【完結】王太子妃候補の悪役令嬢は、どうしても野獣辺境伯を手に入れたい

たまこ

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番外編:キャサリン王女の幸福。11

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 三年後。




「まさか、全てアレクサンドラ様の考えた通りになるとはな。」



「流石アレクサンドラ様だわ。」



 馬車に揺られるケネスとキャサリンは、怒濤の三年間を思い返した。


 三年前、アレクサンドラから、王太子妃にはならないことを聞いた二人は驚愕した。この国の為に必死で止めようとしたが、それは無理な相談だった。クリストファーも王太子にはならないと聞き、二人は眩暈がした。しかし、本題は次の話だった。




 王太子は、王弟のベンジャミンになる方向で秘密裏に進めている。そのベンジャミンの補助をする為に、アレクサンドラが今受け持っている公務を二年掛けてキャサリンへ引き継いだ。ケネスには、陞爵の為、そしてキャサリンと結婚し王族に名を連ねても研究職に就くことが許される為に、研究成果を更に上げることを求められた。


 一年前、アレクサンドラは言葉通り、王太子妃ではなくなり、クリストファーは廃嫡となった。ベンジャミンが王太子となり、キャサリンは公務に追われた。ケネスも陞爵の手続きと、王族となるための教育を施され、先月やっと二人は結婚することが出来たのだ。




「・・・三年間、何があったか思い出せないくらい忙しかったわ。」


「幼い頃から、あの人には酷い目に合わされてばかりだ。」


 不満そうに呟くケネスの手を強く握り直した、キャサリンは恐る恐る口を開いた。



「・・・私といること、後悔してない?」


 ケネスと思いを通わせてから三年、あまりの忙しさに二人で過ごす時間が殆ど取れなかった。キャサリンは、ケネスに大きな負担を掛けていることが心苦しくて、ずっと聞きたくて聞けなかったことだ。



「キャサリンじゃなきゃ、こんなに頑張れない。」


 優しく笑うケネスは、キャサリンに深く口づけた。


「ケ・・・ケネス・・・っ!」


 キャサリンの制止は、聞いてもらえない。口づけは、キャサリンの身体がふにゃふにゃになるまで続いた。



「やっと、ご褒美の時間だ。」


 結婚してからも二人の時間は取れず、やっとのことで今日から新婚旅行だ。アレクサンドラが暮らしている辺境領の別荘でしばらく過ごすことになる。アレクサンドラにも一年ぶりに会えるだろう。



 キャサリンとケネスは、長い年月と大きな努力を経て、二人の生活を漸く手に入れた。



「辺境につくまで、今までの分もキスさせて。」


 甘い囁きに、キャサリンはくらくらしながら、ケネスの口づけを受け入れた。





(キャサリン王女の幸福:完)



 
※もうしばらく、番外編が続きます。お付き合いください。
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