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しおりを挟むハァハァと隣から息が上がる音がして、随分遠くまで走ってきたこと、私が腕を掴んで連れてきたロキ様が苦しそうにしていることに、私は漸く気付いた。
「ロ、ロキ様!申し訳ありません!!」
「ハァハァ、大丈夫!良い運動に、なった、よ!」
慌てて足を止めて謝ると、息を切らしながらもロキ様は許してくれた。
「せっかく連れてきていただいたのに、こんなご迷惑をお掛けして、本当にごめんなさい!」
「ハハッ、いいよいいよ!ケーキはまた別の日に行こうよ。」
「え?でも……。」
「実は俺、甘いもの好きなんだ。だけど男一人じゃ頼みにくいしさ。ルシルちゃんが一緒だと助かるんだ。」
「そういうことでしたら、ぜひ!」
私が元気良く返事すると、ロキ様は「こんなに純粋じゃ、ベンジャミンも拗らせるわな」と苦笑した。私が意味が分からず、聞き返すと「ルシルちゃんは分からなくていいの!」と頭を撫でられた。
◇◇◇◇
それから、学園でも学園外でもベンジャミン様と鉢合わせてばかりで、私は終始落ち着かなかった。あれから何度かロキ様とカフェに行こうとしているが、行けた試しがない。
(な、なんで、こんなに鉢合わせるの?!前は会いたくても、会えなかったのに!)
以前は、私が会いたいと思ったら、学園中を隈無く探さなければならなかった。それでも会えない日だってあったのに、今は日に何度も顔を合わせている。
鉢合わせるのは決してわざとではない。だが、回数がこうも多いと私がベンジャミン様をつけ回しているように誤解されかねない。
私は鉢合わせる度に必死で謝り、脱兎の如く逃げ出している。
(ベンジャミン様が、ヴィクトリア様と幸せになれるように本気で応援してるのに!)
私はタイミングが悪すぎる自分を恨んだ。
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