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202・番外編02
しおりを挟む「では、第17回―――
人魔女子会を始めるぞ」
赤いロングの髪をした、猛禽類のような
目をした少女の号令の元……
円卓状のテーブルに座る10数人の面々が
一礼する。
だがそこは人間・魔族が混在し、
唯一の共通点は全員が女性である、
という事だけ。
「今回は前回の女子会の際にも伝えて
おりましたが―――
コンビニが供給源である、
例の『商品』の今後について、です」
薄黄色のセミロングの髪の少女が、
魔王・メルダの隣りで書類を片手に
説明する。
「あれはすでに、極秘に高値で
各国の貴族にも流通しておる。
クレイオス王国の人脈を保つ一助にも
なっておるゆえ……
対策はおろそかには出来ぬ」
金髪の長いウェービーヘアーを
揺らしながら、カミュ王女も
それに続く。
「魔族領でも、魔王城を中心にそれなりに
出回っておりますので―――
その流れに水を差すのは、得策では
ないかと」
明らかに人間とは違う角を持った、
黒髪の少女が片手を挙げて発言し、
「アタイのところでも、裏ルートで
天井知らずの値段が付けられている、
替えのきかない『ブツ』だ。
もしストップがかかったら……
痛手なんてものじゃねぇぜ」
赤茶のツインテールの女性が、
いかにも裏社会的な意見を出す。
「お話はわかりますが―――
いずれその日は絶対に来るでしょう。
ヒロトお兄ちゃんの話によれば、
コンビニとやらが記憶にあるのはせいぜい
30年程度……
さらに、あの『商品』自体、大っぴらに
出回ったのはここ10年ほどだと聞いて
おりますので、予想以上に時間は残されて
いないと思われます」
リナの発言に、室内は重苦しい
雰囲気となる。
「マズイですね……」
「もって10年―――
あっという間だな」
エレンの発言に、沈黙で周囲は同意を示し、
「だが期限がわかっただけでも幸いである。
そしてこの問題に対しては……
人間も魔族も関係なく、対応していく
必要があると思っている」
カミュ王女の発言に、一同がうなずく。
「やはり現在の資源が尽きる前に、
我々の手で生産を行うべきであると
考えるが」
「ですがあの技法は、一朝一夕で
再現出来るとはとても思えません」
「やはり手法を真似ていくのが確実では
ありませんか?」
と、口々に意見が出されるも、
「―――やはり一番のネックは、
あれが異世界の商品である事
でしょうか。
であるならば、異世界の事は異世界の
人間に、協力を仰ぐ事が近道かと」
魔族の女性の1人が建設的な意見を
述べるが、
「ですがあれは、殿方にはとても
見せられないものであるという事は、
人魔関係なく共通しているかと」
「わらわの夫も勇者であるが、アレの
ために動いてもらうのは勇気が」
「一番良いのはヒロト様に打ち明けて、
協力して頂く事ではあるのですけれど」
最後に、言いにくいように人間の女性が
ヒロトの妻であるリナ・メルダに視線を
向けて話すが、
2人は黙って首を左右に振り、落胆の
ため息が室内に響く。
しかしそこで彼女たちは口を開き、
「確かにヒロトお兄ちゃんにこの事は
話せませんが、何もしないとは言って
いませんよ?」
「勇者には女性もいたであろう?
武田・弥月・白波瀬の
3名の女性勇者から―――
全面的な協力を取り付けたぞ。
特に弥月殿はある程度絵も描けるそうだ。
この戦力は大きい」
2人の答えに、熱狂的な歓声が上がる。
「では、クレイオス王国と魔族領を中心に、
絵心のある方を選抜してください。
目標は3年以内に、この世界独自かつ、
初の『BL本』を作る事です……!」
「絵を描く用具はコンビニに揃っておるし、
量産はコピー機を使えば何とかなるで
あろう。
当面はこの目標を最優先課題とする!」
リナとメルダの号令に、
「BL本のために!」
「「「BL本のために!!」」」
と、何かに向けての最敬礼が行われ、
後に裏で世界各国に根を張るほどの
権勢を誇る勢力となる事を―――
ヒロトは知る由も無かった。
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