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番外編:ジェニーの密会。1
しおりを挟む「ジェニーのことで相談?」
専属侍女ジェニーが休みのある日、アレクサンドラの元に、執事のジャンが相談にやって来た。
「はい……他の使用人たちからの話では、市場やカフェなどで、ジェニーが男に付き纏われている場面を何度も目撃されているのです。」
「そんなことがあったのね……。その男は誰だか分かっているのかしら?」
「いえ。それがどの使用人も他で見た事が無い男だと言っています。もしかしたら、辺境の者では無いかもしれません。」
「成程ね。ジェニーには話を聞いたの?」
ジャンは首を振った。女性同士の方が話しやすいだろう、と侍女長が聞き取りをしたが、ジェニーは何も話さなかったという。
「もし、ただの痴話喧嘩であれば問題はないのですが……。」
問題は無い、と言いつつも、全くそうは思っていない顔をしているジャンを見て、アレクサンドラはもしや……と思いを巡らせた。
「何かに巻き込まれているのであれば、手助けしなければなりません。……使用人の管理は私の仕事ですので。」
付け加えるジャンだが、ただ仕事だからという訳では無いように見えた。
「ですが、その男が誰かも分からず、ジェニーも何も言わないとなると、どう対応して良いものか分からず……奥さまに相談させていただきました。」
「分かったわ。それでは私の影を使いましょう。」
「……宜しいのですか?」
ジャンは驚いたように尋ねた。アレクサンドラを頼ったのはジャン自身だが、真面目な彼はそこまで頼るつもりは無かったようだ。
「勿論よ。ジェニーは私の大事な侍女だし、ジャンの仕事を助けることも私の役割だわ。」
アレクサンドラは、公爵家で暮らしていた頃は殆ど屋敷にいなかった為、使用人たちとの交流は少なかった。辺境へ来て、アルバートが付けてくれた明るく元気なジェニーは、アレクサンドラにとって大事な存在となっていた。
「申し訳ありません。宜しくお願い致します。」
いつも飄々としているジャンが余裕の無い表情で深々と頭を下げた。先程の予想は、やはり当たっているだろうとアレクサンドラは一人確信していた。
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