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【第七章】本性
【第十六話】緊急会議⑧
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「ではこれで一旦失礼する。ククルさんの件も報告待ってるから宜しくね」
アベルトはそう言って玄関までの通路を歩くと、足早にドアを開けて外に出て行った。
恭司とユウカはリビングに取り残され、お互いの顔を見つめ合う。
さっきのこともあり、かなり気まずかった。
「そ、そういえばなんだけどさ。ボルディスの長男の暗殺って、具体的にはどうするの?対戦中に殺しちゃったらすぐに疑われちゃうよね?」
雰囲気を変える意味も含めて、ユウカは気になっていたことを質問した。
さっきのことに言及されないようにする意味もある。
恭司は答えた。
「まぁ、もちろん俺との対戦中に殺ることはないさ。要はイベントの中で殺ればいいんだ。普通に他の奴と戦っている時にするよ」
「いやいや簡単に言うね……。対戦会場どんなのか知らないけど、貴族も参加するようなちゃんとしたイベントの対戦に割り込むのってかなり大変だよ?警備もしっかりしてるだろうし……」
「んー、まぁそこはその時次第だな。状況によっては作戦も変えるかもしれん。とりあえず現物を見ないことには始まらねぇし、相手の戦闘力も確認しておかねぇと、今の段階じゃ作戦なんて立てようがないな」
「あー、そっか……。そうだよね」
「まぁ、その辺は上手いことやるから気にするな。一応、暗殺に関してはプロフェッショナルみたいだからな」
「…………記憶ないのに随分自信満々だね」
「自信っていうほど大したものじゃないさ。ただ、やれなきゃ死ぬから一生懸命なだけだ」
「…………」
「それより、今日はこれからやることがあるんだ。ククルさんの居場所とかって心当たりあったりするか?」
「流石に知らないよ……」
「そうか……」
恭司はそう呟くと、そのまま玄関に向かって歩いていった。
予想外の行動に面食らい、ユウカは思わず恭司の前に立ち塞がる。
「ち、ちょっと待ってよ!!武器も何も持ってないじゃん!!」
「武器なら外で死んでる奴から勝手に奪うさ。御誂え向きに諜報部隊の所持物だから、刃物以外にも何かあるかもしれないしな」
「だ、だとしても行き先は!?私、知らないって言ったよね!?」
「それなら探すしかないだろう。一から探し、見つけた所を殺るしかないさ」
「い、いやいやそんな原始的な……」
「まぁ、何とかなるだろ。俺は、そういう時代から来たみたいだからな」
ユウカはそう言う恭司を見て、思わず体をビクッと揺らした。
恭司の目が、いつの間にかさっきと同じになっている。
刺客を悉く殺し尽くしたあの時と、全く同じ目をしている。
覚悟でもない。
快楽でもない。
当たり前の習慣を当たり前になぞるかのような、極端に普通過ぎる目をしている。
恭司にとってコレは、あまりに当たり前の思考なのだ。
「ただまぁ、今回の件について、対処が遅れたっていうのは本当に否めないけどな。本来なら、あの後すぐにでも行動に移すべきだった。正直もう手遅れになっている可能性もある」
恭司は頭の後ろで手を組むと、呟くようにそう言った。
ユウカは率直に疑問に思ったことをそのまま問い返す。
「手遅れって……?」
「情報が拡散されているかもしれないってことだ。ククルさんは諜報だったみたいだからな。いくらメンタル的にショックを受けてたって言っても、諜報である以上、常に連絡は取れるようにしているだろう。もしそうなら、知ったそいつも殺さなくてはならない」
「そっか……。でも、もう本部に連絡して、クレイア全体に行き渡っているかもしれないよ……?」
「それもあり得るな。だが、アレからまだ時間は20分ほどしか経っていない。まだ何も話してない可能性もある。だから、今のうちに拷問して拡散先を聞き出し、関係者を全て殺しておく必要があるんだ」
「そんな……」
「……血生臭い話ばかりですまない。だが、コレは必要なことだ。元はと言えば俺の認識の甘さが原因だからな。キッチリ落とし前はつけてくるさ」
「…………」
「コレが終わったら一度ちゃんと話そう。今は、行ってくるよ」
恭司はそう言うと、ユウカの横を通って、玄関までの道のりを再開した。
ユウカにはただ立ち尽くすことしかできない。
