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喜楽 1 ゴーレムと魔力
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そして、両腕を組んで困った様な顔で考え込むと家の中に向かって大声を上げた。
「龍鬼ちょっと来て! 風牙とアサギも!」
最初に、慌てて駆け寄ってきたのはアサギだった。続いて風牙と龍鬼がのんびりした様子で近付いて来る。
「何事じゃ」
「それが九の使った魔法に、石像の魔力が反応しちゃったみたいで動き出しちゃったのよ」
フェルは少し楽しそうに溜息を付きながら、龍鬼に答えた。
「ゴーレムか……前の持ち主が壊さずに捨てたんじゃろ、知らずに彼奴は手に入れてしまい、手に余るからここへ持ってきたんじゃな……全く困った奴じゃ」
龍鬼は一瞬考える様な仕草をすると、その場に腰を下ろし煙草入れから煙管を取り出し一服する。
「あのゴーレムからは元の持ち主らしい魔力は感じられんかった。あの石像自体が魔力を持っていた んじゃろうなぁ。動き出してしまった物は、もう止めれんじゃろう。壊すのが手っ取り早いじゃろうなぁ」
そう言うと落ちついた様子で又煙管をくわえた。
「龍鬼、風牙ついてきて、アサギは九と一緒に居て上げて」
フェルは返事も聞かずに、ゴーレムが薙ぎ倒した木々を辿って走り始めていた。
「 全く……年寄りはもっと労ってくれんと」
龍鬼は溜息を付きながら腰を上げ、フェルの後を追い掛ける様に走り始める。
「アサギ、九をお願いしますね。おやつの準備がして有りますから二人で先に食べていて下さい」
風牙はアサギと九の頭を優しく撫でると、先に行った二人の後を慌てた様子で追いかけ始めた。
アサギと九は最後に走って行った風牙の姿が、森の中に消えるのを見届ける。
アサギは不安気に森を見つめている九の前にしゃがむと両手を握り笑いかけた。
「フェル母さん達だから大丈夫だよ。おやつでも食べて待ってよう」
九は少し安心したのか、アサギを見上げて微笑む。アサギは立ち上がり、九の手を持ち直すと家の方に向かって歩き出した。
「龍鬼ちょっと来て! 風牙とアサギも!」
最初に、慌てて駆け寄ってきたのはアサギだった。続いて風牙と龍鬼がのんびりした様子で近付いて来る。
「何事じゃ」
「それが九の使った魔法に、石像の魔力が反応しちゃったみたいで動き出しちゃったのよ」
フェルは少し楽しそうに溜息を付きながら、龍鬼に答えた。
「ゴーレムか……前の持ち主が壊さずに捨てたんじゃろ、知らずに彼奴は手に入れてしまい、手に余るからここへ持ってきたんじゃな……全く困った奴じゃ」
龍鬼は一瞬考える様な仕草をすると、その場に腰を下ろし煙草入れから煙管を取り出し一服する。
「あのゴーレムからは元の持ち主らしい魔力は感じられんかった。あの石像自体が魔力を持っていた んじゃろうなぁ。動き出してしまった物は、もう止めれんじゃろう。壊すのが手っ取り早いじゃろうなぁ」
そう言うと落ちついた様子で又煙管をくわえた。
「龍鬼、風牙ついてきて、アサギは九と一緒に居て上げて」
フェルは返事も聞かずに、ゴーレムが薙ぎ倒した木々を辿って走り始めていた。
「 全く……年寄りはもっと労ってくれんと」
龍鬼は溜息を付きながら腰を上げ、フェルの後を追い掛ける様に走り始める。
「アサギ、九をお願いしますね。おやつの準備がして有りますから二人で先に食べていて下さい」
風牙はアサギと九の頭を優しく撫でると、先に行った二人の後を慌てた様子で追いかけ始めた。
アサギと九は最後に走って行った風牙の姿が、森の中に消えるのを見届ける。
アサギは不安気に森を見つめている九の前にしゃがむと両手を握り笑いかけた。
「フェル母さん達だから大丈夫だよ。おやつでも食べて待ってよう」
九は少し安心したのか、アサギを見上げて微笑む。アサギは立ち上がり、九の手を持ち直すと家の方に向かって歩き出した。
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