【完結】旦那様!単身赴任だけは勘弁して下さい!

たまこ

文字の大きさ
11 / 12

11

しおりを挟む



 ベッドの上で抱き締め合っていると、アランが思い出したように口を開いた。


「あー。エミリー。トニーとは、もうあまり話さないように。」




「え?」


 エミリーに余計なことを伝えてきたトニーのことを思い出す。




「ええ。この前会ったときも何だか刺々しかったし、あまり近づきたくないわ。」
 


「そうじゃなくて。」



「え?」





「トニーはずっと君に気があるんだ。」


 アランは少し気まずそうにそう言った。エミリーは、目を丸くして言葉にならなかった。


 幼い頃の友達同士だった時期なら兎も角、大人になってからは挨拶程度で深い関わりはない。デートに誘われるような色っぽい話は一度も無かった。




「エミリーと付き合い始めてから、言葉にはしないが、俺に対して明らかに当たりが強くなった。結婚してからはもっとだ。俺が単身赴任すると聞いて、チャンスだと思ったのだろう。」


 確かにあの時、トニーはエミリーの去り際にゴニョゴニョ言っていた。あれは何かのお誘いだったのかもしれない。

 それにしても、上司とその妻に対して非礼すぎないか、とエミリーは眉を寄せた。



「そうだったの。分かった、見掛けても絶対に近寄らないわ。」



 貴方に嫌な思いさせてごめんなさい、と謝ると、アランは首を振り、愛おしそうな瞳でエミリーを見つめた。




「そうしてくれると嬉しい。」


 アランはエミリーの頬に唇を寄せた。そして額にも、唇にも、止めどなく口づけを受ける。結婚してから二年も経っているが、アランからこんなに長時間甘やかされたことはない。エミリーは、身体が蕩け、へろへろになってしまった。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

前世を思い出したので、最愛の夫に会いに行きます!

お好み焼き
恋愛
ずっと辛かった。幼き頃から努力を重ね、ずっとお慕いしていたアーカイム様の婚約者になった後も、アーカイム様はわたくしの従姉妹のマーガレットしか見ていなかったから。だから精霊王様に頼んだ。アーカイム様をお慕いするわたくしを全て消して下さい、と。 ……。 …………。 「レオくぅーん!いま会いに行きます!」

王太子殿下の想い人が騎士団長だと知った私は、張り切って王太子殿下と婚約することにしました!

奏音 美都
恋愛
 ソリティア男爵令嬢である私、イリアは舞踏会場を離れてバルコニーで涼んでいると、そこに王太子殿下の逢引き現場を目撃してしまいました。  そのお相手は……ロワール騎士団長様でした。  あぁ、なんてことでしょう……  こんな、こんなのって……尊すぎますわ!!

【完結】ある夫婦のちょっと変わった、すれ違い話。

たまこ
恋愛
職人気質のアーサーと、アーサーを好きで堪らないメアリーの、ある日のお話。

初恋の呪縛

緑谷めい
恋愛
「エミリ。すまないが、これから暫くの間、俺の同僚のアーダの家に食事を作りに行ってくれないだろうか?」  王国騎士団の騎士である夫デニスにそう頼まれたエミリは、もちろん二つ返事で引き受けた。女性騎士のアーダは夫と同期だと聞いている。半年前にエミリとデニスが結婚した際に結婚パーティーの席で他の同僚達と共にデニスから紹介され、面識もある。  ※ 全6話完結予定

伯爵令嬢の婚約解消理由

七宮 ゆえ
恋愛
私には、小さい頃から親に決められていた婚約者がいます。 婚約者は容姿端麗、文武両道、金枝玉葉という世のご令嬢方が黄色い悲鳴をあげること間違い無しなお方です。 そんな彼と私の関係は、婚約者としても友人としても比較的良好でありました。 しかしある日、彼から婚約を解消しようという提案を受けました。勿論私達の仲が不仲になったとか、そういう話ではありません。それにはやむを得ない事情があったのです。主に、国とか国とか国とか。 一体何があったのかというと、それは…… これは、そんな私たちの少しだけ複雑な婚約についてのお話。 *本編は8話+番外編を載せる予定です。 *小説家になろうに同時掲載しております。 *なろうの方でも、アルファポリスの方でも色んな方に続編を読みたいとのお言葉を貰ったので、続きを只今執筆しております。

醜女の私と政略結婚した旦那様の様子がおかしい

サトウミ
恋愛
この国一番の醜女である私と結婚したイバン様。眉目秀麗で数多の女性と浮き名を流した彼は、不祥事を起こしたせいで私なんかと結婚することになってしまった。それでも真面目な彼は、必死に私を愛そうと努力してくださる。 ──無駄な努力だ。 こんな色白で目と胸の大きい女を、愛せるはずがない。

【完結】没交渉の婚約者より、図書館で会った人の方が素敵でした

ぽぽよ
恋愛
レイチェルには、十年間一度も会ったことのない婚約者がいた。 名前しか知らない、奇妙な婚約。 ある日、図書館で出会った男性に、レイチェルは心を奪われる。 穏やかで優しい彼に惹かれていくが、レイチェルには婚約者がいた―― 見た目だけでは分からない、本当に大切なものとは? すれ違いを描く、短編ラブストーリー。 ショートショート全5話。

【完結済】侯爵令息様のお飾り妻

鳴宮野々花@書籍4作品発売中
恋愛
 没落の一途をたどるアップルヤード伯爵家の娘メリナは、とある理由から美しい侯爵令息のザイール・コネリーに“お飾りの妻になって欲しい”と持ちかけられる。期間限定のその白い結婚は互いの都合のための秘密の契約結婚だったが、メリナは過去に優しくしてくれたことのあるザイールに、ひそかにずっと想いを寄せていて─────

処理中です...