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ニコライはライ
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やっと準備が整ったフィオラが玄関に向かうと、既にニコライが待機していた。
「……行くぞ」
ニコライは、ちらっとフィオラに目を向けたものの、待ちくたびれていたのか素っ気なくフィオラに背を向けた。
「あ、うん。待たせてごめん」
そんなに待たせちゃったか。と、ニコライに続いて足を踏み出そうとしたフィオラの腕が、後ろから伸びてきた手に掴まれた。
驚いて振り返ると、満面の笑みのリーナがいた。
「……その前に、坊ちゃま。何か、仰っしゃることはございませんか?」
非難のこもった声に「えっ」と、リーナの顔をよく見ると、笑顔なのにその目は冷たい。ミーシャもリーナの隣で同じ視線をニコライに向けていた。
え、笑顔なのに……怖いぞ??
そう感じたのはフィオラだけではなかった。
ニコライもリーナを振り返ると、「うっ」と、言葉に詰まった顔で固まる。
リーナは口元だけの笑顔をニコライに向け、視線はちらちらとフィオラに向けていた。 リーナの無言の圧力とも言える笑顔に、ニコライがふよふよと視線を泳がせはじめた。明らかに動揺している。
な、何??
ニコライが言うことって何だ?
何か問題でもあったのか??
フィオラは、無言の圧力をニコライに向けているリーナとニコライを見守るように交互に見やった。どうにも声を掛けにくい雰囲気だ。
暫しの静かな攻防の後。 リーナが何かを催促するような咳払いをすると、ニコライが観念したように小さく息を吐き眉間にしわを寄せた。
「あー、……ぃいよ」
「ん?何だって?」
「可愛いって!今日のドレスも似合ってる!!」
「……喧嘩売ってんのか?」
「……何でそうなる?」
何か言われるのかと身構えていたが、眉間にしわを寄せて喧嘩腰で言われたらフィオラには嫌味にしか聞こえない。
そもそもフィオラには、リーナとミーシャの手によって何とか見られる状態にしてもらったという自負があった。ドレスに着られていることをよく理解している。
それが可愛いく見えるなんて、どうかしてる。
まあ……ライは女性の扱いは手慣れてるみたいだから、これも社交辞令ってやつか……?
先日のエスコートは自然なものだったし、いつも女性にしていることなんだろう。と、思いつつ、フィオラにまで気を使わなければならないニコライが不憫にも思えた。
「もういい。行くぞ」
これから出掛けるというのに、何故か既に疲れ切った様子のニコライがフィオラに手を差し伸べる。 だけどフィオラは、その手を素直に取ることが出来なかった。
「あのさぁ……公爵は慣れてるんだろうけど……こういうの、別にいいよ」
「……は?何のことだ?」
「何って……可愛いってお世辞を言ったり、腕を組んだりだよ。そりゃ、人がいっぱいいるところではしなくちゃいけないんだろうけど、ここには見てる人はいないし、それに……嫌だろ、私相手じゃ?」
ニコライに気遣わせない為に言ったのだが、最後の方は随分と自虐になっていることに気付き俯く。
ニコライは控え目に言って美男子だ。それに加え、今日はいつもとは違い式典用の白い団服を纏っている。つまり、きらきらしていた。
知らず、フィオラはその横に立ち並ぶことに尻込みしていたらしい。
だって、なんか。
きらきらしてるバッヂつけてるし……
マントなんか羽織ってるし……
そんな事を気にするなんて自分らしくないと思いつつも、見れば見るほど不釣り合いに思えてくる。
今までは少人数の身内の中で過ごして来たから気にもならなかった。しかし今日は、初めて会う大勢の中に入って行かなければならない。
私といたら、ライは……
私は……どんな陰口を言われるんだろう
一人でいればそんな所に行かなければいいだけだ。しかし、ニコライと。いや、ニコライでなくとも、他人と一緒にいるということは、そういうことだ。
今更ながら気付いた事の重大さに、フィオラは血の気が引いていた。
ふと、ニコライが血の気の引いたフィオラの手を取る。そのニコライの手が、思いの外優しくてフィオラは顔を上げた。
「別に、慣れてなんかいない。エスコートなんて殆どした事がないし……本当に可愛いと思ったから言っただけだ。それに……」
「わっ!」
ニコライが、ぐいっとフィオラを引き寄せた。その勢いで、ニコライの腕の中にぽすんとフィオラが収まる。
「……リーナとミーシャが見ている」
耳元で囁かれ、不覚にもフィオラの胸は高鳴った。
何だこれ??
