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番外編:ジェニーの密会。2
しおりを挟む就寝前、夫婦の寝室で横になったアレクサンドラは、隣のアルバートにジャンからの相談事について話した。
「ジェニーのことは報告を受けていたが……まさかジャンがジェニーを?」
アルバートは目を丸くした。長い付き合いのジャンの想いに、アルバートは全く気付いていなかったのだ。
「ええ。恐らく、同僚以上の想いを抱いていると思いますわ。」
「はぁ、全然気付かなかったな。二人は年齢差もあるから、考えたことも無かった。」
アルバートが、アレクサンドラの侍女を選ぶ時、年齢が近い方が良いだろうとジェニーを選んだ。一方、ジャンは幼少期から次期辺境伯となるアルバートの補佐をすることが決まっており、二人は幼馴染のようなものだった。現在ジェニーは十九歳、ジャンは二十九歳だ。
「アル。二人の年齢差は、私たちと全く同じですわよ?」
「あ、ああ。そうか。」
恋愛ごとには疎いアルバートが、アレクサンドラには可愛く見える。
「ふふふ。アルのそういう所、とっても好きですわ。」
「あまり褒められた気がしないんだが……。それより。」
急に真面目な表情に変わったアルバートは、アレクサンドラを近距離で見つめた。
「アル?」
「ジェニーのために動くことは良いが、危ないことは決してしないでくれ。」
アルバートはアレクサンドラを心配そうに見つめた。
「はい。勿論ですわ。」
「絶対だぞ?」
「はい、約束します。」
「どこかに行くときは必ず護衛をつけるように。どんな小さなことも必ず報告するように。」
アルバートは、いつもアレクサンドラを大事にしてくれる。それを感じられ、アレクサンドラの心はじわじわと嬉しさで満たされていく。過保護なアルバートのことが、アレクサンドラは愛しくて愛しくて仕方なかった。
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