追憶の刃ーーかつて時空を飛ばされた殺人鬼は、記憶を失くし、200年後の世界で学生として生きるーー

ノリオ

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【第五章】恭司の過去

【第十一話】王族狩り:序章⑦

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「……各死因は?」


シェルが尋ねる。


「やはり、全員刃物による致命傷で亡くなったものと思われます。例外なく全員が、体を真っ二つにされる形で見つかっております」


王族狩りのもう一つ異常な点がこれだった。

王族狩りが殺害に使う武器、死体の死因は、全て刃物によるものだった。

銃や弓のような遠距離武器は使用されていない。

全員刃物で殺されている。

それも、殺害された死体は全て体を二つに裂かれる形のものばかりだった。

斬られた断面からは血が止めどなく溢れ出し、そこから臓器が零れ落ちているのだ。

臭いと合わせても、その光景は地獄の一言につきる。

先ほどの総数もその殺し方で形成されたのだ。

およそ人間の仕業じゃないとはそういうことだ。

街の住人の中には、これが鬼や羅刹によるものではないかと話す者もいる。

しかし、

狙われた人間のことを考えても、これがミッドカオスという国を対象にしたものであることは確実。

鬼や羅刹なら、そんな相手を選ぶような真似をするはずが無い。

これは人間の仕業で、

そして、

かなりの使い手による悪業だ。

人間を真っ二つにするなど、少し腕が立つ程度で出来るはずが無い。

少なくともシェルと同じかそれ以上のレベルだろうと認識されていた。


「……次は犯人グループの足取りを頼む」


シェルが力なく次へ進める。

先ほどの隊長が座って、その隣の男が代わりに立ち上がった。


「犯人グループの痕跡は現場にはほとんど残されてはいませんでした。足跡は勿論、目撃情報も……」


現在、ミッドカオス側では、この被害総数と被害現場から見て、犯人はグループと判断していた。

なんせ殺害された人数の規模が違いすぎる。

人は逃げるし、恐ければ叫び声も上げる生き物だ。

特に、世界一人口の多いこのミッドカオスは、一般人の目撃者たりえそうな人数が非常に多い。

特に役職者が出歩くような市街地は人口密度も高いのだ。

いくら場所を考えたとしても、一人の役職者に対し、殺さなければならないその他の人間は20名は下らないだろう。

そんな人間たちを逃がさず、声も出させず殺し尽くすなんてことが、一人の人間に出来ると考える方が現実的じゃない。

しかも、

この王族狩りはこの1年間で一度も見つかっておらず、先ほどの報告通り痕跡すら残していないのだ。

武器が刃物一種に限られているのが唯一謎だが、規模を見ても、極端に短時間な計画的犯行であることが予想出来る。

となれば一人よりは複数を想定するというのは至極当然の流れだ。


「罠はどうだ。住民にも内緒でいくつか仕込んだだろう」


これもシェルが以前出したオファーだ。

目撃者が出ないなら、人間以外の物で証拠を押さえるのが合理的。

現代のような監視カメラやビデオはこの時代には無いが、獣を仕留める時のような原始的な罠ならいくらでも作れる。

しかし、
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