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猫の国ミャウシア連邦
地上戦1
しおりを挟む<<最前線中央部>>
欧州方面に向かっていたミャウシア軍の前線中央は3個師団、15個連隊からなる縦深陣を形成し、その長さは100kmあった。
総兵力ではおよそ5万以上に達し、多数の機甲戦力を持っている。
その前線に対しNATO軍機甲部隊が食いつく。
まず両軍とも非常になだらかな渓谷を挟んで4km離れた丘から顔を出して相見える。
そして最初に戦端を開くことになったルーマニア陸軍は丘を下だって前進していく。
ミャウシア軍は丘の上から攻撃することを決断し体制を整える。
「敵まで距離3,500mだ、距離が2000mで砲撃開始!」
ミャウシア軍戦車部隊は無線でやり取りして砲戦距離を決める。
同時に多数の44mm対戦車砲の準備も進め、各所に配置し始める。
準備万端で戦えると思った矢先、事態は急転した。
「撃てええ」
ルーマニア陸軍のTR-85M1戦車の100mm砲が火を吹き、ミャウシア軍の中戦車に命中すると爆発炎上する。
炎上した戦車から火だるまのミャウシア兵が這い出てくる。
ミャウシア軍は恐れおののいた。
なぜなら彼らが砲撃してきたのは3,000m近く離れたところからで初弾で命中させてきたのだ。
「ちょっと待って、嘘でしょ?」
嘘ではなく爆発した味方戦車を車長がじっと見ると別の戦車も爆発し事実として認識する。
ルーマニア軍はアウトレンジ攻撃でミャウシア軍を一方的に攻撃して破壊していく。
ミャウシア軍の機甲戦力が後退の判断を下した時丘の上のミャウシア軍戦車は相当破壊され尽くしていた。
あまりにも一方的で長射程な攻撃を目の当たりにして並どころか格上の相手だという認識も広がる。
「敵はヤバい、丘の裏手に引いて敵を誘引する。対戦車砲で損害を蓄積させるんだ!」
ルーマニア軍はそのままとても緩やかな丘を登っていく。
ミャウシア軍部隊は接敵まで攻撃できないことに歯がゆさを感じていたがじっと待ち伏せ続ける。
そしてルーマニア軍が丘を登り終え反撃のターンに移るかと思いきやまたルーマニア軍のターンが続く。
「左舷に対戦車砲がある。俯角が取れ次第撃て!」
ズオオン!
対戦車砲は撃つ間もなく吹き飛ぶ。
なんとか砲撃に持ち込むがなかなか当たらずその間に砲撃で排除されていってしまう。
また随伴のMLVM歩兵戦闘車のKPV 重機関銃から繰り出される14.5mm弾で蜂の巣にされるものもあった。
カンカンカン!
「うあああ!」
対戦車砲の防弾板が14.5mm弾に貫通され兵士が次々被弾する。
大口径弾ゆえに被弾したミャウシア兵は大抵死亡してしまい、生きていても瀕死の重傷だった。
そんな中突出していたTR-85M1戦車の正面装甲に命中弾を出す対戦車砲が出た。
しかし結果は残酷であった。
貫徹力100mmの砲弾は車体正面に命中したがセラミックスを囲む防弾板の一層目すら貫通できず弾き返されTR-85M1戦車も側面だけは撃たれないよう注意しながら進んでの結果だった。
「そんな...うわ!」
ズドオオオオオン!
