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201・番外編01
しおりを挟む「パトラおかーさーん!」
「コマチママー!!」
今日も今日とて眷属の子供たちが廊下で、
魔法使いっぽい衣装に、はちきれんばかりの
胸のある―――
狐耳・数本のシッポに、ホワイトシルバーの
長髪を持つ女性と……
メイドのような衣装を身にまとった、
猫耳・黒髪黒目のスレンダーな女性に
まとわりつくように甘える。
「おうおう、今日も元気じゃのう」
「もう勉強は終わったかなー?
じゃ、遊びに―――
もとい魔導具の練習に行こっか!」
すっかり子供たちのお母さん・お姉さん
代わりになった感のある、
魔狐と銀猫だが、
その二人が遠ざかるのを見送った後、
「なあリナ、メルダ。
パトラさんとコマチさんって、
子供たちに異なった呼び方を
されているようだけど……
いったいどんな違いがあるのかな?」
俺は薄黄色のセミロングの髪の少女と、
赤髪に猛禽類のような目をした
同性―――
妻2人にふと疑問を口にする。
「どうでしょうか?
呼び方に違いがあるだけで、特に意味は
無いと思いますよ?
まあ懐くタイプの違いはありますけど」
「どちらかと言えば、あの2人の
性格の違いで、区別しているだけ
じゃのう。
ただリナの言う通り、懐く子は
パトラとコマチの2パターンに
分かれておる」
その答えに俺は少し首を傾げ、
「ん?
まあ確かに性格は違うと思うけど……
例えばどんなふうに?」
詳しく知ろうとその辺りを聞いてみると、
「例えばパトラさんは、子供たちが
いろいろ報告するのを―――
じっと黙って聞いてあげるような
感じですね」
「コマチはその逆だのう。
積極的に『今日は何をしたの?』とか、
『どこ行ってたー?』『デザートはー?』
という感じで、ぐいぐい来るような
感じじゃ」
俺のような異性と同性の違いからか、
言われてみれば確かに、という意見が
返って来て、
「そっかー。
じゃあ、それぞれ懐くのは……
パトラさんだと大人しめの子たちで、
コマチさんだと活発な子たちに
なるのかな」
すると妻二人は揃って首を軽く左右に
振って、
「やっぱりわかってないですねー、
ヒロトお兄ちゃんは」
「まあ、そういう鈍感なところも
悪くはないのだがのう」
俺が困惑していると、リナとメルダは
続けて、
「パトラさんは、『今日はこれしたー』
『あんなことやったー』っていうのを、
うんうんと聞いてくれるんですよ。
つまりもともと、積極的なタイプの
子たちが、パトラさんに行くんです」
「逆にコマチは、子供たちの方に
自分から進んで問うタイプじゃ。
つまり、大人しい性格だったり、
人見知りのような子に、いろいろ
質問して語らせるタイプじゃなあ」
あー、なるほど……
タイプとしては逆の子供たちに
懐かれるのか。
考えてみると確かに、うんうんと黙って
聞き役になってくれるパトラさんは、
活動的な子供たちの受け皿になるの
だろう。
そしてコマチさんは、あまり自分から
自己主張しない、出来ないような
子供たちに―――
質問したり聞いたりして、答えを
引き出してあげるような感じなのか。
「そうか……
子供たちとは長く接してきたつもり
だけど、わからなかったな」
「困りますよー、お兄ちゃん。
そんな事じゃあたしたちに子供が
出来た時に」
「うっ」
リナの言葉に俺はドキッとして、
「そっ、そそそうじゃのう。
ちゃんとしてくれい、旦那様♪」
続いてメルダも動揺し―――
「はぁ、もう……
今日はこれから魔族領にダンジョンを
追加する話し合いがあるんでしょう?
2人ともしっかりしてください」
すっかりリナに主導権を握られ、俺と
メルダは彼女に連れられるように、
管理者部屋へと向かった。
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