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シャーロットside
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淑女失格の走りを見せた私は、辻馬車を見つけ、乗り込もうとした。その時。
「シャーロット嬢!」
腕をぐいっと捕まれ、振り向くとハリー様がいた。眉を寄せ、悲しそうな顔をしている理由が私には分からなかった。
「お嬢様・・・速すぎます・・・。」
はぁはぁ、と息を切らし、ソフィアが追い付いてきた。
「この年でお転婆はお止めください。」
「シャーロット嬢は昔からお転婆で運動神経が良かったな。」
懐かしそうに目を細めるハリー様は、私を大事にしているように見えて、苦しくなる。そんな私を余所にハリー様は、ソフィアを見て、とんでもない提案をしてきた。
「ソフィア殿。私にシャーロット嬢を送らせてくれないだろうか。」
「え・・・」
このタイミングで二人きりなんて止めてほしい。どうにか断ってほしくて、ソフィアへ目で合図するが、ソフィアはにっこりと笑い「是非お願い致します。」と頭を下げた。
◇◇◇
辻馬車に揺られ、公爵家に向かう。舞踏会の時は斜め前に座られた、というのに今は何故か隣同士で座っている。想像以上の距離に近さに胸が高鳴った。
「シャーロット嬢・・・やはり私のような粗野な人間とは結婚したくないだろうか。」
「へ・・・?」
結婚したくないのはハリー様の方ではないか。お父様がきっと無理難題押し付けた婚約が嫌だったのではないか。だからあのような美女と楽しく過ごしていたのではないか。そう言葉にしたいのに、口からは何も出てこない。
「シャーロット嬢、この前の舞踏会の時から様子が可笑しかった。やはり愛するエドモンド第二王子を久しぶりに目にして、私との結婚が憂鬱になってしまったのではないか。」
・・・誰が、誰を愛しているですって?
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私の手を遠慮がちに握り、眉を寄せたままの悲しい表情で懇願しているハリー様には本当のことを言うしかなかった。
「・・・お慕いしております。」
「やはり、エドモンド第二王子を・・・。」
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