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幼なじみ
変化
しおりを挟む4時、アラームを止める。
ん~~眠い、、、
のそのそと布団から身を出す。
今日も早朝から撮影だった。
洗顔を済ませて適当な服に着替えて制服とカバンを持って家を出た。
「おはようございます。」
「おはようございます椎樹さん。では、行きましょうか。」
僕はいつもこんなにだらしの無い格好なのに4時半に僕をスタジオまで送ってくれる未鼓さんはしっかりスーツを着ていた。
未鼓さんって、本当に凄いなぁ
夜も桜ちゃんが寝るまでは自分は寝ないって言っていたし、朝だってこんなに早くに起きてる。
僕と桜ちゃんが学校に行っている間どうしてるかはわからないけど、ダラダラしている姿は想像出来ない。
「椎樹さんもすっかり有名人ですね。」
「ネットって怖いね。この前なんて女優さんと熱愛報道か!?みたいな記事が載ってたよ。」
「有り得ませんよね、椎樹さんは桜李さん一筋なんですもんね。ふふふっ。」
「えっ、あっ、いや、、、、間違いではないけどさ、、、って、え!?僕そんなにわかりやすいかな!?」
えぇ、未鼓さんはそう答えて笑いを堪えていた。
僕、、、そんなに顔に出てるのかな、、、
未鼓さんはそれでいいと言ってくれた。
本当にいいのかなぁ、、、なんか恥ずかしいなぁ、、、
黒い車はスタジオの前で止まる。
「では、またあとで。」
「ありがとうございました。」
僕はスタジオに入った。
「おはようございます。見ましたネット。あの女優さんと熱愛報道なんて贅沢ですね。」
「本当に!」
「いや、ないよ。有り得ないよ。話した事もないのに、、、。」
「椎樹さんは社長しか見えていないですもんね。」
「え?」
「さっ、メイクしますよ~。」
スタジオの人達にも同じような事を言われた。
僕、、、そんなに、、、、わかりやすいの?
「にしても、16歳の肌って本当に最高ですね。潤いしかない。」
「そうかな??」
僕は先月誕生日を迎えて16歳になった。
桜ちゃんに少しだけ近付けた。
「ケアをしっかりしてるのは勿論でしょうけど、そもそも素材がいいですもんね。こんなに肌の白い人なかなかいないですよ。」
「桜ちゃんに日焼けは絶対にするなって言われてるからね。1秒でも日に当たるなら全身に日焼け止め塗れって、、、。」
「相変わらず厳しいですねぇ。」
「そうだね。楽じゃないなって思うけど、、、努力を怠ったらそれだけしか成果は付いてこないってよく言ってるよ。それに、、、桜ちゃんに求められる事は全部答えるのが僕の義務だから。」
スタジオの人達はクスリクスリと笑っていた。
僕、おかしな事言ったかな?
「愛ですね~。メイク完了です、撮影始めましょう。」
今日の撮影はメンズ用のリキッドファンデーション。
素肌に近い仕上がりなのに毛穴や肌荒れをカバー出来るというのがコンセプトらしい。
「ビックリするくらい肌綺麗ですね。」
「毛穴無く無いですか!?」
「ニキビがひとつも無い!?」
カメラマンさんやメイクさんが凄く褒めてくれるから撮影は順調にいった。
「16歳って凄いですねー。」
カメラチェックをしているとスタジオの人皆が良いと言ってくれる。
7時過ぎ、撮影は無事に終わった。
スタジオの人が用意してくれたお弁当を食べて7時25分、未鼓さんと桜ちゃんが乗っている車に乗り込んだ。
「桜ちゃんおはよう。」
「撮影お疲れ、さっき写真何枚か見たが、いい仕上がりだった。」
「そう?良かったっ。」
「放課後は本社に行く。」
「え?僕も?」
「あぁ。」
どうして行かなければいけないのか、何をするのか、詳しい話はいつもされない。
内容によっては僕が緊張してしまうから。
それから学校までは僕も桜ちゃんも寝ていた。
校門前、車を降りると前とは比べ物にならない程の人だかりだった。
あの日テレビに出てから毎日こんな感じだった。
嫌じゃないけれど、やっぱり面倒臭い
「マナ君ー!」
「おはようマナ君!」
僕の歩く道を何人もの人が塞ぐ。
僕はごめんなさいごめんなさいと繰り返しながら縫って歩く。
高校生になると中学生の時より積極性が増した気がする。
遠くから見る、という選択肢よりいかにどう近付くかという手段を選んでいる気がしていた。
学校の中にくらい普通に入りたいなぁ
一度だけ桜ちゃんにこの事を言ったことがある。
けれど、それは世間の反応と等しい、手に取るようにわかるのだから感謝するべきだと言われた。
ふぅ~
教室内に着くとどっと疲れがくる。
「よっ、芸能人。」
「やめてよ。」
高校に上がって友人が何人かできた。
男の子の友達は初めてだった。
「今日も撮影だったのか?」
「そうだよ。授業まで少し寝るね?」
「あぁ。」
高校の入学式、僕はいつものように1人で過ごしていた。
そんな僕に凄くナチュラルに話しかけてくれたのが横知くんだった。
「椎樹愛弥、、、だろ?」
「え?」
「俺さ、椎樹のいつも行ってるスタジオの近くに住んでるんだよ。朝ランニングしてる時よく見掛けてた。」
「え、そうなの?」
「あぁ。毎朝すげーなーって思ってたよ。まさか同じクラスになるなんてな。」
嬉しい、そう言って手を差し伸べてくれた。
それから僕と横知君はよく話すようになった。
桜ちゃんにその事を話した時、仲良くするのはいいが弱みは見せるなと念を押された。
だからかな?桜ちゃんは誰ともつるまないのは
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