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第二章
2-4 裏返った好感度は確実に爪を剥く
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俺はなすすべなくその攻撃をもろに受け、その体を爆発四散させた。
「は......こんなに貧弱だと......」
少しショックを受けているようだが、俺はあいにく死ねないのでね。
結構な激痛だったが、我慢できないほどではない。なにせ一瞬痛かっただけで、今は脳内の興奮物質みたいなのがドバドバなのを感じているからだ。
どこに意識が存在しているかはわからないが、俺の肉体だったタンパク質がそこら中に転がっているのが見える。
「と、十時君!」
折原さんが叫んでいるのが見える。心臓に悪いだろうから早く戻りたいけど、まさか再生能力が入ってない、なんて言わないよな......
とか考えていたところで、少しずつ、肉片が動き出す。まるで時が戻るようにして、あるいは設計図の通りに並べられるように、意味をなさなかったタンパク質が意味を成す位置に置かれた。
「さて、これでどうですか」
俺は唖然としている教官の首筋に剣を当てて、そう言ってやる。
「は、はは、こんなスキルまで存在しているとは。異世界の人間はやはり、侮れない」
「ほう......それで、私は合格で?」
「あぁ、合格だ」
そう言われたので俺は剣を下す。殺してしまったと唖然としているのであれば、それは不意をを突いたということで許してくれるだろうと踏んでいたから、まぁ良い結果で終わったのではないだろうか。
「それでは、個人練習に移る。どんどん練習してくれたまえ」
そう言った途端、みんなは走り出して場所を確保した。
その中で、俺に近づく影が三つ。
「面貸せよ、俺のスキルは知っているだろ?」
その言葉だけで、俺は従わざるを得なくなる。
彼のスキルは破壊。物を、そして人を壊すことに特化するであろう能力を持っている彼に逆らえば、スキルレベルが上がったときに何をされるか分かったものじゃない。
ちなみにスキルの詳細はさっき戦闘訓練をしたときに意気揚々と語っていた。不用意に話すなとあれほど言われていたっていうのに。はぁ、こんなバカが力を持つと大変だ。
「あぁ、わかった」
そんな思考をしながら俺はまたも、裏に連れていかれる。
「さて、潰すか、今日も折原さんから離れなかったからな!」
「あぁ、本当にむかつくぜ!」
「ふっ、折原さんを諦めなかった自分を恨むんだな!」
やはり折原さん関係らしい。彼女は結構な戦力だから、下手な言い方をすると手放したくない、うまく言っても協力関係という、彼らにはどちらでも関係ない言葉しか出てこない。
「『破壊』」
先ほど自信満々に語っていた。lv1効果、何でも壊す能力を発動させる。ステータスを参照して成功率が左右されるらしい。彼はそのステータスに関しては自身があるんだろう。
俺の体はいとも簡単に破壊され、血肉をまき散らした。
「ははっ、これでも蘇るんだろう? だから拷問するしかないんだよ! やれ!」
「あぁ! 『夢幻』!」
一気に周囲の視界が変わる。
暗い部屋で椅子に縛り付けられ、身動き一つとれない。おかしい、俺の体は爆発四散したはずなのに。
先ほど、破壊の彼とは違って詳細まで語っていなかったから、よく覚えていなかった。まぁ、この効果から察するに、夢の世界で悪夢とかを見させられるんだろう。目の前にいる骸骨の男が、ペンチをもってこちらに近づいてきた。何をするのだろうか。
メチメチメチッ......バキッ。
「うああああああああ」
痛い、痛い、痛い。
視線を下げると、そこには血を垂れ流した指先が。どうやら爪を剥がれたようだ。
さっき死んだときはこんなに痛みが長続きしなかったのに。どうしれこれだけ弱い攻撃で、しかも夢の世界で痛みを感じるのだろうか。
思考がまとまらない。問題点が浮かんではすぐに激痛にかき消され、また解決策が浮かんでもすぐに苦痛に飲み込まれる。結果何も行動を起こせず、また爪を剥がれる。
そんな永遠に続くと思えた拷問は、突如終わりを迎えた。
「は......こんなに貧弱だと......」
少しショックを受けているようだが、俺はあいにく死ねないのでね。
結構な激痛だったが、我慢できないほどではない。なにせ一瞬痛かっただけで、今は脳内の興奮物質みたいなのがドバドバなのを感じているからだ。
どこに意識が存在しているかはわからないが、俺の肉体だったタンパク質がそこら中に転がっているのが見える。
「と、十時君!」
折原さんが叫んでいるのが見える。心臓に悪いだろうから早く戻りたいけど、まさか再生能力が入ってない、なんて言わないよな......
