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喜楽 1 ゴーレムと魔力
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「さて、これからどうするんじゃ?」
黙ったまま走るフェルの隣に、龍鬼が追い付く。
「町までもう距離が無いわ。被害が及ぶ前に何とかしたいわね」
前方では大木が音を立てて倒れて行くのが見え始める。
「取り合えず、あれを動かしている核の部分を見つけ無いとね」
フェルは追いついた石像の長い尻尾に飛び乗ると、背中を伝って一気に頭まで駆け上がり、そのままの勢いで石像の頭に拳を叩き付け、石像の頭は首から上だけが粉々に砕け散った。
「ちっ、以外と硬いわね……」
フェルは軽やかに地面に着地すると、石像を楽しそうに見上げ様子を窺う。
石像は一瞬動きを止めたが、何事もなかった様に又前へ進み始める。
「頭じゃなかったわねぇ……」
「母さん……」
声の方に振り向くとフェルの側に、風牙が立ち止まり石像の方を見ている。龍鬼が遅れて追いつくと大きく息を吐いた。
「ふぅ、老体には応えるのぉ……やはり動きを停めんといかんか」
歩き始めた石像の背を、遠い目で見詰めながら再び溜息を吐く。
石像は森を抜け、もう町の外れまで来ていた。
「あたしが前に出て囮になるから両足を壊して!」
フェルは返事も聞かずに、石像の前へ飛び出して行く。
フェルが前に立つと石像は一瞬立ち止ったかと思うと片腕を勢いよく上げその拳を振り下ろした。
フェルは、難なく拳をかわす。
間髪入れずに石像はもう片方の腕を、フェル目掛け横から殴り付けてきた。
「石のくせに、なかなか早いわね」
フェルは片腕で、石像の拳を受け止めニヤリと笑い、龍鬼と風牙が石像の両足に同時に拳を叩き付けるのを確認する。
両足を破壊された石像は、バランスを崩しフェルに向かって倒れ込んできた。
「冗談でしょ!」
フェルは、一瞬驚いた顔で見上げる。
石像の拳を受け止めていた片腕を離し、倒れてきた石像にそのまま回し蹴りを食らわせた。蹴りの当たった辺りから細かいひびが入り、石像の上半身が砕け散る。
ピクリとも動かなくなった石像の胸だった辺りから、フェルよりも少し大きな空の青のように青い卵のような物が出てきた。
三人は卵らしき物を囲む。
黙ったまま走るフェルの隣に、龍鬼が追い付く。
「町までもう距離が無いわ。被害が及ぶ前に何とかしたいわね」
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フェルは追いついた石像の長い尻尾に飛び乗ると、背中を伝って一気に頭まで駆け上がり、そのままの勢いで石像の頭に拳を叩き付け、石像の頭は首から上だけが粉々に砕け散った。
「ちっ、以外と硬いわね……」
フェルは軽やかに地面に着地すると、石像を楽しそうに見上げ様子を窺う。
石像は一瞬動きを止めたが、何事もなかった様に又前へ進み始める。
「頭じゃなかったわねぇ……」
「母さん……」
声の方に振り向くとフェルの側に、風牙が立ち止まり石像の方を見ている。龍鬼が遅れて追いつくと大きく息を吐いた。
「ふぅ、老体には応えるのぉ……やはり動きを停めんといかんか」
歩き始めた石像の背を、遠い目で見詰めながら再び溜息を吐く。
石像は森を抜け、もう町の外れまで来ていた。
「あたしが前に出て囮になるから両足を壊して!」
フェルは返事も聞かずに、石像の前へ飛び出して行く。
フェルが前に立つと石像は一瞬立ち止ったかと思うと片腕を勢いよく上げその拳を振り下ろした。
フェルは、難なく拳をかわす。
間髪入れずに石像はもう片方の腕を、フェル目掛け横から殴り付けてきた。
「石のくせに、なかなか早いわね」
フェルは片腕で、石像の拳を受け止めニヤリと笑い、龍鬼と風牙が石像の両足に同時に拳を叩き付けるのを確認する。
両足を破壊された石像は、バランスを崩しフェルに向かって倒れ込んできた。
「冗談でしょ!」
フェルは、一瞬驚いた顔で見上げる。
石像の拳を受け止めていた片腕を離し、倒れてきた石像にそのまま回し蹴りを食らわせた。蹴りの当たった辺りから細かいひびが入り、石像の上半身が砕け散る。
ピクリとも動かなくなった石像の胸だった辺りから、フェルよりも少し大きな空の青のように青い卵のような物が出てきた。
三人は卵らしき物を囲む。
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