19 / 88
のぞき
しおりを挟む
目が覚めたフィオラは視界に入った見慣れない天井に「まだ夢の中にいるのか」と、ぼーっとしていた。
『フィオラ、やっと起きましたか?』
夢の中だというのに、レイの声がしてフィオラは顔を横に向けた。
柔らかい枕がフィオラの頭の動きに合わせて形を変える。
柔らかい―――……
「あ」
そうだ、ここは小屋でも、馬車の中でも、野宿している林の中でもなかった。
フィオラは勢いよく起き上がる。
そして、ひと言―――
「夕飯はっ?!」
『何を言っているのです。フィオラはあれからずっと寝こけていて……』
「あ!お嬢様、お目覚めですか。おはようございます。もうすぐ昼食のお時間ですが、どうされますか?少し遅らせましょうか」
レイの体をすり抜けて、ミーシャがフィオラに笑顔を見せた。
「え……ちゅ、昼食……?」
『……そういう事です』
なんと、あのままフィオラは寝入ってしまい、朝まで、いや、お昼まで寝こけていた。
「うそーっ!!夕飯食べそこねた!」
頭を抱えて言う事がそこなのか。 何なら食べそこねたのは夕食のみならず、朝食もである。
たとえ、量は食べられなくとも、折角食べられる機会をみすみす逃すとは何たる失態。フィオラは「くうぅ……」と、歯噛みした。
「も、申し訳ございません!物凄く気持ちよさそうに眠っていらしたので……起こせず……」
まさかこんなに悔しがるとは思っていなかったミーシャは、ただひたすらに恐縮している。
『ミーシャさん、あなたが気に病む事はありません。フィオラが寝こけていたのが悪いのです』
レイの声は聞こえていないというのに、レイはミーシャに向けて話し掛けていた。
「あ、いや……うん。怒ってるわけじゃなくて……じゃあ、お昼ご飯の準備をお願いしていい?」
「はい!では、厨房に伝えてきますので、お支度は少々お待ち下さい」
笑顔で応えるミーシャに、フィオラは、はっとする。
「いや、支度は自分でする!何ならメシの準備も手伝うし!」
「いえ、いえ」「いや、いや」と、フィオラとミーシャの応酬は暫し続いた。
結局、フィオラの支度はフィオラが自分でする。ミーシャは食事の準備が出来たら呼びに来る。という事で落ち着いた。
『無駄なやり取りをしている間に支度くらいは出来上がっていたでしょうね』
レイの言う通りだった。 フィオラの支度など顔を洗えば終わりだ。服も昨夜着替えたばかりで汚れていない。
それでも服を着替えたのは、世話を焼かれる手間を省くためだ。
「一応、髪も梳かしておくか」
フィオラはドレッサーに座り、鏡の前に綺麗に並べられている櫛を取る。
昨日お風呂に入れたお陰か、髪の櫛通りが良い。それだけの事なのに、フィオラの心に何かしら浮き立つものがあった。
「髪を気にするなんて……それだけなのに、何でだろ……わくわくする」
『ふふ。そうですねぇ、寝癖なんてついていたら、あのヒューゴとやらに何を言われるか分かりませんものねぇ』
フィオラもやっと淑女として目覚めたのですねぇ。と、レイは感慨深そうに頷いた。
しかし、昨日のヒューゴとのやり取りを思い出したフィオラは一気に青ざめる。
……そうだった。
「忘れてた。本当にあの人、私にマナーとか教える気かな?そもそもさぁ、あっちこそ初対面の人間に失礼じゃね?」
『……フィオラにだけは言われたくないと思いますよ?』 ごもっともな事を言うレイを無視して、フィオラは話題を変える。
「ご飯は何かなぁ~」
誤魔化すように「ふん、ふーん」と、鼻歌を歌いながら窓の外を眺めた。
言葉遣いがそんなに大事か?
食事のマナーが出来なくて死ぬことがあるか?
