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しおりを挟む「はぁ……」
まだ日差しの厳しい夏のある日。公園に来た颯は葉名と共にしゃがみ込み、蟻の行列を追っていた。
「おうちゃんはあっち!」と追い払われ、近くのベンチで二人を見ていた旺也がつい溜め息を吐いてしまうと二人とも顔を見合わせ旺也を見上げた。
「旺也さん、疲れました?そろそろ帰りましょうか」
「おうちゃん、あたまいたい?」
太陽の下にずっといると頭が痛くなるから休憩しないと駄目だ、と旺也が少し前に話していたことを覚えていたのだろう。颯は心配そうに尋ねた。
「いや、頭は痛くないよ」
颯の頭を撫でると葉名の方を見て「別の意味で頭が痛くて」と零した。
「そろそろ保育園の練習をしたいんですけど……」
「ほいくえんいや!!きらい!」
「この調子で……」
打って変わって旺也を睨み付けた颯を見て、肩を落とす。上司である玄は少しずつ元気になって来た颯の様子を喜んでくれたが、仕事の復帰は焦らなくて良いと告げた。子育てを既に終えている彼は、落ち着いてみえる時こそ手厚く関わるべきだと言った。旺也だって、すぐに以前のようにフルタイムで働こうとは思っていない。だが徐々に練習をしたいのが本音だ。
「おうちゃんのいじわる」
「う……」
「そう、ほいくえんきらいなのに。いやっていってるのに」
「それは……分かってる」
「ふふ、それならこういうのはどうでしょう」
臍を曲げた颯と項垂れる旺也を優しく見つめていた葉名の提案に旺也だけでなく颯も耳を傾けていた。
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