【完結】拗らせ王子と意地悪な婚約者

たまこ

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「―――と、いう訳で振られちゃったんだよねぇ」

「当たり前でしょう。あなたって人は……」

 アーネストは帰国するとすぐに幼馴染のフランチェスカに会いに行った。彼女は公爵令嬢でありアーネストと幼い頃からの仲だ。アーネストにとって気の置けない貴重な友人の一人である。そして公爵令嬢という立場でありながら、大変秀才でありアーネストの側近候補として既に公務を補助している稀有な存在だ。


「本当に信じられないわ。どうして国王陛下はあなたを止めなかったのかしら」

「父様は恋愛結婚を推奨しているからね」

「トパルーズ国の王子殿下の婚約者に求婚するために留学するなんて」

「そうだねぇ」

「国費の無駄!留学費用は全額返済しなさい」

「フランチェスカならそう言うと思って、投資で得た自分のお金で負担したよ」

「ふん、自分のお金だからって私情のために留学に行くなんて王太子として有り得ません」

 吐き捨てるように言われたアーネストはフランチェスカの瞳を覗き込んだ。


「フランチェスカ?なんかいつもより怒ってない?」

「―――っ!当たり前です!殿下が不在のせいで細かい業務は全て私たちがこなしていたのですよ!」

「そっか、ごめんごめん」

「ごめんごめんではありません!!」

「フランチェスカには沢山お土産買ってきたから」

「ちゃんと話を聞きなさい!!」

 その後も長々と叱られたアーネストだが響いている様子はあまりない。うんざりしたフランチェスカは彼を叱りつけることを諦めた。




「……殿下」

「うん?」

「お帰りなさい」

「ふふっ、ただいま。フランチェスカ」

 狡い人だとフランチェスカは思う。この笑顔だけで全て許してしまいそうになるのだから。散々傷つけられた心には蓋をして、フランチェスカは小さく息を吐いた。



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