とか考えていたところで、少しずつ、肉片が動き出す。まるで時が戻るようにして、あるいは設計図の通りに並べられるように、意味をなさなかったタンパク質が意味を成す位置に置かれた。
「さて、これでどうですか」
俺は唖然としている教官の首筋に剣を当てて、そう言ってやる。
「は、はは、こんなスキルまで存在しているとは。異世界の人間はやはり、侮れない」
「ほう......それで、私は合格で?」
「あぁ、合格だ」
そう言われたので俺は剣を下す。殺してしまったと唖然としているのであれば、それは不意をを突いたということで許してくれるだろうと踏んでいたから、まぁ良い結果で終わったのではないだろうか。
「それでは、個人練習に移る。どんどん練習してくれたまえ」
そう言った途端、みんなは走り出して場所を確保した。
その中で、俺に近づく影が三つ。
「面貸せよ、俺のスキルは知っているだろ?」
その言葉だけで、俺は従わざるを得なくなる。
彼のスキルは破壊。物を、そして人を壊すことに特化するであろう能力を持っている彼に逆らえば、スキルレベルが上がったときに何をされるか分かったものじゃない。
ちなみにスキルの詳細はさっき戦闘訓練をしたときに意気揚々と語っていた。不用意に話すなとあれほど言われていたっていうのに。はぁ、こんなバカが力を持つと大変だ。
「あぁ、わかった」
そんな思考をしながら俺はまたも、裏に連れていかれる。
「さて、潰すか、今日も折原さんから離れなかったからな!」
「あぁ、本当にむかつくぜ!」
「ふっ、折原さんを諦めなかった自分を恨むんだな!」
やはり折原さん関係らしい。彼女は結構な戦力だから、下手な言い方をすると手放したくない、うまく言っても協力関係という、彼らにはどちらでも関係ない言葉しか出てこない。
「『破壊』」
先ほど自信満々に語っていた。lv1効果、何でも壊す能力を発動させる。ステータスを参照して成功率が左右されるらしい。彼はそのステータスに関しては自身があるんだろう。
俺の体はいとも簡単に破壊され、血肉をまき散らした。
「ははっ、これでも蘇るんだろう? だから拷問するしかないんだよ! やれ!」
「あぁ! 『夢幻』!」
一気に周囲の視界が変わる。
暗い部屋で椅子に縛り付けられ、身動き一つとれない。おかしい、俺の体は爆発四散したはずなのに。
先ほど、破壊の彼とは違って詳細まで語っていなかったから、よく覚えていなかった。まぁ、この効果から察するに、夢の世界で悪夢とかを見させられるんだろう。目の前にいる骸骨の男が、ペンチをもってこちらに近づいてきた。何をするのだろうか。
メチメチメチッ......バキッ。
「うああああああああ」
痛い、痛い、痛い。
視線を下げると、そこには血を垂れ流した指先が。どうやら爪を剥がれたようだ。
さっき死んだときはこんなに痛みが長続きしなかったのに。どうしれこれだけ弱い攻撃で、しかも夢の世界で痛みを感じるのだろうか。
思考がまとまらない。問題点が浮かんではすぐに激痛にかき消され、また解決策が浮かんでもすぐに苦痛に飲み込まれる。結果何も行動を起こせず、また爪を剥がれる。
そんな永遠に続くと思えた拷問は、突如終わりを迎えた。
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