先程までの不安感はどこへやら。急に顔が熱くなってきた事に驚いたフィオラは、助けを求めようとミーシャを振り返った。
ところがミーシャは、リーナと頭をくつけるようにして楽しそうに何かを囁き合っていた。フィオラと目が合っているにもかかわらず、瞳を輝かせて見返してくるばかりで、これでは助けは期待できそうにない。
「確かに……見てんな」
「ははっ!」
ニコライは堪らずといった感じで笑い声を上げると、そのままフィオラを抱き上げ馬車に乗り込んだ。
「わっ、ちょっ……」
突然の出来事に、フィオラが思わずニコライにしがみつく。背後でリーナとミーシャが小さな歓声を上げているのが聞こえて、どうしようもなく恥ずかしくなった。
馬車は扉が閉まるとすぐに動き出した。外でミーシャが何か言っていたようだが、すぐに視界から見えなくなった。 暫く走ったところでフィオラがニコライを見上げる。
「……一人で座れるから、下ろしてくれ!」
「もうすぐ着く。別にいいだろ、このままで」
顔を上げたものの、ニコライの顔は直視出来ない。何故ならば、超至近距離にニコライの顔があるから。
馬車に乗り込む時に抱き上げられたフィオラは、その流れでニコライの膝に横抱きのままであった。
何だこれ。凄く恥ずかしいぞ??
別に、馬車に乗るのも座席に座るのも一人で出来る。ただ、ニコライはフィオラを子供扱いしているわけではなさそうだ。
この恥ずかしさがどういう感情なのか分からず、フィオラは取り敢えず怒った顔をしてみせる。
あっけらかんと言うニコライは、何故か終始上機嫌であった。
「いや、重いし……」
「フィオラを重く感じるような、ひ弱な男が良いのか?それより……もう、俺のこと、ライと呼んでくれないのか?」
またも耳元で囁かれ、フィオラは「ふぎゃっ!」と、飛び上がった。その勢いに紛れて、ニコライの膝から逃れる。
「えっと……あれ?」
フィオラは小首をかしげた。
こちらに来てからフィオラは、意識してニコライを「公爵」と、呼んでいた。名前で呼んだ記憶はなかったが、無意識にライと呼んでいたのかもしれない。 一瞬戸惑ったフィオラだったが、そう思い直してニコライを見る。
フィオラの反応を楽しんでいるのか、ニコライの口角にはからかいの余韻が残っていた。
「曲がりなりにも、俺たちは婚約者じゃないか。『公爵』なんて、よそよそしいと思わないか?」
「そ、そう、かな……?」
面白そうににっこりと微笑むニコライは、やはりフィオラをからかっているのかもしれない。
王城に到着までの数分間。
ニコライの呼び方は「ライ」に決定していた。
「……行くぞ」
ニコライは、ちらっとフィオラに目を向けたものの、待ちくたびれていたのか素っ気なくフィオラに背を向けた。
「あ、うん。待たせてごめん」
そんなに待たせちゃったか。と、ニコライに続いて足を踏み出そうとしたフィオラの腕が、後ろから伸びてきた手に掴まれた。
驚いて振り返ると、満面の笑みのリーナがいた。
「……その前に、坊ちゃま。何か、仰っしゃることはございませんか?」
非難のこもった声に「えっ」と、リーナの顔をよく見ると、笑顔なのにその目は冷たい。ミーシャもリーナの隣で同じ視線をニコライに向けていた。
え、笑顔なのに……怖いぞ??
そう感じたのはフィオラだけではなかった。
ニコライもリーナを振り返ると、「うっ」と、言葉に詰まった顔で固まる。
リーナは口元だけの笑顔をニコライに向け、視線はちらちらとフィオラに向けていた。 リーナの無言の圧力とも言える笑顔に、ニコライがふよふよと視線を泳がせはじめた。明らかに動揺している。
な、何??
ニコライが言うことって何だ?
何か問題でもあったのか??
フィオラは、無言の圧力をニコライに向けているリーナとニコライを見守るように交互に見やった。どうにも声を掛けにくい雰囲気だ。
暫しの静かな攻防の後。 リーナが何かを催促するような咳払いをすると、ニコライが観念したように小さく息を吐き眉間にしわを寄せた。
「あー、……ぃいよ」
「ん?何だって?」
「可愛いって!今日のドレスも似合ってる!!」
「……喧嘩売ってんのか?」
「……何でそうなる?」
何か言われるのかと身構えていたが、眉間にしわを寄せて喧嘩腰で言われたらフィオラには嫌味にしか聞こえない。
そもそもフィオラには、リーナとミーシャの手によって何とか見られる状態にしてもらったという自負があった。ドレスに着られていることをよく理解している。
それが可愛いく見えるなんて、どうかしてる。
まあ……ライは女性の扱いは手慣れてるみたいだから、これも社交辞令ってやつか……?
