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第2部 激戦編
第43話 エマージェンシーシステム
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【side ルキア】
「え、エマージェンシーシステムって……きゃあっ!?」
コンソールから発したとされる無機質な音声に戸惑っているうちに、アパタイトが強制的に動き出した。
キャノン砲の直撃による私の身体へのダメージを無視して、とんでもないスピードで緑の機体……フォレストグリーンに迫る。
『がっ!?』
突如の事で対応できなかったのか、フォレストグリーンは攻撃を受けて吹き飛ばされていく。
「な、何よこれ!? 操縦が受け付けない!? うぐっ、急に身体が、魔力が……!」
どういう訳か、急に魔力が吸われる感覚に陥り、身体に倦怠感が出始めた。
『うぅ、ま、マスター……?』
「アパ子、これはどういう事!? エマージェンシーシステムって何!?」
その時、アパ子が意識を取り戻したので聞いてみたが、私自身がパニックになっているのもあってか、上手く言えないでいる。
そうしている間にも、今のアパタイトはフォレストグリーンに対し、的確に狙っている。
フォレストグリーンも辛うじて回避したり、カタナでサーベルを防いだりしているようだ。
『え? エマージェンシー……システム……? どういう事ですか?』
「キャノン砲の直撃を受けて、私がつれ去られる恐怖を感じた瞬間に起動したの! 操縦が一切受け付けず、身体も怠いのよ……!」
『え!? まさか……』
アパ子がそう言いながらコンソールを見る。
あの様子だと、子機であるアパ子も知らないものだとでも……!?
『そんな! マギ・ブーストシステムも発動してる!? これもエマージェンシーシステムの影響ですか!?』
「そ、そうよ! ご覧の通りに操縦が効かないから、システムが勝手に私の魔力を吸って……! うぅ、このままじゃ魔力切れに……」
『マスター!』
『ルキア! アパ子! どうしたんだ!?』
アパ子でも知らなかったエマージェンシーシステムに混乱している時にアルムが声を掛けてきた。
「アルム! い、今のアパタイトから離れて……!」
『どういう事だ!?』
「エマージェンシーシステムが発動して、操縦が受け付けないの! 今はフォレストグリーンが敵性判定で勝手に攻撃してるけど、近くにいたら下手すれば貴方も……!」
『くっ、わ、分かった……』
何とか今のアパタイトから離れてもらった。
だが、フォレストグリーンは今のアパタイトの攻撃にさらされても引く気配がない。
『どうやらシステムとやらが勝手に動いてるようだな。 なら、時間を稼げば動きが止まるはずだ』
『テッタイノケハイナシ。 ビームサーベルシヨウスル』
『え!?』
「ビームサーベル!?」
エマージェンシーシステムがビームサーベルを解禁し、フォレストグリーンのコクピットを狙った。
『う、うおおぉぉぉっ!?』
「くっ、フォルス……!」
操縦が受け付けない中で、私はビームサーベルの攻撃を受けるフォルスを見ている事しか出来ないのであった。
◇◇◇◇◇◇◇◇
【side クラウド艦長】
「何が起こっている!?」
「アパタイト、突如青く光ったままフォレストグリーンに突撃し、ビームサーベルも使った模様!」
「何だと!?」
私ことクラウド・フェルバッハは、直撃を受けて損傷したアパタイトが青く光ったまま立ち上がり、そのまま帝国のMGTである指揮官機フォレストグリーンに突撃し、さらにビームサーベルで攻撃をしていた光景に衝撃を受けていた。
今のルキア嬢が、アルム大尉の許可なしでビームサーベルを使うのはあり得ない。
報告をしたオペレーターの少女も動揺している。
何があったと言うのだ!?
