。

形としては第四試合、島村がリオネル、
リュレン両選手を相手したのと同じ
戦局になる。

その時は島村が二対一でも勝利を
もぎ取ったが、

弥月がエスコートする形で、うまくメルダと
ジリジリと追い詰めるように攻めていき、

『く……!』

やがてモニター上に、メルダと弥月、
二人のキャラしか映し出されなくなると、

『最終戦―――
 メルダ・弥月選手の勝利!

 よってこの勝負……
 メルダ・クレイオス王国連合の勝ちが
 確定いたしました!!』

そのアナウンスが伝えられると、

クレイオス王国では喜びの歓声が―――
魔族領では落胆のため息が支配した。

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