寧ろ、そんな細かい事を気にしていたら餓死するような環境で育ったフィオラは、どうにかしてヒューゴの魔の手から逃げ出したかった。
そういや、もう少しで収穫出来る野菜があったよな……。
窓の外に広がる広々とした庭を見ながら、フィオラは小さな裏庭で育てていた野菜たちに思いを馳せた。
「それにしても、広いよなぁ~……ん?」
広い庭の中で、もぞもぞと動く大きなこげ茶色の物体が植木の間を見え隠れしていた。
「はっ……熊?!」
いくら広いといっても、まさかそんな大きな動物がいるわけないだろう。
フィオラが凝視していると、こげ茶色の物体が体を起こし、あまつさえ伸びをした。
「あ……人間か」
こげ茶色のベストを着た大男は、庭の手入れをしているらしく、フィオラが見ていると再び草木の中にもぞもぞと潜り込んで行った。 あれがきっと、ミーシャの言っていた庭師なのだろう。
『フィオラ……それ、本人には絶対に言ってはいけませんよ?』
「そのくらい分かってるよ!」
レイはフィオラを何だと思っているのだろうか。流石のフィオラも人を傷付けるような事は言わない……いや、言わないようにはしている。だから、言わない確証はない。 だが、分かってはいるのだ。
『随分と花も植えられているのですね』
「そうだね。……レイって、花が好きだったっけ?」
ピンクや黄色の花が風に揺れているのが見える。
ここからでは何の花かも分からないが、それでもレイは愛でるような目で花を眺めていた。
何年も一緒に過ごしていた気がしていたが、そういえば嗜好についてはあまり語られたことはなかった。
『ええ、まあ。人並みには好きですよ』
と、いうより「花は見るのも嫌いだ」という方が少ない。
「へー、そりゃ、野菜ばっかで悪かったな」
フィオラが育てていたのは野菜のみ。食べられるわけでもない植物を育てる意味が分からなかった。
『いえ、その気になれば、私はどこにでも行けますので問題はありませんよ』
その言葉通り、レイは時々居なくなる事があった。あれはお花畑にでも出掛けていたのだろうか。
『ですが、折角ですから、あの花を少し部屋に飾らせて頂きましょう。フィオラ、次に公爵様にお会いしたらお願いしてもらえませんか?』
「え、まあ……いいけど……」
『あ、そうそう。公爵様の部屋にある花瓶が素敵でしたから、それも貸してもらいましょう』
「……覗きに行ったな?」
どこにでも行けるついでに、レイは色んなところで覗きをしているらしい。昨夜はニコライのところに行っていたのかもしれない。
『白地に金の……あれは蔓でしょうかね?意匠が入った花瓶です。シンプルですが、上品で良かったです』
フィオラのじっとりとした視線も気にせず、レイが嘯く。
「いつか、訴えられるぞ?」
『気付かれれば、そうでしょうねぇ……』
「それは、マナー違反じゃねぇのかよ?」
にこやかに答えるレイに、やっぱりフィオラは納得がいかないのであった。
『フィオラ、やっと起きましたか?』
夢の中だというのに、レイの声がしてフィオラは顔を横に向けた。
柔らかい枕がフィオラの頭の動きに合わせて形を変える。
柔らかい―――……
「あ」
そうだ、ここは小屋でも、馬車の中でも、野宿している林の中でもなかった。
フィオラは勢いよく起き上がる。
そして、ひと言―――
「夕飯はっ?!」
『何を言っているのです。フィオラはあれからずっと寝こけていて……』
「あ!お嬢様、お目覚めですか。おはようございます。もうすぐ昼食のお時間ですが、どうされますか?少し遅らせましょうか」
レイの体をすり抜けて、ミーシャがフィオラに笑顔を見せた。
「え……ちゅ、昼食……?」
『……そういう事です』
なんと、あのままフィオラは寝入ってしまい、朝まで、いや、お昼まで寝こけていた。
「うそーっ!!夕飯食べそこねた!」
頭を抱えて言う事がそこなのか。 何なら食べそこねたのは夕食のみならず、朝食もである。
たとえ、量は食べられなくとも、折角食べられる機会をみすみす逃すとは何たる失態。フィオラは「くうぅ……」と、歯噛みした。
「も、申し訳ございません!物凄く気持ちよさそうに眠っていらしたので……起こせず……」
まさかこんなに悔しがるとは思っていなかったミーシャは、ただひたすらに恐縮している。
『ミーシャさん、あなたが気に病む事はありません。フィオラが寝こけていたのが悪いのです』
レイの声は聞こえていないというのに、レイはミーシャに向けて話し掛けていた。
「あ、いや……うん。怒ってるわけじゃなくて……じゃあ、お昼ご飯の準備をお願いしていい?」
「はい!では、厨房に伝えてきますので、お支度は少々お待ち下さい」
笑顔で応えるミーシャに、フィオラは、はっとする。
「いや、支度は自分でする!何ならメシの準備も手伝うし!」
「いえ、いえ」「いや、いや」と、フィオラとミーシャの応酬は暫し続いた。
結局、フィオラの支度はフィオラが自分でする。ミーシャは食事の準備が出来たら呼びに来る。という事で落ち着いた。
『無駄なやり取りをしている間に支度くらいは出来上がっていたでしょうね』
レイの言う通りだった。 フィオラの支度など顔を洗えば終わりだ。服も昨夜着替えたばかりで汚れていない。
それでも服を着替えたのは、世話を焼かれる手間を省くためだ。
「一応、髪も梳かしておくか」
フィオラはドレッサーに座り、鏡の前に綺麗に並べられている櫛を取る。
昨日お風呂に入れたお陰か、髪の櫛通りが良い。それだけの事なのに、フィオラの心に何かしら浮き立つものがあった。
「髪を気にするなんて……それだけなのに、何でだろ……わくわくする」
『ふふ。そうですねぇ、寝癖なんてついていたら、あのヒューゴとやらに何を言われるか分かりませんものねぇ』
フィオラもやっと淑女として目覚めたのですねぇ。と、レイは感慨深そうに頷いた。
しかし、昨日のヒューゴとのやり取りを思い出したフィオラは一気に青ざめる。
……そうだった。
「忘れてた。本当にあの人、私にマナーとか教える気かな?そもそもさぁ、あっちこそ初対面の人間に失礼じゃね?」
『……フィオラにだけは言われたくないと思いますよ?』 ごもっともな事を言うレイを無視して、フィオラは話題を変える。
「ご飯は何かなぁ~」
誤魔化すように「ふん、ふーん」と、鼻歌を歌いながら窓の外を眺めた。
言葉遣いがそんなに大事か?