『こちらアルム!』
「アルム大尉、何があったんだ!? 今のアパタイトに何が!?」
『アパタイトにエマージェンシーシステムなるものが搭載されていたらしく、現在ルキアの操縦を受け付けない状態……、いわばシステムが勝手に動いている状態なんだ』
「ええっ!?」
「何と……!」
『ちなみにこのシステムは、子機であるアパ子も知らないらしい』
まさかアパタイトにそんなものが搭載されていたとは……!
いや、アパタイトが【オリジネイター】で操縦者を選ぶのなら、搭載されていても不思議ではないが、子機であるアパ子君すら知らないとなると、子機には記憶していないブラックボックスなのか?
「フォレストグリーンは?」
「生存しています。 辛うじてコクピットへの直撃を避けた模様ですが、損傷は激しいようです」
『くっ、この状態では時間稼ぎすら出来んか! 撤退だ! だが、必ずオーパーツを我が帝国の手に取り戻す!』
「ファシナシオン王国内で発見されたものだというのに……よく言う」
オペレーターの少女がフォレストグリーンがビームサーベルの直撃を避けたが損傷は激しいと伝えてくれた。
だが、撤退間際にフォルス・ノーヴァーが相も変わらずアパタイトを帝国のモノだと言わんばかりの発言をしていた事に内心腹を立てていた。
アパタイトが発掘された場所はファシナシオン王国内なのだがね。
「フォレストグリーンならびに残りの帝国軍のMGTが撤退していきます」
「ルキア嬢、アパタイトは?」
『撤退した直後、システムが停止し今は操縦できます。 マイア王女も無事です』
「分かった。 全機帰還してくれ。 ルキア嬢とマイア王女は帰還したらすぐに医務室に行くように」
『分かりました』
「ハッチ、早く開くの!」
「は、はい! ハッチ開きます!」
格納庫に繋がる着艦口のハッチを開かせ、全機が続けて艦内の格納庫へ向けて着艦していく。
アパタイトやマイア王女の機体は、損傷が激しいが二人はひとまず無事だったのは幸いか。
念のため医務室に向かうように指示は出しておいたし、私も格納庫に向かうとしようか。
エマージェンシーシステムという未知のシステムについて調べないといけないからな。
「え、エマージェンシーシステムって……きゃあっ!?」
コンソールから発したとされる無機質な音声に戸惑っているうちに、アパタイトが強制的に動き出した。
キャノン砲の直撃による私の身体へのダメージを無視して、とんでもないスピードで緑の機体……フォレストグリーンに迫る。
『がっ!?』
突如の事で対応できなかったのか、フォレストグリーンは攻撃を受けて吹き飛ばされていく。
「な、何よこれ!? 操縦が受け付けない!? うぐっ、急に身体が、魔力が……!」
どういう訳か、急に魔力が吸われる感覚に陥り、身体に倦怠感が出始めた。
『うぅ、ま、マスター……?』
「アパ子、これはどういう事!? エマージェンシーシステムって何!?」
その時、アパ子が意識を取り戻したので聞いてみたが、私自身がパニックになっているのもあってか、上手く言えないでいる。
そうしている間にも、今のアパタイトはフォレストグリーンに対し、的確に狙っている。
フォレストグリーンも辛うじて回避したり、カタナでサーベルを防いだりしているようだ。
『え? エマージェンシー……システム……? どういう事ですか?』
「キャノン砲の直撃を受けて、私がつれ去られる恐怖を感じた瞬間に起動したの! 操縦が一切受け付けず、身体も怠いのよ……!」
『え!? まさか……』
アパ子がそう言いながらコンソールを見る。
あの様子だと、子機であるアパ子も知らないものだとでも……!?
