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亀が釣り人を竜宮城に招くきっかけを作ったおっさんが王宮を歩いていると、世界で二番目に美しいという女王に出くわしました。
聞けば物騒なことにその女王、義理の娘である世界一美しい王女を殺して自分が一番に取って代わろうと言うのですが……一方で、何やら困り顔と言うか、浮かない顔と言うか、何ともしっくりこないような微妙な顔をしています。
「どうにも、何か足りないのだ」
女王が悩ましげに首を振るので、一応その状況を整理してはみますが……おっさんは「んん?」と、一人こっそり眉をひそめました。
それでも女王と別れたあとで魔法の鏡の影に隠れ、やっぱり一応、一つのどくりんごになってみはします。
「ああ、そうそう! これよ、これこれ!」
おっさんと別れるや、ころりころころと転がってきたどくりんごを手にした女王は、思わずパァッと喜色満面にその毒物を大変喜びました。
しかし、おっさんはおっさんで何とも、それを喜ぶ気にはなれませんでした。
聞けば物騒なことにその女王、義理の娘である世界一美しい王女を殺して自分が一番に取って代わろうと言うのですが……一方で、何やら困り顔と言うか、浮かない顔と言うか、何ともしっくりこないような微妙な顔をしています。
「どうにも、何か足りないのだ」
女王が悩ましげに首を振るので、一応その状況を整理してはみますが……おっさんは「んん?」と、一人こっそり眉をひそめました。
それでも女王と別れたあとで魔法の鏡の影に隠れ、やっぱり一応、一つのどくりんごになってみはします。
「ああ、そうそう! これよ、これこれ!」
おっさんと別れるや、ころりころころと転がってきたどくりんごを手にした女王は、思わずパァッと喜色満面にその毒物を大変喜びました。
しかし、おっさんはおっさんで何とも、それを喜ぶ気にはなれませんでした。
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