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【第七章】本性
【第十七話】クレイアの諜報⑥
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「本当によく喋る口だ。聞けば聞くほどイライラしてくる。ムシャクシャしてたまらなくなって……今すぐ、コロシタクナル」
低い声でジワリと残る言葉。
もう恭司に隠すつもりはなかった。
既に殺しても手遅れになっているのだ。
それなら、今は気の済むようにやろうと思った。
ククルの額に汗が浮き出る。
凄まじい殺気と重圧に、今にも押し潰されそうだった。
今までと違うことを、どうしたって意識してしまうくらい、圧倒的な変化だった。
恭司はそのまま切っ先をククルに向ける。
ここで恭司の選んだ構えは、『突き』だった。
「ふ、ふふ。やっぱり『喰斬り』じゃないですか。何を勿体ぶるかと思えば……。昔ならいざ知らず、今の貴方様にはそれが限界でしょう」
ククルは何とか余裕を保って嘲笑する“フリをする”。
だが、
実情としては正にその通りだ。
恭司は未だ『瞬動』と『喰斬り』しか思い出せていない。
他の技も思い出しそうにはなるが、まだ切り札として使える技はコレしかなかった。
しかし、
言葉ではそう言いつつ、ククルも既に分かっていた。
恭司の喰斬りはこの時代のものとはレベルが違う。
威力も。
速さも。
技の完成度としての格が違うのだ。
喰斬りは確かに三谷の基本技の1つだが、基本技だからこそ、地力における熟練度がモノを言う世界でもある。
応用だけ出来て基本技が上手く扱えない達人など、この世には存在しないのだ。
そして、
先ほどから見える『黒い風』。
恭司の体から漏れ出る不吉なオーラ。
見た者に死を連想させる暗黒の瘴気。
顔は怒っているのか集中しているのか、恐ろしいほど表情を無くしている。
能面のようにピクリとも動かず、顔だけがジッとこちらを見つめているのだ。
クレイアの中でも幹部クラスの実力を持つククルが、この日初めて恐怖に後ずさった。
「サア……コレ、で、シネ」
恭司の太腿がパンパンに膨らむ。
僅か1秒すら無い中で、ククルは避けることも防ぐこともできないことを察した。
自分の体に大穴の空くイメージが、まるで走馬灯のように一瞬で浮かび上がる。
今見えている距離は遠いが、このマバタキが終わった頃にはもう終わっているのだろう。
ククルは覚悟を決め、目を閉じた。
が、その時、
「そこまでだ」
2人の間に響く声。
落ち着いたようで覇気のある、男性の声が聞こえた。
途端、
ドゴオオオオッ!!
凄まじい轟音が聞こえたかと思うと、既にククルの眼前で刃をピタリと止めている恭司の姿があった。
喰斬りを途中キャンセルした衝撃で場に旋風が巻き起こり、地面が大きくめくり上がる。
もうあと少しで大穴を空ける所でお預けをくらった恭司は、ただ顔だけを声の聞こえた方向に向けた。
続いてククルも恐る恐る目を開け、そっちに視線を移す。
そこには、
手甲を付けて佇むアベルト・バーレンがいた。
低い声でジワリと残る言葉。
もう恭司に隠すつもりはなかった。
既に殺しても手遅れになっているのだ。
それなら、今は気の済むようにやろうと思った。
ククルの額に汗が浮き出る。
凄まじい殺気と重圧に、今にも押し潰されそうだった。
今までと違うことを、どうしたって意識してしまうくらい、圧倒的な変化だった。
恭司はそのまま切っ先をククルに向ける。
ここで恭司の選んだ構えは、『突き』だった。
「ふ、ふふ。やっぱり『喰斬り』じゃないですか。何を勿体ぶるかと思えば……。昔ならいざ知らず、今の貴方様にはそれが限界でしょう」
ククルは何とか余裕を保って嘲笑する“フリをする”。
だが、
実情としては正にその通りだ。
恭司は未だ『瞬動』と『喰斬り』しか思い出せていない。
他の技も思い出しそうにはなるが、まだ切り札として使える技はコレしかなかった。
しかし、
言葉ではそう言いつつ、ククルも既に分かっていた。
恭司の喰斬りはこの時代のものとはレベルが違う。
威力も。
速さも。
技の完成度としての格が違うのだ。
喰斬りは確かに三谷の基本技の1つだが、基本技だからこそ、地力における熟練度がモノを言う世界でもある。
応用だけ出来て基本技が上手く扱えない達人など、この世には存在しないのだ。
そして、
先ほどから見える『黒い風』。
恭司の体から漏れ出る不吉なオーラ。
見た者に死を連想させる暗黒の瘴気。
顔は怒っているのか集中しているのか、恐ろしいほど表情を無くしている。
能面のようにピクリとも動かず、顔だけがジッとこちらを見つめているのだ。
クレイアの中でも幹部クラスの実力を持つククルが、この日初めて恐怖に後ずさった。
「サア……コレ、で、シネ」
恭司の太腿がパンパンに膨らむ。
僅か1秒すら無い中で、ククルは避けることも防ぐこともできないことを察した。
自分の体に大穴の空くイメージが、まるで走馬灯のように一瞬で浮かび上がる。
今見えている距離は遠いが、このマバタキが終わった頃にはもう終わっているのだろう。
ククルは覚悟を決め、目を閉じた。
が、その時、
「そこまでだ」
2人の間に響く声。
落ち着いたようで覇気のある、男性の声が聞こえた。
途端、
ドゴオオオオッ!!
凄まじい轟音が聞こえたかと思うと、既にククルの眼前で刃をピタリと止めている恭司の姿があった。
喰斬りを途中キャンセルした衝撃で場に旋風が巻き起こり、地面が大きくめくり上がる。
もうあと少しで大穴を空ける所でお預けをくらった恭司は、ただ顔だけを声の聞こえた方向に向けた。
続いてククルも恐る恐る目を開け、そっちに視線を移す。
そこには、
手甲を付けて佇むアベルト・バーレンがいた。
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