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しおりを挟む電話が終わると同時にピロンとメッセージアプリが通知を告げた。メッセージを確認するとすぐ私は家を飛び出した。
「……ごめんね。夜に急に呼んだりして。」
「いえ。」
「何か今日の様子が気になって。コンビニ帰りに連絡しちゃった。」
来てくれてありがとう、と佐藤さんは笑った。
家のすぐ隣の公園でベンチに隣同士で座る。二人の間には十分にスペースがあり、紳士的な佐藤さんらしく嬉しいやら、少し寂しいやら……。そんなことを考えていたら、カフェオレを手渡される。私の好きな銘柄の物だ。何年も一緒にいた元彼は覚えてくれなかったけれど。覚えたくもないようだったけれど。
「何かあった?」
「うーん……。元彼から連絡があって。」
「え……。」
「あ、それはさっきの話で、昼間のこととは関係ないんですけど。」
「うん。」
私の突っ込みどころの多い話に、佐藤さんは話の腰を折ることなく私の次の言葉を待ってくれていた。
「別れてからも、何度か連絡あって。毎回、会いたいとかヨリを戻したいとかそんな話で。」
「今日は大丈夫だった?」
「留守電で聞いただけなんです。」
着信拒否してしまうと、元彼の動きが分からず恐怖だった。そのため、留守電にして話の内容だけ聞いていた。
「元彼は自分のお兄さんだけは怖いみたいで、いつも留守電を聞いたらお兄さんへ連絡して注意してもらっていました。そしたら、暫くは連絡は来ないので。」
自分から会いに来るのはプライドが許さないようで、別れてから数年間同じ町に住んでいたが一度も会うことは無かった。時折掛かってくる留守電だけが私の平穏を奪った。
今日も留守電を聞いてすぐ連絡した。お兄さんは「またか……。」と零し、電話口で誠心誠意謝罪してくれた。
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