食事のマナーが出来なくて死ぬことがあるか?
寧ろ、そんな細かい事を気にしていたら餓死するような環境で育ったフィオラは、どうにかしてヒューゴの魔の手から逃げ出したかった。
そういや、もう少しで収穫出来る野菜があったよな……。
窓の外に広がる広々とした庭を見ながら、フィオラは小さな裏庭で育てていた野菜たちに思いを馳せた。
「それにしても、広いよなぁ~……ん?」
広い庭の中で、もぞもぞと動く大きなこげ茶色の物体が植木の間を見え隠れしていた。
「はっ……熊?!」
いくら広いといっても、まさかそんな大きな動物がいるわけないだろう。
フィオラが凝視していると、こげ茶色の物体が体を起こし、あまつさえ伸びをした。
「あ……人間か」
こげ茶色のベストを着た大男は、庭の手入れをしているらしく、フィオラが見ていると再び草木の中にもぞもぞと潜り込んで行った。 あれがきっと、ミーシャの言っていた庭師なのだろう。
『フィオラ……それ、本人には絶対に言ってはいけませんよ?』
「そのくらい分かってるよ!」
レイはフィオラを何だと思っているのだろうか。流石のフィオラも人を傷付けるような事は言わない……いや、言わないようにはしている。だから、言わない確証はない。 だが、分かってはいるのだ。
『随分と花も植えられているのですね』
「そうだね。……レイって、花が好きだったっけ?」
ピンクや黄色の花が風に揺れているのが見える。
ここからでは何の花かも分からないが、それでもレイは愛でるような目で花を眺めていた。
何年も一緒に過ごしていた気がしていたが、そういえば嗜好についてはあまり語られたことはなかった。
『ええ、まあ。人並みには好きですよ』
と、いうより「花は見るのも嫌いだ」という方が少ない。
「へー、そりゃ、野菜ばっかで悪かったな」
フィオラが育てていたのは野菜のみ。食べられるわけでもない植物を育てる意味が分からなかった。
『いえ、その気になれば、私はどこにでも行けますので問題はありませんよ』
その言葉通り、レイは時々居なくなる事があった。あれはお花畑にでも出掛けていたのだろうか。
『ですが、折角ですから、あの花を少し部屋に飾らせて頂きましょう。フィオラ、次に公爵様にお会いしたらお願いしてもらえませんか?』
「え、まあ……いいけど……」
『あ、そうそう。公爵様の部屋にある花瓶が素敵でしたから、それも貸してもらいましょう』
「……覗きに行ったな?」
どこにでも行けるついでに、レイは色んなところで覗きをしているらしい。昨夜はニコライのところに行っていたのかもしれない。
『白地に金の……あれは蔓でしょうかね?意匠が入った花瓶です。シンプルですが、上品で良かったです』
フィオラのじっとりとした視線も気にせず、レイが嘯く。
「いつか、訴えられるぞ?」
『気付かれれば、そうでしょうねぇ……』
「それは、マナー違反じゃねぇのかよ?」
にこやかに答えるレイに、やっぱりフィオラは納得がいかないのであった。
19
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
底無しポーターは端倪すべからざる
さいわ りゅう
ファンタジー
運び屋(ポーター)のルカ・ブライオンは、冒険者パーティーを追放された。ーーが、正直痛くも痒くもなかった。何故なら仕方なく同行していただけだから。
ルカの魔法適正は、運び屋(ポーター)に適した収納系魔法のみ。
攻撃系魔法の適正は皆無だけれど、なんなら独りで魔窟(ダンジョン)にだって潜れる、ちょっと底無しで少し底知れない運び屋(ポーター)。
そんなルカの日常と、ときどき魔窟(ダンジョン)と周囲の人達のお話。
※タグの「恋愛要素あり」は年の差恋愛です。
※ごくまれに残酷描写を含みます。
※【小説家になろう】様にも掲載しています。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
【短編】婚約破棄?「喜んで!」食い気味に答えたら陛下に泣きつかれたけど、知らんがな
みねバイヤーン
恋愛
「タリーシャ・オーデリンド、そなたとの婚約を破棄す」「喜んで!」
タリーシャが食い気味で答えると、あと一歩で間に合わなかった陛下が、会場の入口で「ああー」と言いながら膝から崩れ落ちた。田舎領地で育ったタリーシャ子爵令嬢が、ヴィシャール第一王子殿下の婚約者に決まったとき、王国は揺れた。王子は荒ぶった。あんな少年のように色気のない体の女はいやだと。タリーシャは密かに陛下と約束を交わした。卒業式までに王子が婚約破棄を望めば、婚約は白紙に戻すと。田舎でのびのび暮らしたいタリーシャと、タリーシャをどうしても王妃にしたい陛下との熾烈を極めた攻防が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる