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 翌日の放課後。


「……レナード。」


 俺が誰もいない教室で本を読んでいると、顔を青白くしたベンジャミンがやって来た。


「おう。」


「……ルシルのことなんだが。」


「ああ、婚約解消のことか?俺は応援してるが?」


「なっ……!」


 言葉に詰まったベンジャミンに俺は追い討ちを掛けた。


「婚約者が話し掛けても、返事もろくにせず睨んでばかりで、一緒に過ごす時間も作らないような男はうちの妹にはお断りなんでね。」


「……レナード!」


「うちの妹にもっと優しくしてくれる男なんて山ほどいるんだよ。今、どの男が良いか、俺が選別しているんだ。今日だって町のカフェに候補の男と行かせている。楽しく過ごしている筈さ。少なくとも、睨み付けるような男よりはね。」


「……っ!どこだ、どこのカフェだ!」


 今にも俺に掴み掛かりそうなベンジャミンにカフェの名を伝えると、ベンジャミンはすぐ走り出した。

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