愛情と友情と恐怖の入り混じった瞳で、玄関で靴を履く恭司の背中を見つめることしか、今のユウカにできることはなかった。
アベルトはそう言って玄関までの通路を歩くと、足早にドアを開けて外に出て行った。
恭司とユウカはリビングに取り残され、お互いの顔を見つめ合う。
さっきのこともあり、かなり気まずかった。
「そ、そういえばなんだけどさ。ボルディスの長男の暗殺って、具体的にはどうするの?対戦中に殺しちゃったらすぐに疑われちゃうよね?」
雰囲気を変える意味も含めて、ユウカは気になっていたことを質問した。
さっきのことに言及されないようにする意味もある。
恭司は答えた。
「まぁ、もちろん俺との対戦中に殺ることはないさ。要はイベントの中で殺ればいいんだ。普通に他の奴と戦っている時にするよ」
「いやいや簡単に言うね……。対戦会場どんなのか知らないけど、貴族も参加するようなちゃんとしたイベントの対戦に割り込むのってかなり大変だよ?警備もしっかりしてるだろうし……」
「んー、まぁそこはその時次第だな。状況によっては作戦も変えるかもしれん。とりあえず現物を見ないことには始まらねぇし、相手の戦闘力も確認しておかねぇと、今の段階じゃ作戦なんて立てようがないな」
「あー、そっか……。そうだよね」
「まぁ、その辺は上手いことやるから気にするな。一応、暗殺に関してはプロフェッショナルみたいだからな」
「…………記憶ないのに随分自信満々だね」
「自信っていうほど大したものじゃないさ。ただ、やれなきゃ死ぬから一生懸命なだけだ」
「…………」
「それより、今日はこれからやることがあるんだ。ククルさんの居場所とかって心当たりあったりするか?」
「流石に知らないよ……」
「そうか……」
恭司はそう呟くと、そのまま玄関に向かって歩いていった。
予想外の行動に面食らい、ユウカは思わず恭司の前に立ち塞がる。
「ち、ちょっと待ってよ!!武器も何も持ってないじゃん!!」
「武器なら外で死んでる奴から勝手に奪うさ。御誂え向きに諜報部隊の所持物だから、刃物以外にも何かあるかもしれないしな」
「だ、だとしても行き先は!?私、知らないって言ったよね!?」
「それなら探すしかないだろう。一から探し、見つけた所を殺るしかないさ」
「い、いやいやそんな原始的な……」
「まぁ、何とかなるだろ。俺は、そういう時代から来たみたいだからな」
ユウカはそう言う恭司を見て、思わず体をビクッと揺らした。
恭司の目が、いつの間にかさっきと同じになっている。
刺客を悉く殺し尽くしたあの時と、全く同じ目をしている。
覚悟でもない。
快楽でもない。
当たり前の習慣を当たり前になぞるかのような、極端に普通過ぎる目をしている。
恭司にとってコレは、あまりに当たり前の思考なのだ。
「ただまぁ、今回の件について、対処が遅れたっていうのは本当に否めないけどな。本来なら、あの後すぐにでも行動に移すべきだった。正直もう手遅れになっている可能性もある」
恭司は頭の後ろで手を組むと、呟くようにそう言った。
ユウカは率直に疑問に思ったことをそのまま問い返す。
「手遅れって……?」
「情報が拡散されているかもしれないってことだ。ククルさんは諜報だったみたいだからな。いくらメンタル的にショックを受けてたって言っても、諜報である以上、常に連絡は取れるようにしているだろう。もしそうなら、知ったそいつも殺さなくてはならない」
「そっか……。でも、もう本部に連絡して、クレイア全体に行き渡っているかもしれないよ……?」
「それもあり得るな。だが、アレからまだ時間は20分ほどしか経っていない。まだ何も話してない可能性もある。だから、今のうちに拷問して拡散先を聞き出し、関係者を全て殺しておく必要があるんだ」
「そんな……」
「……血生臭い話ばかりですまない。だが、コレは必要なことだ。元はと言えば俺の認識の甘さが原因だからな。キッチリ落とし前はつけてくるさ」
「…………」
「コレが終わったら一度ちゃんと話そう。今は、行ってくるよ」
恭司はそう言うと、ユウカの横を通って、玄関までの道のりを再開した。
ユウカにはただ立ち尽くすことしかできない。
愛情と友情と恐怖の入り混じった瞳で、玄関で靴を履く恭司の背中を見つめることしか、今のユウカにできることはなかった。
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