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【第50話】鈴多の働き
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クルミとフリードは、城下町に潜入した。城下町の通りは人も少なく活気がない。
「大丈夫かなぁ。この国。」
「景気も悪いようですし、国としては良くない状況でしょうね。」
フリードが言うと説得力がある。
「それにしても与一将軍の件は、驚きではありますが、交渉は完全に罠ですね。」
クルミもそう思う。
「与一将軍とその仲間の捕らわれた先を探さないとね。」
「他の親衛隊に連絡をします。鎖国派を支援するのですか?」
「それは、まだ分からないけれど与太郎の父親だから助けるって単純な考えかな。」
正直、鎖国しようが開国しようがどちらでもいい。ただ親しい者の父親が処刑されかれてるのな何もしないわけにはいかないから。
「まずは助けてその後決めることにするよ。」
「クルミ様らしいですね。私たちはついていくだけです。」
「ありがと。」
そして、さらに情報収集を再開したのだった。
鈴多は、とりあえず人の話を頼りに歩いていた。途中お腹がすいた時は、水を飲み、飢えをしのいだ。
鈴多はお金を持っていたのだが使わなかった。与一が気絶させるときに入れたのだが、鈴多は人のお金は勝手に使ってはいけないと母親からの教えを守った。
避難民が避難するために街に向かっていると聞いて、その集団の後方からついていった。
「あれは、与太郎様か?」
「与一将軍の救出だろうか?あの少数で。」
100人くらいの集団が馬で駆けていく。鈴多はその集団に走り出した。しかし馬に子供の足では追い付くはずがなかった。
「ウッ ワーン」
泣き出してしまった。何もできなくて悔しくて、今までの我慢が限界にきたのだった。
それでも泣きながら走った。もう集団が見えなくなってきていた。
その時上空から声が聞こえてきた。
「どうしたの?」
あたりを見回す鈴多。
「ここだよ。」ローマンに契約している、風の妖精のタルタルだった。
風の妖精は、風にのってくる遠くの声も聞こえてくるのだ。
『ローマン戻ってきて!』
タルタルはローマンに交信を行った。
「それでどうしたン?」
タルタルが再度きいてきた。
「与太郎様に伝言をしたい。」
鈴多が泣きながら話しをする。
そうしている間に、ローマンが戻ってきた。
「タルタルその子供は迷子か?」
ローマンが聞いてきた。
「なんか違うっぽい、与太郎に伝言があるンって。」
馬から降りて、鈴多に話をかけた。
「伝言ということだけど、どんな内容かな?」
「与一将軍から、これを渡すようにって」
手に握った。小太刀を見せた。
これって言われても、これが何か分からないからなぁ。立派な小太刀だが、クルミ様から与一将軍の処刑を、聞いて急いでもいるんだかなぁ。ローマンは少し考え込んだ。
「ローロー。これは聞いといたがいいと思うン。」
しゃべり方が、適当になってきた。タルタルだった。
「ローマンだ。分かった、与太郎に知らせてきてくれるか?」
「分かったン。」
語尾のンが気になる、ローマンだったが今は鈴多から詳しく話を聞くことを優先した。
このタルタルの判断で与太郎は、助けられることになるのだった。
「親父の小太刀か、これは一族を率いる者の証みたいなもんなんだよ。鈴多ありがとな!」
しばし休憩することになり、鈴多は食事をものすごい勢いで食べていた。
「それで、与一将軍、母様助けられる?」
「それは・・・・」
「厳しいでしょうね。」喜介が変わりに答えた。
「どういうことですか?」
「久遠には、勝てない。しかも神剣も持っているのであればなおさらだ。」
与太郎が答えた。父親を救うために急いで向かっていたのだが、この情報は助かった。
この人数では、久遠は相手するには厳しい。対応できるのは、クルミくらいだと与太郎は考えた。
「お金があればいいの?」
鈴多が懐から、お金の入った袋を出して与太郎に差し出す。
「与一将軍からだと思う。」
「鈴多・・・」
ボロボロになり、お腹をすかせた状態で、その何てことないお金を使わなかった鈴多の姿を見て、与太郎は、鈴多を抱き締めた。
「そのお金があれば大丈夫だ!」
鈴多は嬉しそうな顔をしていた。
鈴多や他の一族の全てを背負っていく覚悟が決まった。しかし失敗は許されない。慎重な行動が必要だと思った。まずはクルミ達と合流しよう。
