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四章 空は夜に、少女は黒に
今見えているのは、夢か、現か。
しおりを挟む「それにしても、どうやって戦争に参加するの?」
「簡単。志願兵制度がある」
そう、この国が戦争を行うときは必ずと言っていいほど志願兵を募集していた。
それは一番槍を切らせるための物量を求める国側と、英雄願望が強かったり、成り上がりたい人だったりと、手柄を上げたい民間側の(一部の)意見が合致した結果だった。
そのせい、と言うべきか、そのおかげ、と言うべきなのか、正規軍の死者は少なく、戦争も勝ち続きだった。もちろん、兵力だけでなく軍事的な魔法開発も関わっているけれどまぁ、それはさておき。
「志願兵かぁ......少し怖いな」
もちろん、志願してくるのだろう? と、国側は何もしてこない。援助することはなく、指示を出すこともない。これが吉と出るのか、凶と出るのか。それはその人次第の面が強かった。
「援助が出ないから、自分で装備を用意できる。私はこれを使えるならいい」
ガイアはそう言って、自身の持つ棒を掲げた。
魔法的な補助をこれでもかと積み込んで、なおかつ表面部の高度も最高度まで高めた、ガイアの傑作。
何故こんなものが作れるのかと言うと......才能と財力の面が大きいだろう。
これでもガイアは、学園でも上位数パーセントに数えられるほどの実力者である。当の本人は隣に記憶力の化け物がいるため謙遜しているが。
「なら、私も何か......」
そう言おうとしたところで、思いとどまった。
「両親が、気になる?」
もちろん、遊びじゃない。
これから行くのは戦争、人と人が殺しあう場所だ。
どれだけの死人が出るか、その先に果たして答えはあるのか。
天秤で見れば全く釣り合ってなどないと言われるであろうそれに、エアリは頭を悩ませていた。
「うん......そうだね。二人に言ったら、きっと、ううん、絶対に止められる」
「二人じゃなくても。むしろ、ソフィア先生が止めなかったほうが不思議なくらい」
ガイアは少し驚いていた。ソフィア先生が真っ先に止めに来そうなものだと思っていたからだ。
「ガイアちゃん、どうするの?」
「もちろん、親にも学園にも内緒で行く」
もちろん、止められるからだ。
忘れられがちだが、この学園はエリートの集う場所。平民の割合が一割程度しかない、クラス全体で見てもひとりやふたり程度しか存在することを許されない社会なのだ。
もちろん、平民だろうがエリートはエリートと、ある程度の地位を保証されている。
が、問題はそこではない。
学校が、手塩にかけて育てている生徒を未熟なまま死なせるようなことをするわけがない、ということだ。
もちろん、両親に話が行ったころにはもう王都を封鎖されるぐらいのことはされるだろう。
「......わかった。後悔したくないから、ガイアちゃんについていく!」
「エアリ、本当にいいの?」
「任せて!」
もう後悔しないと誓った二人。
しかし、二人一緒に帰還だなんて、そんな優しい話を許してくれるわけがなかった。
――――――――――
どうも、大山 たろうです。
全話書き直すため、一月いっぱいは更新を停止させていただきます。
思えば、プロットを書かなかったのが一番の問題だと反省しております。
ので、プロットも書きたいので延長するかもしれませんが、温かい目で見守っていただけると幸いです。
これからも、大山 たろうをよろしくお願いします。
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