まさかのヒロイン!? 本当に私でいいんですか?

つつ

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Ⅶ 待ち受けていたのは

97. 下された判決

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 そして、判決の時がやってくる。
 騎士はもう私など不要と言わんばかりに玉座へと向き直り、話をまとめ始める。

「ベルネーゼ侯爵家からの迎えが来たときに真実を話さなかった時点で、悪意があったことは明白であります。また本裁判により、贅沢を望み、見目よく裕福な貴公子の寵愛を得るために行われた犯行であることが明らかになりました」

 違う。こんなのおかしい。唇がわなわなと震える。
 私に悪意なんてある訳がない。だって、私は自分が誰かだってわかっていなかったんだから。

「お二方の寵愛を得るためにはベルネーゼ侯爵令嬢である必要があり、これは計画的な犯行であったと言わざるを得ません」

 ベイル様に恋したことは、そんなにいけないことだった?
 私は寵愛が欲しくてミュリエル様に成り代わったわけではない。ミュリエル様だと言われて、それで生きていくうちに、出会ってしまっただけだというのに。

 どうして。どうして誰も助けてくれないの?
 ねえ、どうして……?

「以上のことから、この者に対し――滅魂の刑を求刑いたします」

 空気がぴんと張りつめた。ここに集まった全員の視線が陛下へと集まる中、陛下がその口を開く。

「陛下。ご承認を」
「よかろう。その者を有罪とし、ミュリエル嬢の身体を奪還後、滅魂の刑に処することを許可する」

 死刑、じゃない……?
 真っ先に浮かんだのは疑問。だが――。

「滅魂、かっ」

 貴族たちの反応は尋常じゃなかった。彼らの声は驚きに満ち、陛下の御前にもかかわらず私語が飛び交う。

「滅魂だと!? 陛下たちはそれほどまでに」
「悪霊なのか? いや、そうでもしなければ陛下たちのお怒りは収まらないということか」

 私にはわからない。尋ねたら答えてもらえるだろうかと口を開きかけ――。

「ひとまず身柄を神殿に」

 陛下がおっしゃられて、私は慌てて口を閉じる。貴族たちが私語を話そうが、重要なのはそこではないのだ。ここにはまだ陛下がいらっしゃる。

「セーファス。儀式の準備はできているのだな?」
「はい。すでにミュリエルは潔斎に入っております」
「よい。では大神官に伝えよ。秘儀の執行を許可するゆえ、必ずやミュリエル嬢の身体を取り戻すよう」
「御意」

 そして陛下が退室されて、裁判は幕を閉じた。
 裁判? ううん、違う。こんなの……裁判なんかじゃない。

 
 
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