先日のエスコートは自然なものだったし、いつも女性にしていることなんだろう。と、思いつつ、フィオラにまで気を使わなければならないニコライが不憫にも思えた。
「もういい。行くぞ」
これから出掛けるというのに、何故か既に疲れ切った様子のニコライがフィオラに手を差し伸べる。 だけどフィオラは、その手を素直に取ることが出来なかった。
「あのさぁ……公爵は慣れてるんだろうけど……こういうの、別にいいよ」
「……は?何のことだ?」
「何って……可愛いってお世辞を言ったり、腕を組んだりだよ。そりゃ、人がいっぱいいるところではしなくちゃいけないんだろうけど、ここには見てる人はいないし、それに……嫌だろ、私相手じゃ?」
ニコライに気遣わせない為に言ったのだが、最後の方は随分と自虐になっていることに気付き俯く。
ニコライは控え目に言って美男子だ。それに加え、今日はいつもとは違い式典用の白い団服を纏っている。つまり、きらきらしていた。
知らず、フィオラはその横に立ち並ぶことに尻込みしていたらしい。
だって、なんか。
きらきらしてるバッヂつけてるし……
マントなんか羽織ってるし……
そんな事を気にするなんて自分らしくないと思いつつも、見れば見るほど不釣り合いに思えてくる。
今までは少人数の身内の中で過ごして来たから気にもならなかった。しかし今日は、初めて会う大勢の中に入って行かなければならない。
私といたら、ライは……
私は……どんな陰口を言われるんだろう
一人でいればそんな所に行かなければいいだけだ。しかし、ニコライと。いや、ニコライでなくとも、他人と一緒にいるということは、そういうことだ。
今更ながら気付いた事の重大さに、フィオラは血の気が引いていた。
ふと、ニコライが血の気の引いたフィオラの手を取る。そのニコライの手が、思いの外優しくてフィオラは顔を上げた。
「別に、慣れてなんかいない。エスコートなんて殆どした事がないし……本当に可愛いと思ったから言っただけだ。それに……」
「わっ!」
ニコライが、ぐいっとフィオラを引き寄せた。その勢いで、ニコライの腕の中にぽすんとフィオラが収まる。
「……リーナとミーシャが見ている」
耳元で囁かれ、不覚にもフィオラの胸は高鳴った。
何だこれ??
先程までの不安感はどこへやら。急に顔が熱くなってきた事に驚いたフィオラは、助けを求めようとミーシャを振り返った。
ところがミーシャは、リーナと頭をくつけるようにして楽しそうに何かを囁き合っていた。フィオラと目が合っているにもかかわらず、瞳を輝かせて見返してくるばかりで、これでは助けは期待できそうにない。
「確かに……見てんな」
「ははっ!」
ニコライは堪らずといった感じで笑い声を上げると、そのままフィオラを抱き上げ馬車に乗り込んだ。
「わっ、ちょっ……」
突然の出来事に、フィオラが思わずニコライにしがみつく。背後でリーナとミーシャが小さな歓声を上げているのが聞こえて、どうしようもなく恥ずかしくなった。
馬車は扉が閉まるとすぐに動き出した。外でミーシャが何か言っていたようだが、すぐに視界から見えなくなった。 暫く走ったところでフィオラがニコライを見上げる。
「……一人で座れるから、下ろしてくれ!」
「もうすぐ着く。別にいいだろ、このままで」
顔を上げたものの、ニコライの顔は直視出来ない。何故ならば、超至近距離にニコライの顔があるから。
馬車に乗り込む時に抱き上げられたフィオラは、その流れでニコライの膝に横抱きのままであった。
何だこれ。凄く恥ずかしいぞ??
別に、馬車に乗るのも座席に座るのも一人で出来る。ただ、ニコライはフィオラを子供扱いしているわけではなさそうだ。
この恥ずかしさがどういう感情なのか分からず、フィオラは取り敢えず怒った顔をしてみせる。
あっけらかんと言うニコライは、何故か終始上機嫌であった。
「いや、重いし……」
「フィオラを重く感じるような、ひ弱な男が良いのか?それより……もう、俺のこと、ライと呼んでくれないのか?」
またも耳元で囁かれ、フィオラは「ふぎゃっ!」と、飛び上がった。その勢いに紛れて、ニコライの膝から逃れる。
「えっと……あれ?」
フィオラは小首をかしげた。
こちらに来てからフィオラは、意識してニコライを「公爵」と、呼んでいた。名前で呼んだ記憶はなかったが、無意識にライと呼んでいたのかもしれない。 一瞬戸惑ったフィオラだったが、そう思い直してニコライを見る。
フィオラの反応を楽しんでいるのか、ニコライの口角にはからかいの余韻が残っていた。
「曲がりなりにも、俺たちは婚約者じゃないか。『公爵』なんて、よそよそしいと思わないか?」
「そ、そう、かな……?」
面白そうににっこりと微笑むニコライは、やはりフィオラをからかっているのかもしれない。
王城に到着までの数分間。
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