『そんな! マギ・ブーストシステムも発動してる!? これもエマージェンシーシステムの影響ですか!?』
「そ、そうよ! ご覧の通りに操縦が効かないから、システムが勝手に私の魔力を吸って……! うぅ、このままじゃ魔力切れに……」
『マスター!』
『ルキア! アパ子! どうしたんだ!?』
アパ子でも知らなかったエマージェンシーシステムに混乱している時にアルムが声を掛けてきた。
「アルム! い、今のアパタイトから離れて……!」
『どういう事だ!?』
「エマージェンシーシステムが発動して、操縦が受け付けないの! 今はフォレストグリーンが敵性判定で勝手に攻撃してるけど、近くにいたら下手すれば貴方も……!」
『くっ、わ、分かった……』
何とか今のアパタイトから離れてもらった。
だが、フォレストグリーンは今のアパタイトの攻撃にさらされても引く気配がない。
『どうやらシステムとやらが勝手に動いてるようだな。 なら、時間を稼げば動きが止まるはずだ』
『テッタイノケハイナシ。 ビームサーベルシヨウスル』
『え!?』
「ビームサーベル!?」
エマージェンシーシステムがビームサーベルを解禁し、フォレストグリーンのコクピットを狙った。
『う、うおおぉぉぉっ!?』
「くっ、フォルス……!」
操縦が受け付けない中で、私はビームサーベルの攻撃を受けるフォルスを見ている事しか出来ないのであった。
◇◇◇◇◇◇◇◇
【side クラウド艦長】
「何が起こっている!?」
「アパタイト、突如青く光ったままフォレストグリーンに突撃し、ビームサーベルも使った模様!」
「何だと!?」
私ことクラウド・フェルバッハは、直撃を受けて損傷したアパタイトが青く光ったまま立ち上がり、そのまま帝国のMGTである指揮官機フォレストグリーンに突撃し、さらにビームサーベルで攻撃をしていた光景に衝撃を受けていた。
今のルキア嬢が、アルム大尉の許可なしでビームサーベルを使うのはあり得ない。
報告をしたオペレーターの少女も動揺している。
何があったと言うのだ!?
『こちらアルム!』
「アルム大尉、何があったんだ!? 今のアパタイトに何が!?」
『アパタイトにエマージェンシーシステムなるものが搭載されていたらしく、現在ルキアの操縦を受け付けない状態……、いわばシステムが勝手に動いている状態なんだ』
「ええっ!?」
「何と……!」
『ちなみにこのシステムは、子機であるアパ子も知らないらしい』
まさかアパタイトにそんなものが搭載されていたとは……!
いや、アパタイトが【オリジネイター】で操縦者を選ぶのなら、搭載されていても不思議ではないが、子機であるアパ子君すら知らないとなると、子機には記憶していないブラックボックスなのか?
「フォレストグリーンは?」
「生存しています。 辛うじてコクピットへの直撃を避けた模様ですが、損傷は激しいようです」
『くっ、この状態では時間稼ぎすら出来んか! 撤退だ! だが、必ずオーパーツを我が帝国の手に取り戻す!』
「ファシナシオン王国内で発見されたものだというのに……よく言う」
オペレーターの少女がフォレストグリーンがビームサーベルの直撃を避けたが損傷は激しいと伝えてくれた。
だが、撤退間際にフォルス・ノーヴァーが相も変わらずアパタイトを帝国のモノだと言わんばかりの発言をしていた事に内心腹を立てていた。
アパタイトが発掘された場所はファシナシオン王国内なのだがね。
「フォレストグリーンならびに残りの帝国軍のMGTが撤退していきます」
「ルキア嬢、アパタイトは?」
『撤退した直後、システムが停止し今は操縦できます。 マイア王女も無事です』
「分かった。 全機帰還してくれ。 ルキア嬢とマイア王女は帰還したらすぐに医務室に行くように」
『分かりました』
「ハッチ、早く開くの!」
「は、はい! ハッチ開きます!」
格納庫に繋がる着艦口のハッチを開かせ、全機が続けて艦内の格納庫へ向けて着艦していく。
アパタイトやマイア王女の機体は、損傷が激しいが二人はひとまず無事だったのは幸いか。
念のため医務室に向かうように指示は出しておいたし、私も格納庫に向かうとしようか。
エマージェンシーシステムという未知のシステムについて調べないといけないからな。
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