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しおりを挟む「こんばんは~」
夕方、約束通りやってきた葉名の声を聞き颯は走って玄関に向かうと笑顔で彼女を迎えた。
「はなちゃん!」
「颯ちゃん、お名前覚えててくれたんだね」
「ふふ」
玄関に立つ彼女を中に入れようと颯はぐいぐい引っ張る。迷惑では無いかと心配そうに旺也へ視線を送る葉名に「良かったら中に入って貰えませんか?颯、ずっと楽しみにしていたので」と伝えると彼女は花が綻ぶような笑顔を浮かべ頷いた。
「きれいでしょ?」
「うん、とっても!」
「ぼくがね、かたづけたの」
胸を張る颯に「すごいな~」「お片付け上手だね!」と彼女は惜しみなく誉め言葉を浴びせていく。へにゃへにゃと笑う颯を見て、彼女もまた嬉しそうに微笑んだ。颯と葉名が絵本を読んだり、お気に入りの玩具を紹介して過ごしているのを旺也は少し離れて眺めていた。暫く経った頃、颯がふと「おうちゃん」と呼んだ。
「らじお、きかなきゃ」
「ああ、そうだったな」
旺也は自身のスマートフォンを取り出すと「あのラジオを聴きたいんですが、上手くできなくて……」と少々決まり悪そうに伝えた。きょとんとしていた葉名だが、彼の言葉が伝わるとすぐに満面の笑顔を見せた。
「聴こうとしてくれたんですか?」
「あ、ああ。颯も聴きたがっていたし、俺も……」
「嬉しいです!」
身を乗り出した葉名に戸惑っていると、「すみません」と慌てて彼女は離れた。
「ラジオって薦めても聴いて貰えないことが多いんです。聴く習慣が無い人には少しハードルが高いみたいで。だからすぐ聴こうとしてもらえて嬉しくて」
照れくさそうに笑う彼女はスムーズにアプリをインストールすると、ステッカーに書かれた番組と、それ以外のおススメの番組をいくつかブックマークに入れ楽しそうに話し続けていた。
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