【完結】拗らせ王子と意地悪な婚約者

たまこ

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 後日、アメリアはレイナルドから茶会に誘われた。場所はいつも二人で茶会をしている王城内にある中庭だ。そこで待っていたのはレイナルドだけでは無かった。

「アメリア様ぁ!!お会いしたかったですわ!!」

 見目麗しい令嬢に挨拶の前にぎゅぎゅっと抱き着かれ、アメリアは呆気に取られた。レイナルドが間に入ろうと必死になっているが彼女はびくともしない。そのうち、彼女の隣にいた青年がレイナルドと共に彼女を引き剝がし、アメリアは漸く解放された。ほっと息をついていると、青年が彼女を窘め始めた。


「ブリジット、アメリア様にもレイナルド殿下にも失礼だよ」

「だってファウストも知っているでしょう?私がずっと前からアメリア様にお会いしたかったこと」

「うん、そうだね。だけど挨拶もしていないのに抱き着かれたらアメリア様も驚くよね?」

「そ、それは良くないですわ!」

 彼女は乱れた装いをいそいそと整え、美しいカーテシーをして見せた後で挨拶を始めた。


「アメリア様、驚かせてしまって申し訳ありません。私、カーロフ侯爵家長女ブリジットと申します」

「あ、あなたが」

 先日のパーティーで見掛けた時の彼女と随分様子が違いアメリアは戸惑った。

「こちらは婚約者のファウストですわ」

 紹介された青年はにこりと笑った。アメリアも釣られて笑顔を見せると……。


「ひゃあ!アメリア様が笑って下さいましたわ……!」

「へ……私何か失礼なことを……?」

 急に大声を出したブリジットを見てアメリアは目を瞬かせた。「驚かれた顔もお可愛らしい!」とブリジットは身悶えている。


「もういいだろう」

 いつもよりずっと冷たい声でそう告げるとレイナルドはアメリアの手を取り、その場を離れようとする。ブリジットは俊敏に動きレイナルドを制止した。


「殿下、まだアメリア様と全くお話ししておりません」

「……うるさい」

「殿下、ブリジットが申し訳ありません。ですが説明が無いとアメリア様も戸惑われるのでは?」

「ふん」

 不機嫌極まりないといった様子で、レイナルドは東屋の椅子に腰かけた。いつもの茶会なら二人っきりなのでレイナルドの真向かいに座れば良いが、どこに座るべきかアメリアは一瞬視線を彷徨わせた。するとレイナルドが、ポンと彼の隣の椅子を叩く。アメリアはレイナルドの想いが嬉しくて頬を赤らめながら席に着くと、すぐ傍でそれ見ていたブリジットが声にならない声を上げ崩れ落ちてしまった。

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