怒りにまかせて突撃するつもりだった与太郎が鈴多によって結果的には救われることになったのだった。
「大丈夫かなぁ。この国。」
「景気も悪いようですし、国としては良くない状況でしょうね。」
フリードが言うと説得力がある。
「それにしても与一将軍の件は、驚きではありますが、交渉は完全に罠ですね。」
クルミもそう思う。
「与一将軍とその仲間の捕らわれた先を探さないとね。」
「他の親衛隊に連絡をします。鎖国派を支援するのですか?」
「それは、まだ分からないけれど与太郎の父親だから助けるって単純な考えかな。」
正直、鎖国しようが開国しようがどちらでもいい。ただ親しい者の父親が処刑されかれてるのな何もしないわけにはいかないから。
「まずは助けてその後決めることにするよ。」
「クルミ様らしいですね。私たちはついていくだけです。」
「ありがと。」
そして、さらに情報収集を再開したのだった。
鈴多は、とりあえず人の話を頼りに歩いていた。途中お腹がすいた時は、水を飲み、飢えをしのいだ。
鈴多はお金を持っていたのだが使わなかった。与一が気絶させるときに入れたのだが、鈴多は人のお金は勝手に使ってはいけないと母親からの教えを守った。
避難民が避難するために街に向かっていると聞いて、その集団の後方からついていった。
「あれは、与太郎様か?」
「与一将軍の救出だろうか?あの少数で。」
100人くらいの集団が馬で駆けていく。鈴多はその集団に走り出した。しかし馬に子供の足では追い付くはずがなかった。
「ウッ ワーン」
泣き出してしまった。何もできなくて悔しくて、今までの我慢が限界にきたのだった。
それでも泣きながら走った。もう集団が見えなくなってきていた。
その時上空から声が聞こえてきた。
「どうしたの?」
あたりを見回す鈴多。
「ここだよ。」ローマンに契約している、風の妖精のタルタルだった。
風の妖精は、風にのってくる遠くの声も聞こえてくるのだ。
『ローマン戻ってきて!』
タルタルはローマンに交信を行った。
「それでどうしたン?」
タルタルが再度きいてきた。
「与太郎様に伝言をしたい。」
鈴多が泣きながら話しをする。
そうしている間に、ローマンが戻ってきた。
「タルタルその子供は迷子か?」
ローマンが聞いてきた。
「なんか違うっぽい、与太郎に伝言があるンって。」
馬から降りて、鈴多に話をかけた。
「伝言ということだけど、どんな内容かな?」
「与一将軍から、これを渡すようにって」
手に握った。小太刀を見せた。
これって言われても、これが何か分からないからなぁ。立派な小太刀だが、クルミ様から与一将軍の処刑を、聞いて急いでもいるんだかなぁ。ローマンは少し考え込んだ。
「ローロー。これは聞いといたがいいと思うン。」
しゃべり方が、適当になってきた。タルタルだった。
「ローマンだ。分かった、与太郎に知らせてきてくれるか?」
「分かったン。」
語尾のンが気になる、ローマンだったが今は鈴多から詳しく話を聞くことを優先した。
このタルタルの判断で与太郎は、助けられることになるのだった。
「親父の小太刀か、これは一族を率いる者の証みたいなもんなんだよ。鈴多ありがとな!」
しばし休憩することになり、鈴多は食事をものすごい勢いで食べていた。
「それで、与一将軍、母様助けられる?」
「それは・・・・」
「厳しいでしょうね。」喜介が変わりに答えた。
「どういうことですか?」
「久遠には、勝てない。しかも神剣も持っているのであればなおさらだ。」
与太郎が答えた。父親を救うために急いで向かっていたのだが、この情報は助かった。
この人数では、久遠は相手するには厳しい。対応できるのは、クルミくらいだと与太郎は考えた。
「お金があればいいの?」
鈴多が懐から、お金の入った袋を出して与太郎に差し出す。
「与一将軍からだと思う。」
「鈴多・・・」
ボロボロになり、お腹をすかせた状態で、その何てことないお金を使わなかった鈴多の姿を見て、与太郎は、鈴多を抱き締めた。
「そのお金があれば大丈夫だ!」
鈴多は嬉しそうな顔をしていた。
鈴多や他の一族の全てを背負っていく覚悟が決まった。しかし失敗は許されない。慎重な行動が必要だと思った。まずはクルミ達と合流しよう。
怒りにまかせて突撃するつもりだった与太郎が鈴多によって結果的には救われることになったのだった。
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