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しおりを挟む(どうしよう。どうしよう。どうしよう。)
エミリーは家に着くなり、涙がぽろぽろと溢れた。悲しくて、苦しくて仕方なかった。何度涙を拭っても、止めどなく溢れてしまう。
(あの時、アランは着いてきてほしい、なんて一言も言わなかったじゃない。)
エミリーは自分の勘違いに絶望した。てっきり自分も行くものだと、夫婦は一緒に住むものだと、思い込んでいた。だが、アランが単身赴任すると考えていたのなら、あの異動を告げられた時に、どうもアランの様子が可笑しかったのも納得だ。自分はアランを困らせていたのだ。勝手についていくと思い込んでいるエミリーに、きっと優しいアランは「単身赴任したい」という本音を伝えられなかったのだ。
(だけど、私は、単身赴任なんて耐えられない・・・。)
エミリーは交際している頃から、アランにベタ惚れだった。感情表現の薄いアランと正反対の積極的なエミリーは、アランとの会話も、スキンシップも、欠かせない。アランとの他愛ない会話が、心を癒してくれるし、アランの添い寝が無いと眠れないほどだ。たった数日でも離れるなんて、考えるだけで胸が張り裂けそうになり、涙が出てしまう。
(・・・アランは、私と離れても平気なんだよね。)
そんな思いが頭を過ると、また涙が溢れてしまう。単身赴任を希望していたと言うことは、そういうことだろう。自分とアランとの想いの差を突きつけられたようで、エミリーは寂しい思いが募り、息苦しくなる。今すぐにでもアランに抱きつきたくて堪らなかった。エミリーの涙は、なかなか止まってくれなかった。
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