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34 モニカと町巡り①

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「こんな場所に公園なんてあったんですね」

「裏山とは真逆の方角にあるからな。  明日にはココアも連れていくけど」

「大人でも遊べる遊具もありますし、ベンチもあるから、ここで時間を潰すのもありですね」

 朝食の後、レクスはモニカを連れて外に出た。
 そして、真っ先に連れて行った先はこの前に一緒に行った裏山とは真逆の方角にある公園だった。
 そこの規模はそこそこあり、大人でも遊べる遊具も設置していた。
 また、至るところにベンチもあるため、まったり過ごすのにももってこいの場所でもあるのだ。

「あ、木となめし皮の紐で作られたブランコがありますね」

「見たことはあるのか?」

「はい、前に居た町でもありましたから。 少しブランコしてきます」

 懐かしさを思い出したのか、モニカはブランコで遊ぶことにしたようだ。
 レクスはそんなモニカを見て微笑ましく見守っている。

「そーれっ、そーれっ」

 モニカはブランコの座板に座らずに立ったままブランコを漕いでいた。
 その勢いは徐々に強くなっており、そこで問題が発生した。

(モニカのスカートがブランコを漕ぐたびに捲れて……!!)
 
 そう。
 モニカのスカートは、ブランコを漕ぐたびにその風圧で捲れていたのだ。
 そのため、彼女のスカートの中の下着が度々見えてしまう形になっているのだ。

(モニカは……水色か……)

 レクス視点ではモニカの下着がばっちり見えていたのだ。
 それ故に少し固まったが、すぐに我に返る。

「モニカ、そろそろブランコから降りようか」

「そうですね。 懐かしさで自重できませんでしたし、そろそろ降りますね……っと」

 そう言いながらモニカは、ブランコの勢いを殺しながら座板に座り、ゆっくり降りた。
 幸い今は人がいなかったが、人がいたならモニカのスカートの中を凝視する輩が多数いたかもしれない。
 そう考えたら自分だけでホッとしたレクスであった。

「さて、少しベンチでゆっくり話すか。 その後で買い物もしておこうか」

「はいっ」

「あ、トイレはそこにあるぞ。 途中で行きたくなったらあそこを利用しよう」

「分かりました、お兄さん♪」

 ちょっとデリカシーに欠けるところがあるが、レクスは一応公園のトイレの場所を教えてからモニカにベンチでゆっくりしようと提案する。
 モニカもはしゃいだので、少しゆっくりしたいのかそれを了承した。

 少しゆっくりしてから買い物をするという予定だ。
 モニカはレクスの腕を組み、笑顔でベンチに向かう。
 場所はトイレに近い場所のようだ。

(モニカはココアを優先にしてた感じがあるからな。 これで吹っ切れればいいけど)

 常にココアの事を考えていたモニカをこれで気分転換できればと切に願うレクス。
 モニカもレクスのおかげで本来の笑顔を取り戻しつつあった。
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