ついに対戦車砲が全滅してしまった。
ミャウシア軍には携行砲の類はなく残された重機関銃で応戦するくらいしかなかった。
そしてルーマニア軍機甲部隊は歩兵陣地の一部に集中砲火を浴びせまくる。
ミャウシア軍歩兵部隊はたちまち退却し、その穴になった陣地をルーマニア軍機甲部隊が抜けて後方へと走り去っていく。
此処に来てミャウシア軍前線部隊の指揮官が標的が自分たちだと気づくがすでに手遅れだった。
司令中隊目掛けてルーマニア軍が火力を叩き込み周囲に展開していたミャウシア軍の連隊は頭を失い総崩れになった。
さらに機甲部隊の後方から来ていた歩兵部隊も加わり、完全に包囲されたミャウシア軍部隊は戦意を失い自主的に投降を始めた。
その頃別の前線では大量に炎上するミャウシア軍戦車の残骸の隙間をぬって進むウクライナ軍のT-64BV戦車中隊の姿があった。
「こちら第〇〇戦車中隊。敵の前線を突破し畳み掛ける」
「こちら司令部。了解した、そのまま作戦を続行しフタマル、マルマル時までに更に50km前進せよ」
「了解。さて、捕虜の護送はどうなっているんだ?」
この時はまだ戦闘中の前線が多かったがミャウシア軍捕虜が急激に増加の一途をだどっていた。
後方部隊にしわ寄せがいく。
「バスがぜんぜん足りないからってそりゃないっすよ。他の車両ないんですか?」
「贅沢言うな。後方に戻る補給車両にもすし詰めで載せろとのお達しだ。その間はお触りしてもバレなからそれ鬱憤でも晴らしとけ。実はうちらの隊長が根回し済みだ」
「はいはい」
そう言うと男性兵士が次々ミャウシア兵をトラックに詰め込んでいく。
少し反抗的な者もAK-74小銃を頭に突きつけ言うことを聞かせた。
そうこうしていると頭上をMig-29が超低空飛行しながら爆音を轟かせて飛び去る。
「空軍の奴ら面白おかしく調子こきやがって」
文句を垂れながらも兵士を全て載せ終えると荷台に乗る見張りの兵士に言う。
「なあ、こんなかで一番可愛いのってどれだと思う?」
「はっ?お前何言ってんだよ」
見張りの兵士が呆れた様子で言うが真意は別だった。
「そんもんあそこの白髪のお嬢ちゃんに決まってんだろ、言わせんな恥かしい」
「おすすめはその子か」
そういうと男性は白髪の女性のミャウシア兵を連れ出し助手席へ連れていくと自分の膝の上に乗せるてトラックを出発させた。
女性兵士は強がった表情を続けるが明らかに怯えた様子も覗かせる。
「お嬢ちゃんお名前は?」
しかし言葉が通じないので返事できない。
ミャウシア語で返事するが今度はこっちがわからない。
「ニャンニャ、ニャンニャ言ってぜんぜん通じねえし。それにしてもアッテリア人ってのは本当に女ばっかな上に小さくて若々しい奴ばかりなんだな」
「安心しな、ロシア兵は絶対ボコボコにするがお前らに恨みはねえから、ちょっとお話したいだけなんだよ」
そう言いつつ尻に手を回してお触りする。
女性兵士は少し不機嫌そうにするが抵抗はしない。
実はアッテリア人は女尊男卑社会であり、女性兵士はまさか自分がセクハラの対象にされたとは考えていなかったのだ。
しかし地球人兵士が男性ばかりな様子にこの女性兵士も社会構造が逆で自分がセクハラされていることに気づき始める。
拒否とは違う非常に戸惑った様子でうざそうに男性の手を押しのけようとするようになる。
「なるほど、セクハラを知らないんじゃないのコノ子?」
「かもな。ん、それなんだ?」
女性兵士の懐に写真があり、助手席の男が取り上げる。
「げ、家族写真。しかも子供が2人!?一人は赤ん坊でこいつが抱いてる...」
「は?見た目14かせいぜい16だろ。それでガキが2人って?マジかよ!」
その後は一線は超えないもののセクハラまがいの談笑が続く。
その間戦闘は続き、ミャウシア軍部隊は少数ながら圧倒的火力で機動戦をしかけてくるNATO軍の地上部隊に押されて前線はどんどん瓦解していた。
NATO軍が少数だったため半壊した中央部隊を置き去りにしつつ被害の少ない北部と南部の部隊をそれぞれ一箇所に集め強固な防御線を構築しミャウシア軍は徹底抗戦の構えを強める。
しかし部隊の移動速度の関係上集結し切る前にNATO軍の叩きかけを受けてしまうのだった。
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