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しおりを挟む季節は廻り、七年後。
「レイ様、今日はお疲れ様でした」
「ああ、アメリアも疲れただろう」
二人掛けのソファの隣に座るレイナルドへアメリアは首を振った。
この日、二人は無事に婚姻の儀を終えた。レイナルドとアメリアが想いを確認し合った後も時折二人の間にすれ違いは起きた。物心ついてすぐの頃から沢山の悪意に晒されてきたレイナルドが、考え方や捉え方を変えていくことは難しかった。
それでもアメリアを手放さないという想いだけは揺るがなかった。だからこそ、二人はすれ違っても毎回想いを伝え合い仲を深めていった。
「ふふ」
「何だ?」
「ルパート、すごく泣いていましたね」
レイナルドとアメリアを応援してくれていた沢山の家族や友人たちが式に参加してくれた。侍女のミリーや友人のシルヴィアが涙を滲ませている姿を見てアメリアも思わず涙を流しそうになったが、男泣きをしているルパートを見て驚きのあまりその涙が引っ込んだほどだ。
「……ルパートには、色々と心労を掛けたからな」
「そうでした」
アメリアが笑っていると、レイナルドから引き寄せられる。レイナルドから緊張した声で尋ねられた。
「アメリア」
「本当に、もう引き返せないからな」
「レイ様。私、ずっと一緒にいると言いました」
「……ああ」
少し拗ねたように言うアメリアへレイナルドは重々しく頷いた。
「アメリア」
「はい」
「……ありがとう、俺を諦めないでいてくれて」
アメリアは十三年間レイナルドのお嫁さんになると変わらずに伝えてくれた。レイナルドを大切にしてくれた。二人で幸せになることを決して諦めなかった。
だけどそれはアメリアだけの努力では無かった。レイナルドはアメリアの恥にならぬよう必死で学び、今は貴族達からも認められつつある。それは彼が血の滲むような努力を重ねてきたからだ。諦めなかったのはアメリアだけでは無い。
「レイ様こそ、私を手放さずに隣に置いてくれてありがとうございます」
「……っ」
「ずっとレイ様のお嫁さんになりたかった……レイ様のお嫁さんになれてとっても幸せです」
花が綻ぶように笑う彼女を見て、レイナルドは胸が詰まり、抱き締めていた腕に更に力を込めた。レイナルドが幸せに浸っているとアメリアが耳元で囁いた。
「ベッドに行かないのですか」
「……っ!」
婚姻の儀の夜に行うことを知らない二人ではない。だが、レイナルドとしてはアメリアの体調が心配だった。一般的な貴族の式とは違い、二人の式には大勢の貴族が集まり盛大なパーティーが開かれた。彼らの挨拶に終わりは無くレイナルドでさえヘトヘトだというのにアメリアが疲れていない訳が無いのだ。彼女に無理はさせたくなかった。
「今日はもう休め」
「いやです」
「お前は……っ!」
「私、レイ様の意地悪なお嫁さんですから」
そう言って幸せそうに笑う彼女を拒める者などいないだろう。レイナルドは溜め息を吐くと「……やっぱりお前は意地悪だ」と小さく呟き、彼女を抱きかかえた。
<拗らせ王子と意地悪な婚約者:完>
最後までお読みいただきありがとうございました!お気に入りや感想、投票にエールとどれも大変励みになりました。心より感謝申し上げます。
可愛い二人を描いていくのは本当に楽しかったです!そして本当の意地悪、アーネストの物語も書きたいなと思っておりますので、その時はまたお読みいただけたら嬉しいです。宜しくお願い致します。
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みんなの感想(4件)
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早く会いに来て、気持ちをちゃんと伝えてね
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pon0194様
ご感想ありがとうございます!
とても励みになります!!
そしてレイナルドへの応援ありがとうございます〜😢
最後まで見守って貰えたら嬉しいです☺️
アメリアが可愛らしすぎ〜💞
レイナルドもどんどん素敵な男の子になってるし…
周りの家族も優しい人ばかりで、ほんわかした雰囲気が素敵だと思います
毎日楽しみにしています
もちろんポチッとさせてもらいました
pon0194 さま
素敵なご感想と投票ありがとうございます!アメリアとレイナルドも褒めていただき、とても嬉しいです☺️💕
毎日お読みいただきありがとうございます、励みになります!これからもお楽しみください♪