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しおりを挟むアメリアは体調不良では無いかとブリジットを甚く心配していたが、レイナルドは「気にしなくて良い、こいつは病気なんだ」と呆れ切ったように言うし、ファウストは慣れた様子で彼女を椅子に座らせている。当の本人は「アメリア様……なんてお優しいの……!」と感激しており、この混沌とした茶会を見て控えているルパートは肩を震わせている。
ブリジットに紅茶を飲ませ、落ち着いたところでファウストが話し始めた。
「ブリジットはアメリア様のファンなのです」
「ファン?」
「ええ、学園ではアメリア様のファンクラブがありブリジットはその会長をしているのです」
「ファンクラブ?会長?」
思いもよらない言葉の数々にアメリアは混乱した。ファウストは苦笑いを浮かべながら言葉を続けた。
「レイナルド殿下の社交デビューの日、殿下はアメリア様をエスコートされましたよね」
「ええ」
レイナルドとすれ違いもあったものの、あの日はレイナルドが準備してくれたドレスを身に付け、無事に一緒に出席することが出来た。アメリアにとって大切な思い出の一つとなっている。
「あの時からアメリア様のファンとなった女子生徒が大勢いるのです」
「え?」
あの社交デビューの日。レイナルドは未だにその見目から敬遠されることが多かったのだが、あの日から他の者の評価が少しずつ変わっていると言う。それは婚約者であるアメリアがとても幸せそうに彼の隣に立っていたからだ。婚約者があれほど幸せそうにしているということは、レイナルドは噂で囁かれているような悪い人間ではないのではないかと、人々の印象が変わっていったという。
「殿下と楽しそうにダンスを踊られるアメリア様に大変惚れ惚れしましたの!とってもお可愛らしくて、会場の者はみんな目を奪われましたわ!」
「そんなこと……」
「そんなことあるのです!あの可憐さ……地上に舞い降りた天使ですわ!私と同じように考えた方々とファンクラブ活動をしているのです」
「ファンクラブ活動……」
「ええ。最初の頃はあの社交デビューの日のアメリア様の美しさを語り合うだけで満足していたのですが、語り合っているうちにどうしてもアメリア様にお会いしたくなって。それでレイナルド殿下に何度もお願いしていたのです」
レイナルドが話していた彼女のお願いとはこのことだったのか。アメリアは漸くお願いの正体が分かりホッとした。
「ですが、何度お願いしても断られてしまって」
「当たり前だろう」
「まぁ、なぜですの?」
「……お前はアメリアにベタベタするだろう」
苦虫を嚙み潰したようにそう告げたレイナルドを見て、アメリアはまた頬を緩ませた。だがブリジットはつまらなそうに続けた。
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