舌先三寸覚えあり 〜おヌル様は異界人。美味しいお菓子のプロ技キラめく甘々生活

蜂蜜ひみつ

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光の湖畔編

第70話 異界のアクセサリー

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「あ、コニーごめんごめん。
そこのタピルランで走ったエネルギーを貯めることができるって話したよね。
そんな感じでね、人が動くと生まれる最小のその振動をも、最大限に拾って。エネルギーに変換して蓄積させる。
そんな技術開発がこの世界では進んでるんだよ。
実はこの家にはドアとか階段にも、そうした仕掛けを実験的に仕込んでいるんだ。
今のところは人の多い、公共施設や街の商業施設なんかじゃないと、元がとれそうもないんだけど」

 なるほど。
 小さなこともコツコツ貯めて、みんなでエコエネルギー生活なのね。

「もっと極小規模で、庶民に浸透している充力器がアクセサリー各種ってわけ。
おヌル様が持っていた、ソーラーシステムと自動巻き上げ機能が付いた時計が元になっているんけど。
こちらの世界ならではの、魔石と魔道具回路をそれに付け加えて、性能を上げているんだ」

 ちょっと真面目な顔でクレールが
「僕の特に得意な分野は、既存技術の応用発展と効率化だから。いろんなのが上にたくさんあるよ。コニーも付けるかい?」
自分のピアスに触れながら聞いてきた。

「そうだな、そうするといい。魔石は人への譲渡は規定値とかいろいろあるんだが。
充力アクセサリーで貯めたもんは譲渡自由だからな。この家の役に立てるぞ、コニー」

うう……。
エタンてば、小さい子にお手伝いを促すパパみたいだ、なんとなくくっそー。
だが的を得てる、うむ。

「うん分かった。エタンパパ。それなら私も身につけて、頑張ってエネルギー貯めるぞー」

 ママとかパパとか言うな、苦笑いするエタン。
 じゃあ上で用意してくるねと、クレールは2階の自室に上がって行った。

 私はお出かけの帽子を、今被ってる猫ちゃんの帽子に勝手に決めた。
 収納箱の片づけを始めなきゃ。

「コニーはこれな」
エタンにサッと猫ちゃん帽を取られ、ぽふっとなにか違うものを被らされた。 

「ほえ?!」

「あの平麦藁帽、すごく似合ってるが、少し可愛過ぎだ。庭専用な」
すかさずパシャリ。

 エタンが私の写真を撮った。
 
「懐かしいなぁ。クレールのやつ、こんなとこにしまってまだ残してたとは。
これな、俺らガキの頃。外遊びんとき、母親達にお揃いで被せられたんだよ」

 私は頭に手をやり、その帽子を脱いだ。
 水遊びもできるようにちょっとナイロンぽくて。
 ツバもぐるりとあるハットって感じの形。
 後ろには襟首を日差しから守る、取り外し可能な共布も付いてる。
 色が焦茶色でフチにオレンジのラインが入っている。
 まさに二人の髪色だ。

「クレールのは緑の刺繍糸で、俺のは金の糸で星のマークを端に。俺の母親が縫ってくれて、どっちのだか区別してた」
と端っこを指差した。

 わあ、星3つ。
 丁寧に上手に縫ってある、可愛い。

「ほら。サイズも丁度だし、こっちのほうが目深に被れるから。変装にはもってこいだろ?」

 そう言って撮った写真を見せてくれた。

「確かに。まさに夏休みの男の子の探検帽子だ。いいね、これにする。
ていうか、写真のエネルギーもったいないないじゃん。手鏡で自分で見るよぅ?」

 エタンは、ザ外人って感じに、両手を上に向けて、ちょい首を傾げてすくめるようなポーズを取って、ニヤッとした。
 ふうん、こっちの世界にもそんなポーズあるんだねぇ、まんまと話を逸らされた。

 私は借りる気満々の猫ちゃん帽を。
 エタン用には中折れ帽、クレール用には黒もこ帽を横によけた。
 しまったら秋冬に出すの忘れちゃいそうだし。
 っていうか、季節のこと聞いてないけど、まあいっか。
 それだけ残してあとは収納箱に片付けた。

 そしてエタンがさっきの箱棒で、横の回路を長押しすると、回路がピカっと黄緑に光って。
 蓋が現れるや否や、シュンッっと一瞬で箱が小さくなった。

 おおお~! スゴい!!
大きくなるのは危ないから時間差で、小さくなるのは一瞬だ~。
 ふっしぎぃ~!

 上からクレールよりお声がかかる。
 そしてエタンは、
「俺も部屋から取って来るから、先に行っててくれ」
と言われ、1人で螺旋階段を登る。

 私の登る振動がエネルギーになるなんて凄いなあと、意識しつつ階段を登っていく。

 クレールのベッドの上には、柔らかそうなアイボリーのベッドカバーが掛けてあって。
 その上に薄い標本箱みたいなのが幾つも並んべてあった。

 それらは落ち着いた色合いの木でできていて、 上が枠内とガラス、中が濃紺のビロード貼り。
 仕切りやスリットが、箱によってそれぞれの形で存在してた。 
 指輪用、ピアス用、時計用、ブレスレット用とか、そんな感じ。

「研究はまず僕に合わせて、開発したり手直しするから。サイズや見た目もコニー似合うものはあんまりないよね、ごめんね」

「蛍様夫妻はアクセサリーの専門家だから、いつかコニーに似合うもんオーダーで作ってもらおうぜ」
 エタンもすぐに2階に上がってきて加わり。
あれがいい、こっちががいいと、3人で楽しくアクセサリー決めが始まった。
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